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【NJRPG-2ND/シナリオ】ダイダロス護衛任務

平安時代から続いたこの由緒正しいジンジャ・カテドラルも、今となっては、虚無的なカネモチ・ディストリクトの象徴と化している。ここは今から数年前に、オムラ・インダストリ系列のアミューズメント会社によって神主ごと買収され、サイバーゴス系クラブ「ヤバイ・オオキイ」へと変わったのだ。
ー【ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ】より

これは「ニンジャスレイヤーTRPG第2版」のシステムに対応した、3~5人のプレイヤー向けのシナリオ記事です。

全体的な難易度は高く設定されており「16ポイントスクラッチビルド」による、1ターンのダメージ期待値が3~4程度のポテンシャルを持った、作成間もないソウカイニンジャでプレイすることが想定されています。

◇本文中に登場する略称
NM:ニンジャマスター    → ゲームの進行役。描写などを行う。
PL:プレイヤー       → ゲームの参加者。PCを操作する。
PC:プレイヤーキャラクター → ゲーム内の主人公。メインキャラ。

◆マップデータのダウンロード

マップデータはGoogle スプレッドシートで作成されています。下記からローカルにダウンロードするか、ご自身のアカウントにコピーを作成してGoogle スプレッドシート上で使用してください。

マップの詳細は以降のシナリオ本文中で解説されます

◆ダンゴウ

PCは次のような任務概要を既に聞かされた状態で、ソウカイ・シックスゲイツのひとりダイダロスと共に、ジンジャ・クラブ「ヤバイ・オオキイ」を訪れるシーンから物語は始まる。

ソウカイ・シックスゲイツのひとり、電脳部門のトップであるダイダロスを護衛せよ。彼はニンジャスレイヤーの協力者と目されている女ハッカー、ナンシー・リーに執着しており、彼女を手ずから捕らえようとトコロザワ・ピラーから外出しようとしている。

◉ダイダロスは電脳戦のプロフェッショナルであり、その実力は敵なしといったところだが、カラテについては相当に心許ない。敵対組織のニンジャに襲撃されると、間違いなく窮地に陥ってしまうだろう。

◉彼の行き先はソウカイヤがケツモチをしているジンジャ・クラブ「ヤバイ・オオキイ」だ。現場にはヨージンボとして忠実なソウカイ・ニンジャのスコルピオンと、その部下であるメキシコ人バウンサーが配置されている。

◉現場でアテにできる戦力は以上である。モータルの客の巻き添え、施設の破壊は許容範囲内であり、危険が生じた場合は、いかなる手段を講じてでもダイダロスを守りきれ。

以下ではシナリオの舞台となるジンジャ・クラブのマップ詳細を先行して述べ、その後にシナリオのシーン処理について説明を行う。

◆マップ:ジンジャ・クラブ「ヤバイ・オオキイ」

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上記が今回の舞台となるマップの全体像になる。入り口からダンスホールまで一直線の道が設けられ、必要最低限の設備のみが揃えられたミニマルな構成となっているが、NMは必要に応じてドリンク類の貯蔵スペースや事務所などの設備を追加しても構わない。

なおグリッド状に区切られた都市区画に取り残されたジンジャを再現するため、マップ外は南側の道路を除く周囲全体が、侵入不可能な背高いビルや商業施設に囲まれているものとして扱う。

入り口|トリイ・ゲート

ライオンの顔がプリントされたTシャツを着込み、威圧的に腕組みしたメキシコ系黒人ゴメスが、サイバー調サングラスをかけてクラブのトリイの前に立っていた。今夜は金曜だ。ユーレイ・ナイトに相応しい格好をしてこなかった愚かな客を追い返すのが、時給五百円でゴメスに与えられた仕事なのである。
ー【ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ】より

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ジンジャ・クラブの入り口には屈強なメキシコ人のセキュリティ「ゴメス」が腕組みをして立っており、場合によってはPCも含め不相応な客を追い返す役割を担っている。

スコルピオンからの根回しに加え、PCはクロスカタナのエンブレムを身に着けているため、ゴメスには極めて丁寧な態度で正面口から迎え入れられる。もし彼らが正面口から入ることを嫌がるなら、正面の壁を乗り越えて敷地内に侵入する必要がある。この壁は「連続側転」中のみ通過することができる。

◆メキシコ系黒人のゴメス (種別:モータル)
カラテ     3   体力     1
ニューロン   2   精神力    2
ワザマエ    2   脚力     2
ジツ      -   万札     0
攻撃/射撃/機先/電脳  3/4/5/2

◇装備や特記事項
 装備:サイバーサングラス、ライオン顔プリントTシャツ

セキュリティ控え室

「なんだありゃあ、ロドリゴの野郎、意気地のねえ」セキュリティ控え室では、オムラ・インダストリ製のプラズマ液晶モニタを眺めながら、バンザイ・テキーラとナチョ・スシを交互に口に運び、巨漢のメキシコ人がイガラ声で呟いていた。「生きて帰ってきたら、股間にマリアの刺青を入れてやるぜ」
ー【ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ】より

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マップ右下にある建物はヤバイ・オオキイのセキュリティが待機する控え室である。シナリオ開始時点ではホールの監視カメラ映像が映し出された液晶モニタを前に、ソウカイヤから派遣されたヨージンボのスコルピオンだけが待機している。

