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「ゆっくりゆったり流れを感じ、委ね、つながる」スタイルへ ーーー海堀哲也さんがLove,Power&Purposeプログラムでの内省の旅を通して得たこと

はじめに

海堀哲也さんは朝日ウッドテック(株)の代表取締役であり、今日のビジネスにとって欠かせない人材開発・組織開発にも注力しています。自らも内省やコーチングによるリーダーシップスタイル・自己変容に積極的に取り組んでおり、2021年には自己組織化組織・パーパスワークのパイオニアであるクリスティアーネ・ソイス・シェッラーLove,Power&Purpose(以下LP&Pで表記)プログラムに参加しました。このプログラムでは、海堀さんは約1年以上にわたって、自身の内面と対話する「ジャーナログ」という内省プラクティス手法に取り組みました。

今回、海堀さんからLP&Pプログラムの参加体験談をインタビューいたしました。加えて、海堀さんのご家族や部下の方にもインタビューをお願いし、私生活と仕事の両面からお話を伺いました。

朝日ウッドテック(株)代表取締役 海堀哲也さん(会社HPより)

海堀さんへのインタビュー内容

1.幼少期の体験を受け入れる

ーー2021年から約1年半、Love,Power&Purpose(以下、LP&P)プログラムを受講されました。プログラムの中で印象的だったことは何でしたか?

海堀さん:私にとって少し辛い体験が幼い時にありましたが、あの体験があったからこそ、今の私が存在していると肯定できるようになりました。もちろん、この期間中には、コーチングも受けていたので、必ずしも「ジャーナログ」の効果だけではありませんが。

ーー差し支えなければ、具体的にはどのようなことでしたか?

海堀さん:小学生の時に少年野球で挫折した経験があります。それが私の心にずっと残っていて、「何事にも全力で取り組むこと」を大切にするようになりました。その考え方は私の人生に役立っていますが、挫折した時の気持ちは何となく長い間引っかかっていました。しかし、「ジャーナログ」のプロセスで、過去の経験も自分自身の一部であることを理解し、受け入れることができるようになりました。

また、小さいころに父親から「少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んずべからず」という言葉を聞きました。それ以来、私にとって「努力すること」は自然なことであり、人生の基盤になっていましたが、自分自身ではあまり意識していませんでした。しかし、「ジャーナリング」を始めたことで自覚し、自分の人生訓を再考する機会を得ました。「ゆっくりゆったり流れを感じ、委ね、つながること」も、私にとっての大切なものだということに気づいたのです。ある種の重荷から解放されて、よりゆったりとした気持ちを持つことができるようになりました。


(海堀さんが「ゆっくりゆったり流れを感じ、委ね、つながること」ことにシフトしたことは、ご家族にも変化を感じさせているようです。海堀さんの心のスペースが広がっていることに気づいておられるようでした。)


2.自分の中の「妨害者(サボター)」に気づく

ーーそれは大きな変化ですね。

海堀さん:はい、そうなんです。「ジャーナログ」の「インナーサポートチーム(※1)」を活用した効果を実感しています。

誰しもあるものですが、自分自身に潜む「妨害者(サボター)」にはいくつかのパターンがあり、これらが私達を妨げています。しかし、このことに気づき、自覚的に扱うことができるようになりました。LP&Pプログラムで聞いた「無意識に支配されるオートパイロット(自動操縦)状態」から抜け出すことができるようになったのです。

ーーオートパイロット状態」は誰にとっても大きな影響がありますよね。自覚的になった結果、どのような変化があったのでしょうか。

海堀さん:以前より、肩の力を抜いて話すことができるようになりました。また、相手の話を聴くことにより重点を置くようになり、権限移譲をすることを意識するようにもなりました。今はまず相手が何を求めているのかを意識して聞くようにしています。

社員からは、「投資の相談をしたい」とか、「こういうプロジェクトを立ち上げたい」といった要望が増えています。私は基本的に任せる・委ねるということを意識しています。その結果、社員が積極的になり、社員の行動・活動が活発になるという、好循環が生まれているように感じています。もちろん社会の環境変化も影響しているでしょうが、社内が活発になる要因として、この権限移譲スタイルへの変化もあると思います。


(海堀さんのご家族は、ここ1〜2年で海堀さんの変化を感じていると話しています。より「聞く」スタイルに変わってきたことや、日常でのねぎらいや感謝の言葉もこれまでよりも増えているとのことでした。同時に、ご自身の気持ちも素直に出すようにもなったようです。ご家族から見ると、海堀さんの「人間味がより深まった感じ」がするそうです

また、仕事でも変化が見られます。部下の方は「更にオープンになった」という印象を持っているようです。)

