「根津営みの美術館」美大生のフィールドワークと制作
今年も「根津営みの美術館」プロジェクトが本格的に始まり、武蔵野美術大学の学生たちが根津エリアでフィールドワークを行い、地域の生活や景色に対する発見を元に作品制作に取り組んでいます。学生たちは、それぞれの視点から根津の魅力を捉え、地域に根ざしたアート表現に挑戦しています。今回は、各学生が感じた気づきと、今後の制作スケジュールを紹介します。
門田さん:はみ出し観察ツアー
門田さんは、根津で見られる「はみ出し物」に注目。民家や店舗が道や公共スペースにまで広がり、植木や物が自由に置かれている様子を「はみ出し」と捉え、それが地域住民の生活感やコミュニケーションの象徴であると感じました。彼はこの「はみ出し」を活かしたガイドツアーを計画し、根津の魅力を伝える作品を制作します。
制作スケジュール
10/2: コース策定、具体的な制作物の設定
10/3: ポスター制作
10/5: 集合場所に設置する看板・手旗の設計
10/6: 制作休止
10/7: 材料購入と看板・旗の制作
10/8: 看板・旗の制作(その他タスクも進行)
10/9-10: 未完タスクのための予備時間
10/11: 大まかなツアー原稿作成
池澤さん:根津の生活と情に触れる
池澤さんは、フィールドワークで商店や住民との交流を深め、根津の人々が自分の暮らしを大切にしていることを感じました。特に、最初は敷居が高いと感じた商店が、住民との関わりを通じて居心地の良い場所に変わっていったことに驚きを覚え、下町の生活文化に魅了されました。今後は、この発見を基に地域に根ざしたアート作品を制作します。
制作スケジュール
10/2: 試作制作
10/3: 若杉教授への発表、試作制作
10/4: 制作(根津)
10/7-9: 制作(根津で材料調達と街探索を予定)
トウさん:中間領域と椅子の提案
トウさんは、住民たちが家の前に作り出している「中間領域」に注目しました。庭の代わりに家の前のスペースを使い、物や植物が並んでいる様子が、住民同士の交流の場となっていると感じました。彼は、この空間を活用するために、地域住民が集まる椅子やテーブルを提案し、制作することを計画しています。
制作スケジュール
10/2-5: 椅子の制作
10/7-9: テーブルと展示棚の制作
10/10-11: 現場設置
饗庭さん:再開発と下町文化の共存を目指して
饗庭さんは、再開発が進む根津の街並みと、古くからの生活文化が交錯する様子に注目しました。便利さが増す一方で、古い建物や伝統的な生活が失われつつあることに寂しさを感じ、これを作品として表現する計画を立てています。彼は、根津の風景や雑貨を通じて、その独自の魅力を表現したいと考えています。
制作スケジュール
10/1: 計画ディスカッション・モチーフ集め
10/2: モチーフ選定・「見立て」のアイデア出し
10/3: 報告会、アイデア・構想練り
10/4: 素材決定・簡易プロダクト制作
10/7-8: 制作
10/9-10: 制作・展示方法決定