配置されているトレジャーは小型冷蔵庫であり、スコルピオンが口にしているような「ナチョ・スシ(オーガニック・スシ)」が手に入る。

一方でこの施設の運営元から派遣されたサラリマン、モモタはメキシコ人セキュリティの働きぶりや客の入りを確認するため、あちこちを行き来している。彼は高慢な態度を取ってPCの機嫌を損ね、殺される可能性がある。

◆スコルピオン(種別:ニンジャ)
カラテ     6  体力     7
ニューロン   4  精神力    5
ワザマエ    5  脚力     3/UH
ジツ      3  万札     10
攻撃/射撃/機先/電脳  7/6/3/4
回避/精密/側転/発動  6/5/5/8

◇装備やスキル
 装備   :『ナイフ二刀流(カタナ二刀流)』
 スキル  :『☆カトン・ジツ』、『☆◉カトン触媒』
       『◉忠誠心:ソウカイヤ』、『◉ニンジャソウルの闇』、『◉邪悪なサディスト』

『◉サソリ・ファイティング・スタイル』:
 カタナ二刀流装備時の近接攻撃ダメージが2となる。
 またカタナ二刀流装備時の基本攻撃難易度が、HARDではなくNORMALとなる。

『●レッサー・サソリ・キック』:
 カタナ二刀流装備時に『カウンターカラテ』を発生させ、かつその『回避判定』の出目に
 【6,6】が含まれていた場合、この『カウンターカラテ』のダメージをD3とする(回避難易度:HARD)
 
『○武勇伝語り』:
  手番攻撃フェイズに「その他の行動」として使用する。
  次の手番開始フェイズもしくはダメージを受けるまで「回避判定難易度+1」の効果を得る。
  ただし、この効果が解除されるとき、それが手番開始フェイズであれば【精神力】が1回復し、
  そうでなければ、次の行動手番における「近接攻撃判定ダイス」が+2される。

『カトン自爆』:
  スコルピオンは爆発四散時、難易度:HARDのジツ判定に成功することで
  自身を中心とする5x5マスに無差別な「火炎ダメージ1」を発生させる(回避難易度:HARD)。

トイレ

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マップ左下にある建物は何の変哲もないトイレである。特別これといったイベントも用意されていないが、右が男性用、左が女性用となる。NMはPCがここでユーレイ・ゴスから衣装を奪って変装できる、としても良い。

ダンスホール(外部)

数百名を収容するジンジャ・クラブ「ヤバイ・オオキイ」のホール内は、ピンク、ターコイズ、オレンジなどのけばけばしいライトに目まぐるしく照らし出され、ホールの四方を取り巻く長大なショウジ戸には、ユーレイ・ゴスたちの影絵が刻み付けられていた。
ー【ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ】より

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マップ上の巨大なホールの周囲には厳ついメキシコ人のセキュリティが複数控えており、不審な客が現れたり乱闘騒ぎが起こったりすれば、ショージ戸を開けてすぐさまその排除にあたる。

セキュリティは行動手番が回ってきたとき、視界内に不審者や敵が存在する場合は即座に「セキュリティ控え室」へ連絡をおこなう。控え室に誰かが居た場合、その場には他のマップ上の「メキシコ人セキュリティ」が駆けつけて不審者の排除にあたる。

◆メキシコ人セキュリティ (種別:モータル)
カラテ     3   体力     1
ニューロン   2   精神力    2
ワザマエ    2   脚力     2
ジツ      -   万札     0
攻撃/射撃/機先/電脳  3/4/5/2

◇装備や特記事項
 装備:サイバーサングラス

ダンスホール(内部)

 無数のローソクが立てられた大燭台が天井から六つ吊られ、鎖を軋ませながら沈没寸前の難破船のように揺れて、炎の軌跡を描いていた。かつて大仏が鎮座していた北の壁にはスクリーンが置かれ、釜茹でにされるキリストや、逆さ写しのネンブツといった軽薄で悪魔的な映像が洪水のように映し出されていた。
ー【ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ】より

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大ホールの内部では大勢のユーレイ・ゴスがけばけばしいライトに照らされながら、亡霊のようにだらしなく踊り続けている。

このマップセットでは、主にこの場所が戦場となることを想定している。ここには下記のような、幾つかの特殊なギミックが用意されている。


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『ホール』:外周より1段階濃いグレーのマスは、そこに1~2名のユーレイ・ゴスが踊っていることを現している。人混みを通り抜けるにはニンジャであっても大勢を押し退けてゆく必要があり、この場所で戦う限り全キャラクターは次のルールの影響下に置かれてしまう。

◉対象が隣接している場合や範囲攻撃を除き、あらゆる射撃(遠隔攻撃)の回避難易度が-1される。
これはユーレイ・ゴスの人混みが遮蔽物、すなわち肉の盾として機能し、遠隔攻撃を遮ってしまうことを表現している。この効果が発動した時、対象が存在しているマスを通常マスに変化させる。
連続側転』、『突撃などの【脚力】に影響を与える「移動スタイル」が使用不可能となる。

◉『カトン・ジツ
や『回転斬撃などの範囲攻撃が発生した場合、ユーレイ・ゴスは巻き添えで死亡し、範囲内の「ホール」マスが効果を失う。PCがこの無慈悲な選択肢をとった場合、D3の【DKK】を得る。


