私が児童養護施設にいた話。
皆様、こんにちは!
ネクサススペースの代表ぶっちーです😃
今回は僕が10年間過ごした、「児童養護施設」についてシェアしていきます!
(一部、不快に思う表現があるかもしれませんので、あらかじめご了承ください。)
児童養護施設とは、、、?
児童養護施設とは、経済的な理由や虐待など、さまざまな理由で保護者と生活することが難しい、そして社会のサポートが必要と判断された児童が入所する施設です。入所した子どもたちを保護し、生活習慣を身につけたり社会生活に必要なスキルを得られるよう、支援を行います。そして、自立に向けた支援、退所した者に対してもアフターケア支援を行います。
児童福祉法では、どの児童も適切に養育され、生活を保障され、愛され、保護されることで心身の健やかな成長を保障される権利を有すると定められています。そして、児童が適切に養育され、生活を保障されるための一つの手段として、児童養護施設があります。
事情がある子供たちが保護されるパターンとして、「社会的養護」(児童養護施設など)と「家庭的養護」(里親や少人数グループホームなど)があります。
僕は、このうちの「社会的養護」の部類に入っていました。
現在全国には、児童養護施設が600施設ほどあります。
私の幼少期
僕が3歳の時に、両親が離婚をし父親に引き取られました。
父親は離婚のショックからか、仕事も辞め、酒に溺れ、ネグレクト気味になりました。
徐々にお金がなくなり、インスタントラーメンを茹でずに、ベビースターラーメン方式で食べる、なんてこともありました(笑)
電気・ガスが止められて、水風呂に入ったこともありました。
でも父親は酒を飲むことをやめませんでした。
毎晩僕が寝た後、近所のスナックに通う日々。
4-5歳の僕は、夜目が覚めて父親がいないとなると深夜に外に父親を探しに出てしまう、そういう時期を過ごしました。
当然、深夜に小さい子が外を歩いていたら、警察に通報されますよね。。。
父親はその度に警察に迎えにきて、怒られるというテンプレの流れです(笑)
そして、ついに警察から児童相談所に通報されます。
児童養護施設での10年間
児相への通報から、施設への入所まではあっという間だったと覚えています。
5歳から15歳までの10年間施設で過ごしました。
僕のいた施設では、先生(担当員)のかたを「お兄さん、お姉さん、おじちゃん、おばちゃん」と呼んで、1部屋6人くらいのグループで過ごしていました。
自己紹介にも書きましたが、僕は小学生の時色々なことをさせてもらいました。
施設に寄付のピアノやオルガンがあったため、施設のお兄さんやお姉さんに教えてもらいましたが、なぜかいつの間にか、どっぷりハマって、習いに行くことはできませんでしたが、小学校の卒業式ではピアノ演奏をさせてもらうまでになりました!!
また小学4-6年までは地域のクラブで少年野球もやらせてもらいました。
そう!施設は、国や自治体、ボランティアの方の協力で、ほとんど自由に過ごす事ができました。
小学校や中学校に関しては、施設の学区内のところに通学して、普通の家庭の子たちとも友達になれます!門限を守れば、友達のうちに遊びに行くことももちろんOK!
毎月1回その月の誕生日の人をお祝いする「誕生日会」が開かれたり、クリスマス会・運動会・その他時季ごとの催し物も行われていました。
常に管理をされている、というところ以外は極力普通の子達と同じように過ごしました。
児童養護施設の課題
先述しましたが、児童養護施設は全国に600施設以上あります。
そのような施設は、国・自治体・ボランティア団体の方々に支えられています。
保育士さんが年々減少している中で、各施設は職員さんの確保に必死になっていると言えます。
最近では、社会的養護から家庭的擁護への切り替え推奨を国がしていることもあり、さらに職員不足が叫ばれてくると考えられます。
職員さんはいわば、子どもたちのお父さん・お母さんがわりになる存在です。
もちろん職員さん皆さん、一生懸命に取り組んでくれている方がほとんどです。
そんな中でも課題と言われることがいくつかあります。
進路
孤独感
夢が持てない
この3つについて解説していきましょう。
1.進路
普通は、高校卒業した後、進学か就職を選びますが、大体の方が進学を選ぶ方が多いのではないでしょうか?
