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14800円のマドンナ

あんなに顔に噛み付いていたのに、全くやらなくなったのは不思議だ。下唇に足をかけ、上唇をガブリとかホントありえない痛さだから。笑
色々としつけ方法も調べたし、これは長くかかりそうだと覚悟したのだが。私はしつけのプロではないので、単純に「neyoちゃん嫌っ!neyoちゃん痛いっ!」と言って顔を背け続けただけだ。
そして、両手で包んだり袖に入れてやったり、もっと面白いことあるかもよ、と色んな遊びを勧めた。飼い主の顔に執着せず、色んなことに興味持ってもらえるように。

neyoは頭がいいのだろう。
この子は懐かないかも?と思った時も、突然ベタベタし始めたし、一時の噛み癖も、こりゃ長くかかりそうだと私が困ったら、あっさりとやめたのだ。関心を惹くことに成功したら、ケロリと素直になる。
お互いに手探りだけど、めんどくさい子でも構わないのだけど、大変聞き分けがよくて助かる。わかってくれてありがとう。

あまり依存しないように、ほどほどの関係をと思っていたが結局また、小鳥の魅力にメロメロだ。

私がふらっとショップに立ち寄り14800円のコザクラインコを迎えたのは、ただの衝動でしかなかった。でも、必然だった。
あの日私は、ひどく体調が悪かった。
というか、この頃ずっと体がつらい。
休みの日はいつも信じられないほど眠たくて、起きてもなんだかぼうっとしてて。カフェでも行ければまだいい方。洋服にもコスメにも興味なし、な40代だ。なんとかしたいがなんともならない。

neyoがどこからやってきたのか、生まれてどのぐらいなのか、ショップの人が説明をしてくれたけど、正直あまり覚えていない。まだ、ケージに移って1ヶ月にも満たなくて人に慣れていないけど、これから慣れる可能性大な子です、と言われた。

体温であったかい小箱を膝に乗せ、トントンしながら家路に着いた。
私が守るんだ!って幸せで、胸がいっぱいになった。

毎日neyoの頭の匂いを嗅ぐ。
今日もダージリンティーの香りがする。

今日は初めてブランコに乗ってみた。
初めて、飼い主の手のひらに乗って外に出た。