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『大燭台』:ホールの上にはステンドグラスや鐘に囲まれて、6つの巨大な燭台が鎖に吊られている。濁ったオレンジ色のマスは基本的に「ホール」とみなされ、単にその真上に燭台が吊られていることを示している。

◉燭台の上を移動する:
ホールの外、もしくは遮蔽物の上から「連続側転」を行うことで、燭台の上に飛び乗って移動することができる。燭台の上にいる間は近接攻撃を行えないが、その対象ともならない。またこの場所は監視カメラの死角となる。

◉燭台を落とす:
現在飛び乗っている燭台を「その他の行動」で、あるいはホールから「射撃」で狙い撃つことで燭台は落下し、落下点を中心とする3x3の範囲内のキャラ全員に1ダメージを与える(回避難易度:HARD)。燭台に乗っていたキャラはダメージを受けないが、即座に落下点へ再配置される。


『スクリーンと監視カメラ』:北側のスクリーンには常時音楽に合わせたVJ映像が流れているが、ホール内で乱闘騒ぎが起こった場合は、監視カメラが捉えたその血みどろの映像がスクリーンに映し出される。


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『説教台とVJカンヌシ』:スクリーンの前では、肩に排気ホースを備えた戦闘服のような衣装に身を包むVJがテクノ・オコトを弾き鳴らしながら歌っている。彼が叫んだ言葉は赤文字となってスクリーン上を走り、ホールで繰り広げられる血みどろの騒ぎを煽り立てる。


マップ上のユーレイ・ゴスたちはスクリーンに映し出される映像と、VJカンヌシの煽り立てるようなパフォーマンスに強い影響を受け、オーバードーズ状態も相まって危機察知能力の致命的な欠落を生じる。ニンジャが引き起こす乱闘でさえ野次馬のように取り囲み、何か愉快な見世物のように囃し立てるのだ。

効果的にユーレイ・ゴスを追い払いたいと考えるなら、スクリーンを破壊したり、叫び立てるVJカンヌシを殺したりしてしまうことは一つの選択肢となる。


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『バーカウンター』:このジンジャ・クラブでは違法薬物が入ったアルコール飲料が供されており、ほとんどのユーレイ・ゴスがこれらのオーバードーズによりトリップ状態にある。PCはこのマスに隣接している状態であれば、手番攻撃フェイズに「瞬時行動」として、次の飲料のどちらかを消費することができる。一度アイテムを消費するとこのマスは通常マスに変化する。

◉ズバリ・リキュール:
次の手番の【脚力】が+1される。
◉バリキ・カクテル:【体力】を即座に1回復する。


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『北東のキモン・テーブル』:ホールの北東には、一段高くなったテーブル席「キモン」が設けられている。ここには最もランクの高い客しか座ることを許されておらず、大抵の場合は6人程度のエリート・ユーレイが卓を囲んでいる。何か事件が起こった場合は、腰を抜かした2名を除いて全員がその場を逃げ出してしまう。​

◆導入:護衛の準備を整える

物語が始まると、PCはトリイ・ゲート前に停車した家紋タクシーから降り立ち、オジギするゴメスを尻目に敷地内へと足を踏み入れることになる。その背後には光学迷彩ローブを纏った不可視状態のダイダロスが続き、まずPCは彼をダンスホールまでエスコートする必要がある。

RPを伴う最低限のイントロダクションを済ませた後、NMは次のような流れでシーンを処理してゆく。それぞれの詳細な内容については以降のセクションを参照のこと。

1:各PCの警備配置を行う
2:ナンシー・リーの居場所を探る
3:イベント・タイムラインを処理する
4:未検出の場合、ナンシー・リーの居場所を再び探る
5:ナンシー・リーとの接触
6:襲撃イベントの発生
7:増援イベントの処理
8:ボス戦

◇PCの配置場所を選択する

「何人も連れ立つ必要はありません。検出されるリスクが高まってしまう。最も強い者だけが私の護衛につきなさい。残りは散開し、この逢瀬が無作法な闖入者に邪魔されぬよう、エリアを警備するのです」君たちの背後から、無機質な声で指令が与えられる。

ダイダロスは複数のニンジャが自身の護衛に張り付いている状況を好まず、一度ジンジャ・クラブの敷地内に入ってしまうと、ボディーガード役は最小限に、散開して警備に当たるよう指示を出す。

PLは下記の選択肢から任意の場所を選び、PCを配置してダイダロス周辺の警備状況を強化する。場所毎の有利不利は殆どないが、【脚力】が低いPCを離れた場所に配置してしまうと、ダイダロスのもとへ到着するのに時間を要してしまうことには注意すること。

下の図中のピンク色のマスは当該選択肢の初期配置エリアを、赤い線は監視範囲を表している。複数の範囲が示されている場合、配置したマスを内側に含む赤い線が監視範囲となる。ただしこれはあくまでもイメージであるため、NMはこれを厳密な判断基準として用いる必要はない。


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◆ボディーガード役としてダイダロスに随伴する。
制限  :1人まで。
監視範囲:ダイダロス周辺
メリット:ダンスホールで何かが起きた時、即座に対応し、ダイダロスを攻撃から護ることができる。


