【ジョン・C・マクスウェル】積極的な心がまえ『夢を実現する戦略ノート』齋藤孝訳・解説
同書からの抜粋となります。
第3章 不可能を可能にする「突破力」
……これが「信念の魔術」の使い方
"期待感"で火花が散る!
ケネディが先導する旅は不可能な旅のはずだったが、実現した。
信じられないことだが、一九六一年当時、
宇宙開発技術では
アメリカをはるかにしのいでいたソ連(現・ロシア)は、
いまだに月に人を送り込んだことがない。
アメリカ人が短期間に、
これほどの偉業を達成させた原動力は何だったのだろうか。
それはアメリカの技術力でも、ソ連の脅威でもなかった。
それはアメリカ人が、
「アメリカはそれができる」
と信じたからだ。
ケネディの演説は、不可能な夢にすぎなかった
人類の月面着陸
を一瞬にして達成可能な目標に変えてしまったのだ。
その時の技術レベルなど、ほとんど問題にはならない。
月面着陸は、
私たちの心がまえが変わったことによって現実となった。
つまり、私たちの心がまえが能力をしのいだ時、
不可能を可能にする「突破力」が生まれるのである。
宇宙開発プログラムに携わっている人たちと話をすると、
当時の現場の雰囲気は期待感で火花が散りそうだったという。
毎日、仕事をしながら、
全員が人類を月面に立たせることを最優先に考えていた。
大統領が掲げた目標には夢があり、
その実現のために皆が積極的な心がまえで臨んだ。
夢と、それにふさわしい心がまえとがあいまった時に、
私たちは不可能を可能にする突破力を手にできる。
もしも、
あなたがこのうちのどちらか一方しか持ち合わせていないなら、
あなたの成功への旅は意外と早く終わってしまうかもしれない。
○積極的な心がまえが特にない人の夢は、空想で終わる。
○積極的であっても夢がない人は、快活だが、進歩することがない。
○積極的な心と夢を持った人の夢は、限りない可能性を秘めている。
夢と積極性の両方があれば、
どんなに高く立ちはだかる壁も突破できる。
ケネディはそのことを知っていた。
夢だけでは成功できない。
知性、才能、教養、技術力、チャンス、努力
――こうした要素よりも
"積極的な心がまえ"
こそが夢を実現できるかどうかを決定する重要な要因なのだ。
ヨギ・ベラの次の言葉の裏には真実が隠されている。
「人生は野球のようなものだ。
九五パーセントは精神的なもので、
残りが肉体的なものだ」
成功するには精神的なものがいかに重要かということについて、
多くの人が勘違いしている。
知性、才能、教養、技術力、チャンス、
確固とした仕事に対する倫理観、
これら全てを兼ね備えていたとしても、
夢の実現にふさわしい心がまえがなければ、
成功への旅を楽しむことはできないだろう。
これはあなたにとって革命的な考え方かもしれないので、
もう一度確認しておこう。
夢の実現にふさわしい心がまえがなければ、
成功への旅を楽しむことはできない。
その他大勢の人たちと差をつけるには、
正しい心がまえで事に当たることこそが大切なのだ。
アメリカの心理学者・哲学者
ウイリアム・ジェームズに言わせれば、
「人間は心的態度を変えることで
人生を変えることができるという事実は、
ここ三十年間で最大の発見」
である。
今まで自分で下してきた判断は、
全て自分の心がまえが前提になっている。
心がまえによって行動が決まり、
行動によって何を達成できるかが決まる。
そういう考え方がお気に召すか否かはさておき、
今の自分と今の自分の置かれている状況は、
全て自分の心がまえによって決まっているのだ。
こちらの内容は、
『夢を実現する 戦略ノート』
発行所 株式会社三笠書房
著者 ジョン・C・マクスウェル
訳者 齋藤 孝
2005年9月15日 第1刷発行
を引用させて頂いています。