良い魔女と悪い魔女のおはなし
こんにちは。ちんちんむしです。
皆さん魔女ですか?
私は一般人です。
先日、ドイツではヴァルプルギスの夜があり、現地の中継や動画を沢山見ました。ヴェルニゲローデの街の可愛さ、本格的な仮装がとても良かったです。
さて、海外育ちでもない自分が何故そんな文化に興味があるかというと、小さい頃に読んだ『魔女図鑑』が始まりでした。マルカム・バードが描いた魔女図鑑から始まって、図書館で色々な魔女の本を漁った時期がありました。
『魔女図鑑』、または魔女について書いたようなタイトルの本だけでも、解釈の違いやその絵本自体の世界感は異なります。
ここで私のお気に入りの4冊を紹介します。
Ⅰ.魔女図鑑 魔女になるための11のレッスン
自分が魔女文化に興味を持ったのはここからで、小学生低学年頃に読んだ物です。
マルカム・バード作の1980年代イギリスの絵本です。
ここに載っている魔女は、『いかにも』な、黒猫や蜘蛛の巣、ミミズ、等の奇妙扱いされる物達に囲まれた、汚らしく意地悪でぶっ飛んだ魔女のお話が子供にも面白く読めるようにマルカム・バードのイラスト満載で描かれています。
汚らしい、と描きましたが、出てくる魔女はみんな魅力的で、イラストからしっかりファッションにこだわりを感じます。
この絵本は実はただの面白いだけの絵本ではなく、
再現可能な魔女の料理のレシピや可愛いニット帽の作り方等も載っていますし、
大人になった今分かりますが、ハーブの知識も嘘っぱちではなく本当のことが書かれています。
100ページ近くフルカラーで載っている魔女のお話とマルカム・バードの絵が最高です。
Ⅱ.魔女のひみつ
2冊目はコリン・ホーキンスの『魔女のひみつ』。
実はこれよく気付かないで昔からマルカム・バードだと思ってました。絵が似てるからですが、よく見るとコリン・ホーキンスの方が血色がいいですね。
魔女図鑑と同じで1980年のイギリスの絵本です。
この本の面白いところは、まず一番最初に『魔女はおばあちゃんである』と決めつけています。結構無理矢理な状態で決めつけてきます。
この本はおばあちゃんが目をつけられて観察されるための絵本といえるかもしれません。汚らしくて不思議な秘密を持つおばあちゃんのお話にはなっていますが、『魔女は怖い存在じゃなくて役に立つ魔法しか使わない』設定があり、『魔女図鑑』よりは魔女の意地悪度が低めです。
32ページの絵本ですが、『魔女の買い物』『朝ごはん』など、かなり日常的な描写が黒多めの水彩画で描かれていて魅力的です。
後から調べたのですが、コリン・ホーキンスの絵本にはお化けのものと、この本に似た『吸血鬼のひみつ』などがあります。
Ⅲ.新 魔女図鑑
3冊目は日本の作品になります。
角田栄子さん作、下田智美絵、2000年の絵本です。
こちらはかなり実用的な本で、物語の形式で魔女に会った親戚が一般人目線で魔女のお話をしてくれるながらも、ハーブの実際の植え方やお祭りの歴史などがきちんと書いてあります。そしてこの本に描かれている魔女はとても人柄の良い魔女になっています。
今まで紹介したイギリスの絵本達とは全く異なった魔女図鑑ではあるものの、やはり日本人が書いていると日本人の私には他の作品よりも身近に感じることが出来て、ファンタジーの存在ではないような気にさせてくれました。2018年に国際アンデルセン賞を受賞しています。
Ⅳ.魔女のおまじない
これも日本人作家、というよりこちらは占い師の鏡リュウジさんという人の書いたおまじないの本ですが、内容は子供向けに書かれています。絵本というよりも児童書です。
内容はたくさんのおまじないが書かれているのですが、そのおまじないもハーブを使った物や鏡を使った物などで実践の方法や呪文まで細かく書かれています。
小話的に、イギリスやアイルランドの妖精や魔女のお話や童話の言い伝えが子供でも分かりやすく書いてあり、そこから興味を持ったお話で勉強したことも沢山ありました。こちらは魔女の云われについてある程度詳しくなった頃に読んだので、教科書がランクアップしたみたいですごくワクワクしたのを覚えています。
以上が私のおすすめする魔女の本4点でした。
自分の好きなものの軸に大きく関わってきた魔女文化は大人になっても魅力的な世界です。
でも読み返していると、お年を召しているけど独特な性格で独身、これは自分の将来かもしれないと思って遠い目をしました。
ではまた。
早くちょうちょになりたい