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◆気配を消してダンスホールに潜み、警戒する。
制限  :1人まで。
監視範囲:ダンスホールの特定エリア
メリット:ダイダロスからは離れてしまうが、ダンスホールで何かが起きた時、即座に行動することができる。


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◆ダンスホール周辺を警備し、いずれか2方向を監視する。
制限  :なし
監視範囲:東西南北いずれか2方向
メリット:ダイダロスからは離れてしまうが、指定した方角の出来事をいち早く察知して対応することができる。


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◆セキュリティ控え室から監視カメラを通じてダンスホールを監視する。
制限  :なし
監視範囲:ダンスホール全体
メリット:ダイダロスからは離れてしまうが、ダンスホール全体を広く監視し、発生した出来事をいち早く察知できる。

◆調査判定|ナンシー・リーを見つけ出す(1)

「トラブルが起きるまでカクテルで口を潤しているつもりですか?それも結構ですが、あなたには危険に目を光らせるついでに、ターゲットを探してもらいましょう。外見?知的そうな金髪のコーカソイドです」

警備配置が完了すると、ダイダロスはナンシー・リーを見つけ出すよう新たな指示を出す。彼はハッキングによって彼女のIPを追跡し、ダンスホール内部に忍び込んでいることまでは突き止めている。

各PCは配置位置に応じて、次の調査判定を1回ずつ行い、ナンシー・リーの所在に気がついたかどうかを判定する。

PCがダンスホール内部に居る場合:【ニューロン】または【ワザマエ】判定を行う(難易度:HARD)。成功した場合、ナンシー・リーの位置が判明する。
PCがセキュリティ控室に居る場合:ハッキング判定を行う(難易度:U-HARD)。成功した場合、ナンシー・リーの位置が判明する。

◇NPCデータ:ナンシー・リー

「面白いことになってきたわ…」ホールの西でそつなく踊っていたゴスガールの1人が、黒髪オカッパのカツラを脱ぎ、フンドシを取り去る。そこに現れたのは、ソーメンのようにしなやかなブロンドと、コーカソイドの顔立ち。彼女は小型カメラを構えながら、人ごみを掻き分けサラリマンの方向へと進んだ。
ー【ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ】より

PCが何らかの判定によってナンシーの居所を突き止めた時、NMはダンスホール中央の7x7範囲内の任意の場所に彼女を配置する。この段階でナンシーはゴスガールに変装しており、外見で判別して見つけ出すのはやや困難だ。

◆ナンシー・リー (種別:モータル)
カラテ    1   体力   1
ニューロン  12  精神力  12
ワザマエ   4   脚力   2/-
ジツ     -   万札   10

攻撃/射撃/機先/電脳  1/4/14/19
回避/精密/側転/発動  12/-/-/-

 ※モータルのため、ナンシーの行う『回避判定』は難易度が+1される。ナンシーは
  監視カメラ網などの複数レイヤー視界を常時有し、敵の攻撃を察知して物陰に隠れるのだ。

◇装備や特記事項
 武器  :『デリンジャー(チャカガン)』、『ステルス・グレネード 』
 装備  :『キーボード・オブ・ゴールデン・エイジ』
 消耗品 :『トロ粉末』
 サイバネ:▶︎▶︎生体LAN端子LV2、▷電脳戦用デッキ、▷ファイアウォール

 スキル :『◉kill-9』、『◉killall』、『◉sudo_kill-9』
      『◉ニューロンブースト/チルアウト』
 
 『◉◉監視カメラレイヤー没入』:
  『集中状態』に入ったナンシーは、別な部屋にいる敵に対しても電脳戦系スキルを使用できる。
  ただしこの場合、各スキルの発動難易度は+1されてしまう。
  また、それが『対抗判定』を必要とするスキルならば、ナンシー側の判定難易度のみ+1されてしまう。

イベントタイムライン:フェイズ1

「イヤーッ!」そのサラリマンはトレンチコートを威勢よく脱ぎ捨て、ねずみ色の背広をあらわにして、空中に三発ほどパンチと手刀を叩き込む勇ましいカラテの型を見せた。その背広の腰の辺りには、年季の入ったブラックベルトが巻かれており、この男が真のカラテ使いであることを暗示していた。
ー【ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ】より

最初の調査判定が完了すると、泥酔したカラテ・サラリマン「ヤマダ・ヨリトモ」がジンジャ・クラブを訪れ、入り口のゴメスを殴り倒し、ダンスホールへと向けて直進してくる。

南側を監視していたPCは判定の必要もなく、この騒動にいち早く気がつくことができる。この場合、彼がダンスホールに到着するまでに対処してしまうこともできるが、下手な乱闘騒ぎを起こせば周囲の注意を引いてしまうだろう。

彼の登場に誰も気が付かないか、気がついたPCが彼を見逃した場合、サラリマンはこの段階でホールの正面入り口に辿り着き、追い出そうと試みた2人のメキシコ人を返り討ちにする。

◆泥酔サラリマン|ヤマダ・ヨリトモ (種別:モータル)
カラテ     5   体力     5
ニューロン   3   精神力    3
ワザマエ    3   脚力     3
ジツ      -   万札     0