一般的に大学・短大・専門学校をトータルすると、全体の80%の人が進学を選択すると言われています。
児童養護施設は、法律で18歳(高校卒業後)になると、施設を出て自分一人で自立していく必要があります。
もちろん、進学をしていく奨学金の制度などもありますが、その進学への気持ちより「一人で生活しなくては行けない」という気持ちの方が比重が大きくなり、生活のための「就職」を選ぶ方の方が多くなっているのが現状です。
※西日本新聞の記事によると2020年度調査で、大学の進学率は全体の14%となっています。
また就職をした人たちも、「生活のための就職」がほとんどのため、途中で挫折をしてしまいやめてしまう人たちが多い現状にあります。
※3年以内離職率約50%ほど。
2.孤独感
今まで、お父さん・お母さんがわりの先生や兄弟がわりがたくさんいた環境で過ごしていた中で過ごしてきていたために、いくら社会で生きていくためのノウハウを学んでも、孤独感に苛まれる子が少なくありません。
お友達がたくさんできればまた違ってくるとは思いますが、日々の忙しい中で友達を作ることも困難に陥る子もいます。
そんな状況下で、悩みを共有できない・どうしたらいいかわからない・相談の仕方がわからない、といった境遇になり、負のスパイラルに陥りやすくなります。
(1)で説明をした3年以内の離職率が高いのもそこが原因といえます。
3.夢が持てない
皆さんは夢について本気で考えたのはいつ頃ですか?
もちろん「プロ野球選手になりたい!」「ケーキ屋さんになりたい!」などなど、漠然とした夢は幼い頃から抱く人がほとんどですが、その多くは、ある程度大人になって就職を考えるときに結論を出すことが多いはずです。
日本は、まだまだ学歴社会と言っていいと思います。
前述の通り、高卒で就職する子が多い中で、高卒と大卒で選択肢の幅が大きく違うのは想像できると思いますが、「生活のための就職」を選んだ子たちにとっては、「就職」が生きるツールになってしまうために、「夢を持つ」という選択肢が狭まっているといえます。
それは、今後社会全体でクリアにしていくべき、「大きな課題」だと考えます。
「夢を持つ」という選択肢
高校卒業後(18歳以上)になると、特例を除きすべての園児が退所し、自立をしなくてはなりません。
私たちの活動の中では、就職・再就職のサポートや、自立支援のための無料セミナー、そして海外への視野を向けることへの(留学・海外就職)サポートを行っていきます。
1.就職・転職・社会復帰のためのあらゆるサポート
当団体を日頃からご支援いただいている、企業様の求人情報をリスト化・見える化し、就職支援を求めている退所者・退所予定者に対して、紹介をする事業を行います。
ただ、いくら求人を見える化しても、本人達が希望する職種があるとは限りません。こども達は自分で見つける術を知りません。ひいては、自分自身が本質的に何をしたいのか、がわからない場合もあります。
そこで、私たちは数多くの企業様にご協力をいただいて、夏休みなどの長期休みを利用した、「職業体験」や豊富な「ワークショップ」の開催なども同時で行なっていきます。
2.自立支援のための無料セミナー
僕の実体験として、一番悩まされるのは、社会に出たことで一気に見える世界が広がったことにより、現実と理想のギャップを感じてしまったということです。
「社会人として」や「マナー」、「一人暮らしの心得」「金銭管理」など。
そういった、内容を無料セミナーを通じ彼らへ教育し、社会へ出てからもきちんと生活が送れるようにします。
私自らの体験談を交えて、全国にいる児童養護施設退所の子どもたちのサポートを行なっていくべく、様々な情報を集約し活動に取り組んでいきたいと思います。
みなさんが知っている「児童養護施設」のイメージと比べてどうでしたか?
先述の通り、全国には600以上の施設がありますので、当然すべてが上記のようなことではありません。
近いうちに詳しい児童養護施設の仕組みなどをご紹介していきます!
最後までお読みいただきありがとうございました😁