ほんとは歌が好きだった
子供の頃はテレビがなかった
家に手回しポータブル蓄音機があり 母親が童謡を次々かけてくれた
近所にレコードショップがあったらしい
歌うのが好きだったが
そんな音楽教育の甲斐もなく学校ではその他大勢のカスタネットの担当ばかりだった
中学校の二年生の時 突然 私の人生初のギターが現れた
兄弟3人に1台 調子笛と初心者用教則本を添えて
親が与えてくれた
欲しがったかどうか覚えていない
1番上だった私が1番辛抱強く
調弦やコード演奏の練習をし
その年 父親の勤め先のクリスマスパーティーで
「きよしこの夜」の引き語りと
兄弟をそそのかして
教則本の巻末にあった「漕げよマイケル」の合唱
を やってウケた
その時 特に喜んでくれなかった両親が
最近まで変だと思わなかった
その謎は還暦も過ぎ音楽活動にのめり込んで始めて
徐々に溶け始める