【ブッダ】『ダンマパダ』『ウダーナヴァルガ』『スッタニパータ』　中村 元訳　

真理のことば（ダンマパダ）

実にこの世においては、
怨（うら）みに報いるに怨みを以てしたならば、
ついに怨みの息（や）むことがない。
怨みをすててこそ息む。
これは永遠の真理である。

第1章　ひと組みずつ　5

怨みをいだいている人のあいだにあって怨むこと無く、
われわれは大いに楽しく生きよう。
怨みをもっている人々のあいだにあって怨むこと無く、
われらは暮らしていこう。

第15章　楽しみ　197

怒らないことによって怒りにうち勝て。
善いことによって悪いことにうち勝て。
わかち合うことによって物惜しみにうち勝て。
真実によって虚言の人にうち勝て。

第17章　怒り　223

世の中は泡沫（うたかた）のごとしと見よ。
世の中はかげろうのごとしと見よ。
世の中をこのように観ずる人は、
死王もかれを見ることがない。

第13章　世の中　170

学ぶことの少ない人は、牛のように老いる。
かれの肉は増えるが、かれの知慧は増えない。

第11章　老いること　152

ひとり坐し、ひとり臥し、ひとり歩み、
なおざりになることなく、わが身をととのえて、
森のなかでひとり楽しめ。

第21章　さまざまなこと　305

正しい知慧によって解脱して、やすらいに帰した人
――そのような人の心は静かである。
ことばも静かである。
行ないも静かである。

第7章　真人　96

たとえ貨幣の雨を降らすとも、欲望の満足されることはない。
「快楽の味は短くて苦痛である」
と知るのが賢者である。

第14章　ブッダ　186

感興のことば（ウダーナヴァルガ）

殺す人は殺され、怨む人は怨みを買う。
また罵（のの）りわめく人は他の人から罵られ、
怒りたける人は他の人から怒りを受ける。

第14章　憎しみ　3

「わたしは若い」と思っていても、
死すべきはずの人間は、
誰が（自分の）生命をあてにしていてよいだろうか？
若い人々でも死んでいくのが。
――男でも女でも、次から次へと――。

第1章　無常　8

どのような友をつくろうとも、
どのような人とつき合おうとも、
やがて人はその友のような人になる。
人とともにつき合うというのは、
そのようなことなのである。

第25章　友　11

心が静まり、
身がととのえられ、
正しく生活し、
正しく知って解脱している人に、
どうして怒りがあろうか？
はっきりと知っている人に、
怒りは存在しない。

第20章　怒り　17

ブッダのことば（スッタニパータ）

目に見えるものでも、見えないものでも、
遠くに住むものでも、近くに住むものでも、
すでに生まれたものでも、これから生まれようと欲するものでも、
一切の生きとし生けるものは、幸せであれ。

第1　蛇の章　8、慈しみ　147

人が生まれたときには、実は口の中に斧（おの）を生じている。
愚者は悪口を言って、その斧によって自分を斬り割くのである。

第3　大いなる章　10、コーカーリヤ　657

音声に驚かない獅子（しし）のように、
網にとらえられない風のように、
水に汚（けが）されない蓮（はす）のように、
犀（さい）の角のようにただひとり歩め。

第1　蛇の章　3、犀の角　171

古いものを喜んではならない。
また新しいものに魅惑（みわく）されてもならない。
滅びゆくものを悲しんではならない。
牽引（けんいん）する者（妄執）にとらわれてはならない。

第4　八つの詩句の章　15、武器を執ること　944

こちらの内容は、

『ブッダの 真理のことば 感興のことば』

発行所　株式会社岩波書店
訳者　中村 元
1978年1月17日　第1刷発行

『ブッダのことば』

スッタニパータ

発行所　株式会社岩波書店
訳者　中村 元
1984年5月16日　第1刷発行

を引用させて頂いています。

『【ブッダ】『ダンマパダ（法句経、真理のことば）』っていいなぁ（笑）』