攻撃/射撃/機先/電脳  6/3/5/3

◇装備や特記事項
 装備:ブラックベルト(近接攻撃ダイス+1)

◆察知判定|ナンシー・リーを見つけ出す(2)

「面白いことになってきたわ…」ホールの西でそつなく踊っていたゴスガールの1人が、黒髪オカッパのカツラを脱ぎ、フンドシを取り去る。そこに現れたのは、ソーメンのようにしなやかなブロンドと、コーカソイドの顔立ち。彼女は小型カメラを構えながら、人ごみを掻き分けサラリマンの方向へと進んだ。
ー【ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ】より

まだPCがナンシーの居所を突き止められていないか、周辺の警戒を続けたい場合、再び「調査判定」を行う。1回目から引き続きナンシーの位置を特定しようと試みるPCには、ある程度範囲の目星がついてきたとして、NMから判定ダイスに+1のボーナスを与えても良い。

泥酔サラリマンがPCに阻止されなかった場合、この時点で彼はダンスホールへと侵入している。ナンシーは変装を解いてそちらの方向へと向かうため、関連する察知判定の難易度は-1される。

イベントタイムライン:フェイズ2

ジンジャ・クラブ「ヤバイ・オオキイ」のホールは血生臭い修羅場と化した。非人間的なユーレイテクノのビートに乗って、厳ついメキシコ人のセキュティたちが5人がかりで1人の泥酔サラリマンを止めようと襲い掛かる。顔色の悪いユーレイ・ゴスたちが、それをカブキショウのように取り囲んで見守る。
ー【ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ】より

2回目の察知判定が完了すると、泥酔サラリマンはダンスホールに侵入し、メキシコ人のセキュリティとの乱闘騒ぎを繰り広げ始める。これに伴い、外部で警備にあたっていたセキュリティは全員がダンスホール内に移動するため外部の警備は0になる。

この時点で全PCが事態に気がつくため、サラリマンに対処しに向かうのか、あるいは持ち場を離れず警備を続けるのか判断して行動する必要がある。

◇ダイダロスはどのような反応を示すか
全体を通しての方針として、ダイダロスは自身に直接危害が及んだり、ナンシーが逃げ出したりするような事態にさえ繋がらなければ、どのようなトラブルが起こったとしても無関心のままだ。それはPCが事態にアプローチするかどうか、またその方法に対しても同様であり、彼がこれらの出来事に対して指示を出すことはない。

しかし、PCの判断がダイダロスの身の危険に繋がった場合、最終的に護衛任務の責任を問われる可能性は十分にある。

◆イベントタイムライン:フェイズ3

「ついにソウカイ・ニンジャのお出ましってわけね」ブロンドの女は小型カメラでスコルピオンの姿を撮影しながら、手持ちの違法改造モバイルフォンのアンテナを伸ばした。それから、モバイルフォンから生えたLANケーブルを、自分の右耳の左斜め上くらいに埋め込まれたバイオLAN端子へと接続する。
ー【ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ】より

PCが泥酔サラリマンに対処していない場合、メキシコ人セキュリティが全滅するまで乱闘騒ぎは継続し、遂にはスコルピオンが事態収集のためダンスホールへと赴く。ナンシーはその場から移動し、PCないしスコルピオンが対処している乱闘騒ぎをビデオ映像に収めようとするだろう。

このとき、ダンスホール周辺を引き続き警備しているPCは、【ワザマエ】もしくはジツ判定(難易度HARD)により危険察知を行う。この判定に成功した場合、監視している方向に応じて次の情報を得る。

東・西:ビル壁を伝い、ムカデのような巨大戦闘兵器が接近してきている。
北:ビル間を抜け、大量の小型ドローンが音もなく接近してきている。
南:入口前に不審な大型トレーラーが停車している。
南(ダンスホール内で乱闘が発生した場合):赤黒の影が凄まじい勢いで接近してきている。

LAN直結とインタラプト

「ドーモ、ナンシー・リー=サンですね?」 彼女が振り向くと、そこには黒尽くめのニンジャが立っていた。ニンジャ頭巾からはウドンじみた何本ものLANケーブルが延び、背中に負った銀色の通信デヴァイスに接続されている。その目元は360度を監視できる円環型サイバーサングラスに隠されている。
ー【ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ】より

この段階まで到達すると、ダイダロスは遂にナンシーへの接触を図る。彼は抵抗できないナンシーへ強制LAN直結を試みるが、此処までの展開に応じて、幾つかのパターンでインタラプトが発生する。

①サラリマンに対処せず、ダンスホールで乱闘が発生していた場合:ナンシーはニンジャスレイヤーに緊急ノーティスを送信している。南側から飛び込んできたニンジャスレイヤーのスリケン(ダメージ1*2、時間差)がダイダロスを襲い、LAN直結を強制阻止する。

ボディーガード役のPCは回避判定(難易度:HARD)によって、このスリケンから彼を守ることができる。南側を監視していたPCが危険察知に成功し、赤黒の影の接近を警告していた場合、この難易度は-1される。
②サラリマンに事前対処しており、ダンスホールで騒ぎが起こらない場合:ナンシーはニンジャスレイヤーに緊急ノーティスを送信していない。代わりに音もなく接近していたハイタカが、ダンスホールの外からショウジ戸越にマシンガン掃射(ダメージ1*3)を行い、LAN直結を強制阻止する。

