見出し画像

RPAは本当に「簡単」だったのか?

先日見かけた動画

「子供にサンドイッチを作る命令書(プログラム)を作らせるお父さん」…… 先日、そんな動画を目にしました。
プログラムのように細かい指示を出し続けなければならないRPAの現実を見て、そういえばRPAって流行らなかったな、と思ったのです。

プログラムのように細かい指示を出し続けなければならないRPAの現実を見て、そういえばRPAって流行らなかったな、と思ったのです。

2017年ごろに大きなブームとなったRPA(Robotic Process Automation)。業務の自動化が進み、単純作業から解放される未来が期待されました。しかし、現在では当初の熱狂が冷め、RPAが企業に広く定着したとは言い難い状況です。

その理由の一つに、RPA導入に対する過度な期待と「誰でも簡単にできる」という無責任な謳い文句があったのではないでしょうか。

RPAは本当に「簡単」だったのか?

RPAは確かにルールベースの単純な作業には適しており、適切な環境下では大きな業務効率化を実現できます。しかし、実際に運用を進めると、「簡単」とは程遠い現実がありました。

  • 指示が細かく求められる
    RPAは人間のように「察する」ことができません。例えば、データ入力の自動化を行う場合、「もしこの項目が空欄なら、別のデータを参照する」といった例外処理を細かく設定する必要があります。そのため、単なる「自動化」ではなく、「きめ細かいシナリオ設計」が求められました。

  • メンテナンスの負担が大きい
    業務フローが変わると、それに応じてRPAのスクリプトや設定を更新しなければなりません。システムのUI変更やデータフォーマットの変化にも対応し続ける必要があり、結果として「RPAを管理するための新たな業務」が発生しました。

  • 「誰でも作れる」は幻想だった
    「現場担当者でも簡単に作成可能」と言われましたが、実際にはプログラミング的な思考が求められ、現場のスタッフが自由にRPAを作成・運用できるケースは限られました。結局、IT部門の負担が増大し、当初の目的とは逆行する事態になった企業も少なくありません。

  • IT丸投げの企業体質
    日本企業には「ITのことは外部会社に任せる」という文化が根強くあります。現場の業務担当者が積極的に関与せず、外部ベンダーに丸投げするケースが多いため、RPAの本来の柔軟性が活かされず、導入が形骸化しやすいのです。また、現場の業務知識がないまま開発が進められることで、実際の運用に即さないロボットが作られ、使われなくなるケースも少なくありません。

RPAブームの教訓

このように、RPAは決して魔法のツールではなく、適切な運用と管理が求められるものです。しかし、当初は「誰でも簡単に使える」という売り文句が先行し、現実とのギャップに企業が苦しむ結果となりました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれる現在も、同じような過剰な期待が新技術に向けられることがあります。技術の活用には、現実的な運用設計と責任ある導入方針が欠かせません。

今後、RPAに限らず新たなテクノロジーを導入する際には、「本当にその技術が業務に適しているのか」「運用に必要なリソースは確保できるのか」といった冷静な視点を持つことが重要ではないでしょうか。

このような現実を見ても、技術を導入する際には、その特性を理解し、適切な環境と運用体制を整えることが不可欠だと改めて思いました。


【RPA導入・運用でお悩みなら】

RPAを導入したものの活用が進んでいない、運用に課題があると感じている企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

IT相談は「メカの相談窓口」へ!

弊社の「メカの窓口」では、RPAの導入支援・業務効率化・DX推進の専門家が、貴社の課題に合わせた最適なソリューションをご提案いたします。

一緒に、貴社の業務改善と成長を実現しましょう!