一本銛のガンドール

イングランド3部作のひとつ。
暗黒大陸との戦争が長期化する中、諸国の王が集い大攻勢に転じるための国際会議が開かれようとしていた。

会議は海洋都市パンパールで開かれることが決定したが、時同じくパンパールの海域では巨大な海龍が大勢出現。会議の開催が危ぶまれる。 それに対してパンパール王は極北の海洋に居城を構える海龍退治の専門家、ヴァール一族を呼び寄せた。

200キュビトを越える巨大な海龍を一撃で屠る神銛を振るうは、一族を率いる若い王ガンドール。

ヴァール一族とガンドールの活躍により、巨大な陰謀が暴かれてゆく。

[キャラクター]

ガンドール”一本銛”ヴァール:
主人公。ヴァール一族の若王。普通、銛打ちは複数本の銛を使って漁をするのだが、父親であるトトが利き腕(右手)の負傷が原因で継承できなかった「神銛」を使うこともあり、ただの一投で仕留めることから「一本銛」とあだ名される。

トト”琴弾き”ヴァール:
先代の王でガンドールの父。ヴァールの男性は「文武両道」でないと一人前として認められないが、トトは一族の中でも琴使いの名手だった。当時の「詩姫」を務め、現在は妻であるカリエナを救うために利き腕を負傷。それが原因で「神銛」が継承できなかった過去を持つ。

シャー”片目”サントナ:
ヴァールの長老。隻眼と長く白い髭が特徴的な老人。ガンドールの教育役も務める。海流の流れや海上の天候を誰よりも正確に把握している。唯一、トトを子ども扱いできる人物。

ガッソ”百人力”ハンマ
ガンドールの幼馴染。部族随一の怪力。朴訥な性格で一族の子供達にも慕われている。

マリアンヌ”詩姫”キカ:
ヴァールの漁船は女性の「詩姫」が一人乗船する。これは「海神の調べ」を歌う役目であり、呪いよけ、悪魔祓いなどの意味を持つ重要なスキルである。マリアンヌは現在の「詩姫」であり、ガンドールは幼馴染。

[設定]

ヴァール一族:
「ヴァール」(Whale)はドイツ語で「鯨」を指す。海龍退治では北欧海最強と称され、「神の狩人」の血筋を引く戦闘部族。

「神銛」:
ヴァールに古来から伝わる「銛」。どんな海龍であっても、一撃で仕留める力を持つ。「神意の継承」という儀式で歴代の族長に受け継がれてきた。認められないと持ち上げることすらできない。

神の狩人:
古代から血脈が続く、神のために猟をする戦闘部族。「神の血脈」とは、種族としては純粋な人間ではあるが、知力・体力共に傑出した人間が多い。血脈に関係なく、精神的な高潔さや戦闘能力を持ち合わせた人物をも指す言葉。

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