ボディーガード役のPCは回避判定(難易度:HARD)によって、この銃撃から彼を守ることができる。北側を監視していたPCが危険察知に成功し、敵の接近を警告していた場合、この難易度は-1される。
サラリマンに対処せず、ダンスホールで乱闘が発生し、なおかつ外部を監視していたPCがハイタカの接近に気が付かない場合:①のイベントが発生した上で、②の襲撃が発生してしまう。

ボディーガード役のPCは回避判定(難易度:HARD)によって、この銃撃から彼を守ることができる。ダイダロスは②の襲撃に限り、難易度:HARDで回避を試みることができる。

オナタカミ戦闘兵器群の襲撃

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※配置例

このシナリオにおいて、ダイダロスはアマクダリ・セクトに狙われている。襲撃シーンに到達すると、マップの東西から1体ずつのシデムシが、北側からPC人数+1体のハイタカがPOPし、戦闘状態となる。警戒判定に成功し、この接近に気がついていたPCは、ダンスホール内の任意の場所に自身を再配置してから戦闘処理を開始してもよい。

ダイダロスはイベント発生時点で南側に退却を始め、およそ2~3ターンでダンスホールの外へと逃れる。最終的にP35のトリイに到達した時点でダイダロスはマップから脱出し、PCの任務は成功となる。

ダイダロスが脱出するまでの5~6ターンの間には幾つかのイベントが控えており、これらを切り抜けるのがPCの目的となる。

◇ダイダロスが気絶してしまったら?
不幸にもダイダロスが『ニンジャ耐久力の発露』によって辛うじて爆発四散を堪え、気絶状態に陥った場合、彼がカイシャクされる前に『運搬』ルールによって救い出さなくてはらない。

この場合、ダイダロスのハッキング支援が得られないだけではなく、実質的に運搬者はシナリオ終了時まで行動ペナルティを受け続けることになるため、シナリオは一気にハードになるだろう。NMはPCの強さに応じて、後述のイベントをスキップしたり、ニンジャスレイヤーを暴れまわるシデムシにぶつけるなどのシチュエーションを生み出すことで難易度を調整するのが好ましい。最低限、ダイダロスを救おうとするPCの苦労は報われるべきだ。

◇NPCデータ:ダイダロス

「アイエエエエエ!」ダイダロスは悲鳴を上げ、ナンシーの首根っこから手を引いてユーレイ・ゴスたちの波の中へと退却した。後方支援役であるダイダロスにとって、ニンジャ相手の戦闘は荷が重い。たとえ姿が見えなくとも、スリケンを使う敵がいれば、それはニンジャとみて間違いないのである。
ー【ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ】より

ダイダロスは撤退しながらも、オナタカミの戦闘兵器に電脳戦で攻撃を仕掛ける(原則、全力移動は使用しない)。対象は生体脳を使用している為、銃火に晒されながらの戦闘となるこのシーンでは残念ながら制御を奪うまでには至らない。

NMは基本的に「PCがシデムシに対する対抗手段に乏しい」場合は『スドウ・キルナイン』を、そうでない場合は『キルオール』を優先的に使用して援護を行う。ダイダロスに対して『●護衛』を行うPCが居る場合、ダイス判定や使用スキルの指定権利を与えるのも良いだろう。

◆ダイダロス (種別:ニンジャ)
カラテ    3  体力   6
ニューロン  17  精神力  20
ワザマエ   6  脚力   3/N
ジツ     3  万札   20

攻撃/射撃/機先/電脳  3/6/20/23
回避/精密/側転/発動  17/6/6/20

◇装備や特記事項
 サイバネ:『▶︎生体LAN端子LV3』、『▷ファイアウォールx3』
 スキル :『●マルチターゲット』、『●時間差』、『●回避予知』
      『◉謎めいたニンジャソウル』、『◉kill-9』、『◉killall』、『◉sudo_kill-9』

『◉◉多重ログイン』:
 ダイダロスは『集中』状態でハッキング系スキルを使用する時、【精神力】をさらに1消費することで
 そのスキルを2回連続で発動することができる。ただし発動ダイスは分割する必要があり、
 次の手番開始フェイズまで、あらゆる攻撃に対して回避難易度+1のペナルティを受ける。

◇特殊ルール:護衛

このシナリオ中ではダイダロスを対象にする場合のみ、『●護衛』に次のような効果を追加して扱うことができる。これはダイダロスの前に盾として立ち塞がり、銃弾を全て掴み取るなどのムーブメントの表現である。

ダイダロスが攻撃を受けた時、彼を対象に『●護衛』を発動しているPCは【精神力】1あるいは「回避ダイス2」を追加コストとして支払うことで、その攻撃によるダメージを肩代わりできる。回避判定は通常通り行うことが可能。ただしこの効果は1ターンに1フェイズ分しか発動できない。

◇NPCデータ:シデムシ

彼はなおもしがみつき、銃弾を叩き込む。多脚戦車はさらに体節を起こし、威嚇するコブラめいた姿勢に達すると、脚部搭載のミニガンを頭上に向けて射撃した!「イヤーッ!」彼はこれを間一髪で察知し、跳躍回避で距離を取る!シデムシの背中に埋め込まれた「死」の漢字が音も無く発光し敵を威圧!
ー【レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド】より

