鋭利なチクワ
名探偵と刑事が殺人現場にいた。
そこにはちくわが散乱していた。
「凶器は鋭利なチクワだったとみえます」
「え?」
「犯人は能力者だったのです。物の性質を変化させる系のね。おそらくチクワを鋭利にした後、硬化させたのでしょう」
「なぜ、それが分かった?」
「実はある時に気づいてしまいましてね。刑事さん。あなたにいつぞや頂いたタバコ…、石みたいに固かったですよ?」
「…俺としたことがなんて些細なミスを」
「自首しますか?」
「そうだなぁ」
刑事はチクワを名探偵に向かって放り投げた。
「能力は一つじゃない…フンっ!」
刑事は空中のチクワに向けて、巨大化&硬化の能力を使った。まるで、バールのようなチクワが名探偵に襲いかかる。
「よっ、と」
「よ、避けただと?!」
「実は僕も能力者なんですよ…少しだけ未来が見えるんです」
そういえば、犯人が口を割りそうな場面がこないと事件を解決できなかったなあいつ、と手錠をかけられた刑事は思った。