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県産小麦を使った、新しい沖縄の食文化

みなさんは、沖縄で小麦が栽培されている事を知っていますか?
沖縄では戦前、小麦の栽培がされていたのですが、
戦後は基幹作物(サトウキビ、パイナップル)などの影響で
途絶えていったそうです。
そこで、2015年小麦栽培文化を復活させようと誕生したのが、沖縄県麦生産組合でした。
沖縄県麦生産組合の副会長であり、金月そばの代表の金城太生郎(きんじょう たきろう)さんは沖縄そばのお店を経営する中、沖縄は原料の小麦がなく製麺所が少ないことから県産小麦が必要不可欠だと思い、
2016年に金月そばが組合に加盟しました。

金城さんは、『島麦かなさん』としてブランド化を果たしています。
金月そば恩納村店に伺った際、併設された製粉所に入らせていただきました。
小麦を製粉する工程の中で、金城さんが収穫の際に混じった雑草の種や葉などを手作業で丁寧に取り除く場面がありました。
製粉の工程の多くが手作業で行われる島麦かなさんは、手間と愛情でできている小麦だと思いました。

島麦かなさんを使用している金月そばは、他のそばと違い麦の外皮のふすま(ブラン)が入っており麺がほんのり黄土色をしていて、優しい味で何杯も食べたくなります。
南城市・うるま市・読谷村の農家を中心に、オーガニック農法で栽培されている島麦かなさんは、毎年一月に県産小麦を知ってもらうため麦踏み体験を行っています。他にも一般の方が使いやすいよう、様々な商品展開を行っています。
うるま市にあるうるマルシェには、県産小麦を使用した食パンやパスタ、煎餅などがありました。

県産小麦を復活させようと個人単位ではなく、県内の農家さんやマルシェなど様々な分野の方を巻き込んで取り組みをされている金城さんのお話を聞き、感銘を受けました。取材を通し、食べ物がどこで作られているのか興味を持つことの大切さや、地域の野菜を販売しているようなマルシェなどのイベントに参加することで、どんな野菜が県内で作られているのかを発見できるのでかないかと思いました。