基本の行動パターンとして、シデムシは距離の優位を保ちつつ、轢殺攻撃でPCを牽制しながらダイダロスを優先して射撃する。その周囲に隣接してPCが存在する場合、チェーンターゲットや銃弾の雨を積極的に使用する。

例外的に、PCから集中攻撃を受ける場合に限り、そちらにターゲティングを変更する。

◆シデムシ (種別:戦闘兵器、大型2x2)
カラテ    6  体力  12/-1
ニューロン  6  精神力  –
ワザマエ   12  脚力   6
ジツ     –  万札   12
攻撃/射撃/機先/電脳  6/12/6/8

◇装備や特記事項
 ファイアウォール: ハッキング由来のダメージ1発を無効化する、使い切り
 熱線トーチ: 近接武器、連続攻撃1、D3ダメージ、貫通1
 クローアーム: 近接武器、連続攻撃2、2ダメージ(1+痛打1)
 ミニガンx2: 銃器、連射12、ダメージ1、チェーンターゲット、射撃難易度:NORMAL
  (全ターゲットが互いに隣接している場合のみマルチターゲット扱いにできる)

 『●即死無効』、『●轢殺攻撃2』、『●ダメージ軽減1』

 『●射撃スタイル:銃弾の雨2』:
  毎ターン、通常の射撃(連射12)とどちらか片方を選択する。
  視線が通っている3x3の範囲に対して自動的に1ダメージを2回与える(回避:HARD)。
  この射撃は『時間差』とみなされる。   

 『●多節走行モード』:
  シデムシは移動時のみ「大型1x1」の特殊サイズを持つとみなし、狭い通路などにも入り込める。
  移動フェイズが終了すると再びトグロを巻くように頭部をもたげ、2x2のサイズへと戻る。

◇NPCデータ:ハイタカ

ハイタカの制御系UNIXには、シデムシ同様に新世代の静音機能が備わっていた。四個の突起型バーニアとジャイロを搭載した装甲UNIXの如きこの機体は、ゲイシャが閉じるフスマ戸のように静かに、KMCアジトの窓の前で浮遊していた。機体前部に、小型ガトリング銃を吊り下げながら。
ー【レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド】より

ダイダロスを集中砲火するシデムシに対し、ハイタカはPCへの継続的なプレッシャーを担当する。基本の行動パターンとして、ハイタカはダイダロスの進行方向に先回りしつつ、そこから全PCに満遍なく射撃をおこなうか、2~3人のPCに対象を限定し、2機からショットガンとマシンガンで偏差射撃を仕掛ける。

◆ハイタカ  (種別:戦闘兵器)
カラテ    2  体力   4
ニューロン  2  精神力  –
ワザマエ   3  脚力   6(飛行のみ)
ジツ     –  万札   2
攻撃/射撃/機先/電脳  -/4/2/4

◇装備や特記事項
 ショットガン: 銃器、連射1、ダメージ2
 小型マシンガン: 銃器、連射3、ダメージ1

 『◉飛行移動』:ハイタカは常に6マスの『飛行移動』を行う。

◇イベント1:ニンジャスレイヤーのエントリー

 スコルピオンは獲物を狙うライオンの眼で、燭台の上に立ち直立不動の姿勢を取る敵の姿を観察した。相手は赤黒いニンジャ装束に身を包み、口元は「忍」「殺」と彫られた金属メンポで隠されている。スコルピオンは知らないが、彼こそはすべてのニンジャを殺す者、復讐の戦士ニンジャスレイヤーであった。
ー【ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ】より

インタラプトシーンで登場していない場合、戦闘開始から2ターン経過時にニンジャスレイヤーがダンスホールへとエントリーする。彼は基本的にナンシーの身の安全を最優先として、ダンスホールに到着し彼女を回収すると、銃火の吹き荒れるこの場所からすぐに離脱してしまう。

しかしモータルを巻き添えに無慈悲な範囲攻撃を行い続けているキャラクターが存在する場合、強烈な一撃を加えてから離脱するか、可能であれば破壊ないし爆発四散させようと試みてくる。

いずれにせよニンジャスレイヤーは今回の主となる敵対存在ではないため、あまりシナリオの本筋には絡めず、早々にマップから除外してしまうのが良いだろう。

◆ニンジャスレイヤー (種別:ニンジャ)
カラテ    13  体力   13
ニューロン  7   精神力  9
ワザマエ   10  脚力   7/N
ジツ     0   万札   10

攻撃/射撃/機先/電脳  13/10/5/7
回避/精密/側転/発動  14/10/10/-

回避難易度修正: 対近接攻撃(難易度−1/ジュージツ)、対スリケン射撃(難易度−1/見切り)
ダメージ修正 : 出目【6】を含んで成功した『近接攻撃』は、『痛打+1』を得る。

◇装備や特記事項
 装備 :『家族の写真』、『パーソナルメンポ』、『伝統的ニンジャ装束』
 スキル:『●連続攻撃3』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』、
     『◉ランスキック』、『◉◉憎悪:ニンジャソウルの闇』、
     『◉ヘルタツマキ』、『◉ツヨイ・スリケン』、『◉ナラク・ウィズイン』、『◉即死耐性』

