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根津営みの美術館:今年のフィールドワークがスタート!

今年も「根津営みの美術館」プロジェクトの一環として、ワークショップ「オブザ下町」が本格的に始まりました。このワークショップでは、武蔵野美術大学の学生たちが根津エリアを探索し、地域の生活や風景に対する気づきを写真で記録しています。彼らは限られた時間の中で、街並みや建築、暮らしの痕跡など、根津の「営み」に着目し、そこからインスピレーションを得てアート表現に取り組んでいます。

フィールドワークの意義

今回のフィールドワークの目的は、地域の暮らしを観察し、それをアート作品として表現することです。学生たちは、初めて訪れる地域を「新鮮な目」で捉え、根津の風景や日常に対する新しい視点を見出そうとしています。彼らが持つカメラは、単なる記録ツールではなく、地域の「物語」を切り取るための「目」として機能します。

探索の中では、路地や建築の裏側、住民同士の関係性や生活の痕跡といった、普段は見過ごされがちな部分に焦点を当てました。特に、商店街の建物の裏手や小さな通り、壁に刻まれた古いサインや落書きなど、地域の長い歴史が滲み出る要素が多く見つかりました。

探索とディスカッションによる深い発見

フィールドワーク後には、学生同士でのディスカッションが行われ、それぞれが感じ取った根津の魅力や、写真に映し出された「営み」についての考察が行われました。建物と住民の関係、生活空間の境界線、日常の中に潜む小さなアート的要素など、地域独自の「美」が各自の視点から共有され、そこから新たな作品づくりの方向性が見えてきました。

ディスカッションでは、地域に初めて足を踏み入れたばかりの学生たちの「新鮮な体験」や、「新しい目線」が特に重視されました。何気ない街角や、普通の家屋のデザイン、道端に置かれた物など、日常の中で無意識に存在しているものにこそ、根津の文化や歴史の痕跡が詰まっています。

地域との対話を通じたアクションリサーチ

フィールドワークの次のステップとして、学生たちは根津観音通り商店会の各店舗を訪れ、住民との交流を深めます。今回のフィールドワークで得た写真や気づきを「ネタ」として、住民の方々と会話を交わし、地域の歴史や日常についての話を聞く予定です。このアクションリサーチでは、住民の生活や思いに触れることを通じて、さらに深い理解を得ることが目的です。

学生たちは、写真をもとに街の変遷や人々の営みについて質問し、アート作品のテーマや表現に結びつける予定です。こうした住民との対話は、地域と外部の視点が交差する貴重な場となり、地域の魅力を引き出すきっかけとなります。

これからの展開

今回のフィールドワークや住民との対話を通じて得られたインスピレーションは、今後「根津営みの美術館」で展示される作品に反映されます。学生たちは、根津の歴史や生活の中に隠れた「アート」を発見し、それを視覚的に表現していきます。プロジェクトの最終的な成果は、地域の皆さんとのコラボレーションによって、より豊かなものとなるでしょう。

根津という街が持つ独特の魅力や、日常に潜む美しさを再発見し、それをアートという形で共有する「根津・営みの美術館」プロジェクト。これからも、地域と外部の視点が交わる場を通じて、新たな表現が生まれることを楽しみにしています。


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