※1:「インナーサポートチーム」とは、LP&Pプログラムで使われるジャーナログ技法の要素です。人の心には、いくつかの側面があります。それらを心理学用語で「サブパーソナリティ」と呼びます。この技法では、特に重要なサブパーソナリティを、内面のサポートチームとして見立て、リフレクションすることが目的です。自分自身の中にある心の声や考え方など、自分自身をサポートしてくれる部分を強調することで、自己理解や自己肯定感を高めることができます。「サブパーソナリティ」は「パーツ」とも言います。


3.自分らしいバランスのとれた人生や経営スタイルへ

ーー大きな経営スタイルの変化ですね。

海堀さん:はい、できるだけ次世代を担う各部門の責任者に任せ、委ねるようにしています。人事制度やシステムの新規プロジェクトについても、次世代の人達に任せています。

私自身の意識やこだわりをある意味手放し、実際に社員に任せたところ、上手くいき始めました。方向性さえ間違えなければ、物事がうまく運びやすくなることに気づきました。

私のリーダーシップのスタイルは、「引っ張っていく」ことから「後ろから押す」ことに変わりました。指示を出し、やらせるだけではなく、後ろからサポートすることが大切だということを学びました。

ーーその他、ジャーナログを進める中で気づいたことやかわったことはありますか?

海堀さん:人生で大切なのは「仕事・会社」「社会」「自分」「家族」の4つをバランスよく取ることだと気づきました。以前は、ほとんど時間を「仕事・会社」に費やしていましたが、今ではそれぞれに適切な時間を配分するように心掛けています。

特に、「家族」に時間を割くことを大切にして、父と週末のお昼に話す習慣を作りました。仕事の話から世間話まで、家族との時間は穏やかで幸せなひとときです。

「自分」の時間も大切にし、自分自身に向き合うことで、心身ともにリフレッシュすることができます。また、「社会」では環境問題やロータリークラブなどの活動を通じて、社会に貢献することも大切にしています。

もちろん、全てがうまくいっているわけではありません。しかし、「サボター(妨害者)」「セージ(賢者)」や「」(※2)といったインナーサポートチームと相談しています。このことで悩みの処理の仕方がやりやすくなりました。もちろん、コーチによるコーチングも大切です。両方とも新たな気づき視点を得られます。


(海堀さんの権限移譲の変化について、部下の方々も感じており、海堀さんは「任せる」という言葉がよく出るようになったそうです。ただ、海堀さんは任せるだけでなく、決断が必要な事項については躊躇なく意思決定することも増えたようです。

そして、海堀さんとお父さまとの関係性も大きく変化したそうです。「尊敬する対象」から「お互い大切に思う関係性」に徐々に変わっていったこともご家族は感じておられます。)

※2:「サボター(妨害者)」「セージ(賢者)」「」は「インナーサポートチーム」を構成する「サブパーソナリティ(パーツ)」にあたります。


4.LP&Pプログラム参加の理由

ーーなるほど、では、なぜLP&Pプログラムに関心を持たれたのですか。このプログラムはSTEP1からSTEP3までの3段階に別れていて、1年近くになる長いプログラムです。また、参加してどんなプロセスを体感されましたか?

海堀さん:最初は、特に気にすることはなかったのです。STEP1では自己組織化とホラクラシーについて紹介されたため、当社にはホラクラシーは導入できないと考えました。しかし、次世代型組織形態の世界観が広がっていく中で、興味を持つようになりました。

そして、8か月にわたるプログラムのSTEP3(2021年10月15日から開始)では、本格的にジャーナログを始めました。最初は「内面を見るとは何だろう?」と懐疑的でしたが、途中から気づきが生まれ始めました。

最初の頃のジャーナログの対話を振り返ると、「流れを感じる」「ゆっくりやれば」「手放す」「任せる」といった今の時点のことに気づいているようです。潜在意識から意識化されてきた感じがします。

プログラムは1か月に1回のペースでテーマや情報が与えられます。その間に考え、ジャーナログする時間が生まれます。自分の中で封印していた、気づいていなかったことが、ジャーナログをきっかけに意識化されました。私にとって、ベストタイミングでした。


5.これから

ーー海堀さんがこのプログラムから得たものは大きいように思えます。今後、その得たものを活かしながら、どのような展望をお持ちでしょうか?