◇イベント2:さらなるハイタカ増援の登場

ダイダロスとPCが全員ダンスホールの外に脱出して以降、戦闘開始時にPOPしたハイタカが半壊滅状態、あるいは4ターンが経過するとき、さらにハイタカを[3~PCの人数に等しい数]機だけ任意の場所に追加でPOPさせる。

この増援はPCの抵抗やダイダロスのハッキングによって、ある程度の数が削られていることを想定したものだ。もしPCが一目散にその場から逃げ出そうとしていたならば、この増援イベントは使用せず「イベント3」を発生させボスニンジャを登場させてしまう。

◇イベント3:アクシスの襲撃

「ウオーッ!」謎の巨漢ニンジャがフスマを破壊して出現!アマクダリ・セクトの放ったエルダーコングである!逃げ場なし!前門のタイガー後門のバッファローのコトワザじみた状態だ!「ここも廃棄ね、ニンジャスレイヤー=サン」ナンシーは自分に向かって飛んでくるロケット弾を見ながら言った。 
ー【レプリカ・ミッシング・リンク】より

ジンジャ・クラブの入口前にはいつの間にか大型トレーラーが駐車されている。ここには戦闘兵器ではなく、アマクダリ・アクシスのエルダーコングが待機しており、彼はダイダロスらが脱出目前となったタイミングでトレーラーのコンテナを内側から破壊して荒々しくエントリーする。

ハイタカ部隊が壊滅状態の場合、エルダーコングに加えて、さらにロケットランチャーを装備させたクローンヤクザを2体配置する。

ダイダロスはニンジャが相手では追跡を振り切るのも厄介だと判断し、ここでエルダーコングを始末するようPCに指示を出す。このシーンで彼は基本的に戦闘兵器への電脳戦に専念するが、PCが苦戦するような場合はエルダーコングに対して『キルオール』で攻撃支援を行う。

◆エルダーコング (種別:ニンジャ/バイオニンジャ/危険生物)
カラテ    7  体力   20
ニューロン  6  精神力  2
ワザマエ   3  脚力   6/H
ジツ     1  万札   10

攻撃/射撃/機先/電脳  7/3/8/10
回避/精密/側転/発動  7/3/3/7

◇装備や特記事項
 ▲▲▲▲戦闘用バイオトルソーLV2: 【脚力】+2、【体力】+6
 △ゴリラの下半身: 【体力】+2、装備/防具による脚力/連続側転ペナルティ無視
 ▲▲▲▲戦闘用バイオサイバネLV2: バイオ武器lV2(ダメージ2、出目【6】で『痛打+1』)を得る。
 △△ゴリラアーム: 「バイオ武器」を用いた『近接攻撃』時、出目【6】でつねに『弾き飛ばし』を得る。
 ▶︎▶︎生体LAN端子LV2、▷ファイアウォールx2
 『●連続攻撃2』、『◉忠誠心:アマクダリ』x1、『◉バイオニンジャ化』、『◉危険生物化』

脱出あるいはストリートのイクサ

ダイダロスは、エルダーコングが爆発四散した時点で30行目より下のマスに到達している場合、あるいはそれ移行にマップ中の35行目、すなわちカネモチ・ディストリクトのストリートに到達した場合、脱出に成功したものとみなされる。

PCの現在地に関わらず、ダイダロスがマップから離脱すると目標は達成され、シナリオは終了となる。

◆報酬

NMはキャンペイグンにおけるこのシナリオ(あるいはダイダロスの暗殺という任務そのもの)の重要度に応じて報酬額を調整すると良いだろう。下記は達成度別の報酬例である。

基本報酬:余暇4日

評価A  :ダイダロスが全くの無傷で生還した。
追加報酬:【万札】100を山分け、ダイダロスとの親密度+1、【名声:ソウカイヤ】+3

評価B  :ダイダロスが体力3以上で生還した。
追加報酬:【万札】80を山分け、ダイダロスとの親密度+1、【名声:ソウカイヤ】+2

評価C  :ダイダロスが生還した。
追加報酬:【万札】50を山分け、【名声:ソウカイヤ】+1

評価D  :ダイダロスが爆発四散した。
追加報酬:シナリオ中に獲得した【万札】半減、【名声:ソウカイヤ】-2
その他 :ヤマダ・ヨリトモを殺害した。
追加報酬:該当者はDKK+5

◆難易度の調整について

このシナリオではPCが絶え間なく銃火に晒されるように、また戦いながら逃げるというシチュエーションが主軸のため、全体的なエネミーの数や耐久性が高く設定されている。

しかしPCの構成によっては最低限の数を減らすことも難しく、早々に窮地に陥ってしまう可能性が十分に考えられる。NMはPCの構成を事前に確認し、最初にPOPするハイタカの数を増減することで難易度を調整するのが望ましい。

例えば『☆カラテ・ミサイル』を持ったPCが2人居るなら、ハイタカは2ターンの間に4体が撃墜されてしまう。ここにダイダロスの『キルオール』が加わると、2ターンに6体が撃墜される。NMはあまり敵がPOPするタイミングや数をシナリオ通りに固定せず、PCがフリーになりすぎないよう、行動の様子を見ながら適時増援を出現させるのが良いだろう。

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