「わたしの宝物」役者陣が三竿Pの求める美羽、宏樹、冬月そのものだとの分かるQLAPインタビューウラカタさん!

今回は7話を前に、今一度振り返っておきたい三竿Pのインタビューの感想とここまでの6話での所感を照らし合わせてみようと思う。
わたしの宝物のノベライズ上巻を見る限り、この6話と7話に一区切りあるようだ。(まだノベライズを読み切っていないため、読み終わり次第また感想を描きたいと思う)
わたしの宝物は恐らく3部構成だ。
1~3話→それぞれの人物紹介と罪を作るパート。美羽と冬月の犯した罪がこの物語で唯一綺麗な神聖な愛によるもので、冬月と美羽の運命、宏樹がどんなに改心しようが運命で結びつく2人と部外者なのに変わりはなく、なのに夫であるという三角形にもなれない歪な3人のポジションを可視化してつたえるパート。
所謂プロローグ
4~6話→それぞれの物語の役割の固定化。物語上絶対に視聴者側を味方につけなければいけない"托卵"された悲劇の男宏樹、"何も知らず綺麗なまま"知らないところで罪が膨れ上がり視聴者から絶対的に好かれることはない大罪人冬月、悪女になる選択をせざる得なかったが通用する罪ではないくらい"托卵"が重罪だと視聴者へ伝える所謂見せしめの対象美羽。そして物語を掻き回していく真琴やリサの話。正直ここまでは色んな意味で賛否が別れる部分だと思う。

ここまでが前編なのだ。
そして7話。美羽、宏樹の夫婦の話から冬月が入り組んでいくようだ。
このドラマは不倫ドラマであるとうたってしまっている分、一部層から勘違いをいつまでもされ、的外れな感想も出てきてしまっている。このドラマ、従来の不倫ドラマとは全く内容が違うのだ。3人のドロドロとした愛憎劇はこれからだろうが、この話は二人の男が主人公を取り合う話ではない。それぞれの罪がそれぞれの心を折っていく話なのだ。
そして従来の不倫ドラマとかなり異なるのは神崎夫婦に悲劇をもたらし、安らぎをもたらす悪魔も天使も全てを冬月稜が担っている所だ。
ここまでの話で冬月が浮世離れしていて、常に視聴者から共感を得られなず、掴めない、好かれることのない役が冬月だったが、それもそのはず。
冬月稜は美羽のヒーローであり実質的に宏樹も救ってしまっているのである。そして7話。どん底の宏樹が触れる優しさが"冬月"のようである。まさにこの物語は純粋で何も知らない冬月が2人の最大の"敵"なのである。
ここから先、冬月と2人のもつれ合いに注目していきたい。

ここまで長くなったが、そんな物語の節目を迎えているわたしの宝物7話が放送される前に今一度QLAPにて掲載された三竿Pのインタビューを振り返りたいと思う。
三竿Pはこの托卵というショッキングなワードをずっと温めていたらしい。どういうふうに物語に落とし込むのかかなり悩まれたと語っている。
そして「もし私がこの立場ならどんな選択をするのか」を自分視点で見てもらえるドラマに出来たらとこの"悪女にならざる得なかった悪女"の物語を企画したらしい。
彼女の立場ならそうしてしまうかもと美羽に共感出来たらいいという思いで作っているとのこと。"こうする!"と決めた女性の強さ、そういったものが詰まったキャラクターが美羽なのだ。
確かに美羽にはしたくないのに共感してしまう部分や、同情してしまう部分、認めざる得ない場面がいくつかある。若菜さんがインタビューにて好かれる主人公じゃなくていいんじゃないかと言うふうにして作っていると答えていたが、好きじゃないけど彼女のことを責めることはできないが美羽の存在感をより強くしている。

それぞれのキャスティングについては色々な媒体で話している通り、三竿Pの求める人物像が三者ともに綺麗にマッチングしている。
美羽がどう生きていくのかを見せてもらいたい気持ちで若菜さん、振り幅があり切ない芝居が日本一な人で圭くん、そして距離感を掴むのが上手く、優しい三竿Pの想像する冬月にピッタリだった深澤くん。
三者が持つ特性はまさに三竿Pの求めるキャラクターだったのだろう。
本音を言うとそれがもっと今後正確に伝わることを祈っている。

役者陣の役作りについても触れているが、かなり現場で細かく話し合われバランスを見つつ調整してシーンが作られているようだ。ここで圭くんの3話台本を見た上でのキャラクター調整の話も出ている。
また、圭くんと深澤くんで若菜さんのお芝居が変わるのも大事な要素だと語られている。
取材時は恐らく1話撮影段階であるため、よりそれぞれぬのパートの雰囲気が違く、ピリついた歪な神崎夫婦、淡い恋愛パートの冬月と美羽。全く異なる雰囲気を役者陣が上手く作り上げている。
深澤くんが緊張していたこと、本番の集中力、瞬発力と勘の鋭さの凄さについて褒めてくださっている。
彼が現場での評価が高い理由の一部はまさにここだろう。

美羽と冬月の惹かれ合うシーンを撮る前のインタビューだが、見てる人がうっとりするような美しいシーンを撮りたいと話されていて今読むと、あぁ…確かに綺麗すぎた。あれは本当に伝説の美しいラブシーンだった。
三竿Pに改めて感謝を。


その他小道具に"鳥"のモチーフがちりばめられていたり、第一話をどうしてもあの最後にしたくて詰め込んだ話。(これに関しては少し惜しい気持ちもあるが)
宏樹の本心が明かされる前の話など盛りだくさんである。

掻い摘んでインタビューを振り返ったが、今1部に言われている意見がいかに制作サイドとの認識のズレがあるのかをこのインタビューを見るとわかる。
冬月が至極真っ当にポジションを発揮していて、深澤くん出なくては冬月がダメな理由も三竿Pのインタビューを見れば誰しもがわかるだろう。
ちゃんと作品を見てる人、理解力のある人、普通の視聴者はしっかりそれが汲み取れているが、やはりこのご時世それすらも汲み取れない層がいる。それも意外に多くいることがこの作品が話題になり露呈した。
そりゃ日本のエンタメも衰退するわけだ。
構成上しょうがないが、7話からはしっかりこの本質的な部分が伝わるよう祈っている。


話題作、わたしの宝物、今夜も皆で阿鼻叫喚を轟かせようじゃないか。
では、22時。皆さんわたしの宝物集合で。

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