海堀さん:これからは、4つの観点である「仕事・会社」「社会」「自分」「家族」について、それぞれを大事にしながら、流れを感じ委ねて、つながっていくことを意識したいと思っています。

私のパーパスは「1人ひとりが幸せを実感する世界」をめざすことですが、それに対する具体的なステップや答えは、この4つの観点から展開していくことになります。

「家族」について、今では父親とは強い信頼関係があります。昔は父親の立場が上でしたが、今は私のことを頼りになる相手だと思ってくれているようです。2年前に比べて、今ではお互いにとって気持ちのいい関係になりました。

「仕事」では、経営トップ陣でお互いの意見を協議し、状況の変化に柔軟に対応するように心がけています。部下に対しては権限移譲を意識しています。手放して委ね受け入れると、何事も上手く回る感じがします。そうすると、かえって自分自身の意見を含められるように感じます。
今までは、内省・リフレクションのやり方が分からなかったのですが、ジャーナログを取り入れることで、内省の旅も取り組みやすくなりました。

ーーとても深い内面・内省の旅ですね、貴重なお話ありがとうございました。

インタビューを終えて

海堀さんはLP&Pプログラムを通じて、自分自身の内面を深く掘り下げ、自己問答の方法である「ジャーナログ」を実践されました。そして、自分自身の内面のパターンに気づき、自分自身を受け入れて、気づきが生まれやすくなったとのことでした。この変化はご自身の生きやすさにとどまらず、周りの人々にもポジティブな影響を与えているようです。海堀さんは自分にとってのベストタイミングと感じたと語りましたが、自己を深く見つめることで、静かながらダイナミックな変容をもたらしたと言えます。

Love,Power&Purposeプログラムについて

Love, Power&Purpose(以下LP&Pで表記)プログラムは、クリスティアーネ・ソイス・シェッラーが開発した「ジャーナログ」手法を活用する、自己組織化組織では必要となる個人の内面変容を支援する8か月間のプログラムになります。

クリスティアーネの自己組織化・パーパス探求の旅路をまとめた「New Stories of Love, Power, and Purpose(邦訳仮題:人と組織の進化力:愛とパワーの統合から生まれるパーパス実現への物語)が昨年出版され、6月末には日本語版が出版される予定です。このタイミングに合わせて、LP&Pプログラムを日本で再び提供することになりました。内容は以下のワークショップ・プログラムを予定しています。申し込み詳細は改めて告知・ご連絡いたします。

①出版記念セミナー(無料):7月21日(金)オンライン(19時半~21時半)
出版タイトル(仮)「人と組織の進化力:愛とパワーの統合から生まれるパーパス実現への物語」
      
申込:https://lppbooks2023.peatix.com/

②LP&Pワークショップ正式タイトル:人と組織の進化力:愛とパワーの統合から生まれるパーパス実現への物語
【プログラム内容】
ステップ1:「愛」「パワー」「パーパス」〜深い変容をめざす新たな定義
     
 8月18日(金)・8月25日(金)オンライン(19時半~22時)
      申込:https://2023lpp2-step1.peatix.com/
ステップ2:人と組織の進化力 〜自己組織化とセルフマネジメント
     
 9月14日(金)・9月21日(金)・9月28日(金)
      オンライン(19時半~22時)
      申込:https://2023lpp-step2.peatix.com/
ステップ3:ジャーナローグ〜愛に溢れたパワフルな自分としてパーパスを体現する
      
11月3日(金)~11月5日(日)対面リトリート
      12月以降、毎月第4金曜日にオンライン実施(19時半~22時)
      6月23日(金)が最終(8か月間)
                      申込:peatixサイトから(後日設定)
      

また、出版に合わせ、クリスティアーネが本の紹介やワークショップ案内する無料オンラインイベントを開催します。
【無料出版記念イベント】
「New Stories of Love, Power, and Purpose(邦訳仮題:愛・パワー・パーパスの新たな物語)」出版を記念して、クリスティアーネが本のエッセンスを紹介するワークショップを開催いたします。
開催日時:7月14日(金)19:30~21:30(予定・オンライン実施)

自己組織化プロセスや内面探究にご関心のある方は是非この機会にご参加ください。

 NexTreams合同会社
2020年12月に、石井宏明、桑原香苗、安田健一、山田希の4人で立ち上げました。
この世界で本当に大切な願い(パーパス)を実現したい人と組織のために、ティールレベルの組織環境の生成と、そこで働く人が新たな環境に適応してさらに成長できるようなサポートを行なっています。
ホームページ:https://nextreams-llc.com/
Facebookページ:https://www.facebook.com/nextreams
メールアドレス:contact@nextreams-llc.com/nextreams@gmail.com

Christiane's Place
ホラクラシー®︎をヨーロッパに導入した先駆者であり、自己組織化組織内での個人の成長を促進するコーチング「Language of Spaces®︎」、組織の環境と人の環境の両面を大切にした自己組織化組織形態「シンビオティック・エンタープライズ®︎」を開発し、自己組織化組織の成長と発展を世界中でサポートしているクリスティアーネ・ソイス・シェッラーの個人会社です。
HP:https://christianesplace.com/




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