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一期一会の話①

前回、マットレスを新調したことを書いた。地デジ開始の時に買って、どうしようもなくダラダラと部屋に鎮座していたテレビも、ついに買い替えた。その時の話をしよう。

けして心地良くもないのに、むしろ身体辛くてたまらないのに、無理に使ってたマットレス。
誰か選ぶの助けて!ってヘルプ出せばいいのに、いつまでも保留にして、買いかえられなかったテレビ。
少しずつサヨナラしていくことにした。

つくづく思うのは、私のような人間は、知らない人にでも「助けて!」と声を上げる勇気を持たなきゃ、生き延びていけないということだ。

電気屋に行って、パニックになることってないだろうか。
あの購買意欲を上げる為のワクワクした音楽が、自分は苦手だ。
静かにゆっくり、家具を選ぶような環境で、じっくり見られる電気屋があるといいのだが。

テレビを新調するにあたって、いくつか譲れないポイントがあった。サイズ50V、そのサイズでも首振りができること、リモコンが直感で使いやすいことだ。意外と意思ははっきりしてる。下調べは得意なので、そこまでは楽しい作業だった。

ところがいざ実物を見に行くと、例の音楽と沢山の液晶パネルに囲まれて、心がポツンと一軒家になってしまった。

これからなんでもこうして、1人で決断していかなきゃならないんだ。。。。
失敗しても自分の責任なんだ。。。。

液晶パネルの森の中で、そんなことを考えてしまった。馬鹿だ。来るんじゃなかった。

しょんぼりうつむいたところでちょうどよく、かなりお年の販売員が、そーっと声をかけてくれた。声のトーンとか、タイミングとか、全てその時の私にはちょうどよく、好感が持てた。
そして一気に「私、こんなテレビを探しに来たんです!」としゃべりまくった。笑
ふんふんと頷き、一緒にぐるぐる売り場を歩いてくれた。
差し伸べられた手は、躊躇なく握る。もう、これからはそうして生きてく。笑
今にして思えば、2年前電気ヒーターを買いにきた時も、このおじいさんだった気がする。

「もよちゃんは、そーゆう運を持ってるんだねえ。赤の他人からほっとかれない、みたいなw」
21歳のオトモダチに、そんなことを言われた。確かに、そうかもしれない。
毎日会ってる同僚や家族よりも、2度と会わないような他人から、優しい言葉をかけてもらった。大丈夫?と助けてもらった。
2度と会わないけど一生忘れられない、そんな出逢いが人生にいくつもあった。
これからはそんな体験を思い出し、書いてみたいと思う。