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【需要と供給】パーフェクトサントリービールのリニューアルについて【仮説考察】

こんにちは。

篠原継之助です。

前回の記事で物流と需要と供給のバランス、特に「価格の弾力性」について紹介しました。
前回の記事は最後にリンクを貼っておきますので、興味がある方はご一読いただけると嬉しいです。

記事を書いてみると知識欲が湧くというか、
あれから「物流」や「需要と供給のバランス」について本を読んだり,
色々調べたりとボクの好奇心が刺激されまくりな1ヶ月を過ごしていました笑

そんな折、ふと思ったんです。

ボクの愛してやまない「パーフェクトサントリービール」で何かないかなと。

パーフェクトサントリービールは今年の1月25日に一新されました。
サントリーの公式ページをみると、ラベルと中身の両方を強化したそうです。

「中味は、高い評価をいただいている味わいの骨格はそのままに、
上質で深いコクが特長のダイヤモンド麦芽を1.3倍※2に増量し、
その魅力を引き出すことでビールらしい飲みごたえをさらに強化しました。パッケージは、金と濃紺をベースカラーに、
新エンブレムを缶の上部に配置することで、
ビールらしい品質感・品格を強化しました。また、“本格ビールのうまさで糖質0”の文言を中央に配し、
商品の特長をわかりやすく訴求しています。」
サントリー公式HP ニュースリリースより引用


この新しいパーフェクトサントリービールのリリースについて、
友人からこんな話を聞きました。

「新しいパーフェクトサントリービールがリリースされる少し前から
サントリーは旧パーフェクトサントリービールの出荷を減らしている」という話です。

あくまで噂話で公式HPや日経、ニュースサイトで公表されたものではないです。

ただ、もし本当だったらと仮定すると経営判断の側面から勉強になるかもしれないと思い、
考えてみることにしました。

「サントリーが新パッケージリリース前に出荷をおさえた」と仮説をたてて、
そのメリットとデメリットを考察してみます。
お付き合いいただけたら幸いです。

1.期待値を高める

旧パッケージが手に入りづらくなると、パーフェクトサントリービール自体の価値が高まります。
需要と供給の観点で考えると、まず需要は変わっていない状態です。

そして、値段も変わっていません。
値段が変わらずに供給が低下するということは、需要と供給にアンバランスが発生します。
そうなると、自ずとパーフェクトサントリービールが欲しいと思う人が増えます。

極端な話、消費者のニーズが高まるので、
消費者は「価格が高くなってもパーフェクトサントリービールを購入したい」状態になります。(完全にボクのことですw)

もちろん、実際に供給が減って価格を上げる場合、価格を上げすぎると消費者が離れるため、
いくらにするかは見極めが重要です。

ただ、今回は価格変動の話ではないので、ここでは触れないでおきます。

そして、情報として、新パッケージのパーフェクトサントリービールの販売開始が公表されているため、
そちらに対する消費者の期待が高まります。

消費者の思考パターンについては、ボク自身新パッケージの販売を知った時に胸が高鳴り、
早く飲みたい衝動に駆られていました笑

パーフェクトサントリービールのファンの方は同じような考えを持つ方も多かったのではないかと思います。

つまり、消費者の期待が高まっている状態で新パッケージを売り出すので、
販売開始直後から高い売上を見込むことができます。

このことは、経済の動きを勉強している方にとっては理解しやすい考えじゃないかなと思います。

2.旧パッケージの価値が高まる

次に、旧パッケージの価値の変動について考察します。
新しいパッケージの販売が決まり、消費者の期待が高まる中、
お店に並んでいるパーフェクトサントリービールが減っていったらどう感じるでしょうか?

色々な視点があると思います。

「売れないから生産数を減らしたのではないか」

「他のビールで人気な品が出たから、お店に置く量を減らしたのではないか」

などの意見があると思います。

ボク自身、毎日のようにパーフェクトサントリービールを購入していたので、
新パッケージ販売の情報を知らなかった当時は

「ライバル会社が仕掛けてきたのか!?」

と思っていました。
逆に他のメーカーの新製品をチェックしていたほどです。

新パッケージの販売を知らない消費者が、
お店に並んでいる旧パッケージのパーフェクトサントリービールの数が減ったと気付いた場合、
購入を控える可能性が高いです。

もちろん企業としては在庫を残すことは大問題です。
1番防ぐべきことですので、生産は抑える方向に動くでしょう。
ただ、当然全体的な購入量が減るリスクは発生します。

これは、生産量を減らした場合のデメリットになります。
しかし、消費者の中にはこう考える方もいるのではないでしょうか。

「旧パッケージを飲めるのは今だけかもしれない」(これも完全ボクですw)

つまり、希少性が上がる可能性があります。
旧パッケージに関わらず、数が減り今後生産されないことは決まっているのでプレミア感が生まれます。
その結果、新パッケージ販売までの期間、

「旧パッケージをできるだけ飲もう」、

「旧パッケージを買い溜めしておこう」

という消費者が生まれ一定のファンに支えられる形で、需要が保たれるのではないでしょうか。

そして、ボクはというと、こんなに美味しいパーフェクトサントリービールが新パッケージになると聞き、
どれだけ美味しいのかと期待も高まる一方、飲み比べをしたいという欲が出て、
やはり旧パッケージのパーフェクトサントリービールを買い溜めました笑(2カ月分として72本溜めました)

3.乗り換えのリスク(マーケティングの重要性)

最後にデメリットについて考察します。
代替財の視点の話です。

製造業者と流通業者には、常に在庫に対するジレンマが生じます。

簡単に言うと、

「販売の機会を失いたくないため在庫を持っていたい」という考えと、

「売り切れないことや仕掛かりのことを考えて在庫はできるだけ持ちたくない」

という考えの対立です。

ここで触れると長くなるので、参考になる記事をこの記事の最後に記載しておきます。

新パッケージの発売が決まっている以上、旧パッケージは売り切らないといけません。
そのために、サントリーは生産量を減らしたのではないかというのがこの考察の出発点でした。

しかし、当然ながら生産量を減らし供給量を絞った場合、
欲しいと思っている消費者の手に十分に届かなくなります。

その場合に消費者の行動として考えられるのは、

「パーフェクトサントリービールが飲めないなら他の糖質0のビールを飲もう」、

「他のお酒にしよう」

というパターンです。

その場合、消費者は似たような満足感が得られるもので満足しようと考えます。
これはパーフェクトサントリービールと他の酒類が代替財の関係にあるためです。

「代替財」については、別の機会にお話しします。
興味がある方、最後に参考ページを記載しておくので覗いてみてください。

そうすると、パーフェクトサントリービールのファンが減り、
新パッケージの発売時に販売量が減る可能性もあります。

そのため、生産者や販売者はリニューアルする時にマーケティングを適切に行い、
リスクを低減する必要があります。

なんでもかんでも新しくすれば良いというわけではないということですね。

今回の考察は以上です。

仮説ではありますが、
上記3点から総合的に考えるとサントリーがもし旧パッケージの供給量を絞ったのだとしたら、
その判断は将来的な利益を考えての英断だといえます。

より良いものを提供しようとするビジョンと新パッケージへの確かな自信や裏付けがないと難しい判断だと思いました。

以上です。

いかがでしたでしょうか。
こんな感じで今後も様々な時事ネタや仮説立てしての考察をしていこうと思います。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

篠原継之助 前回の記事はコチラ。
→ 【需要と供給】マクドナルドから学ぶ適切な価格設定術
https://note.com/nextnext1986/n/n11a94ac8eb5f

日本での価格の弾力性の動きについてはコチラ。
→ 内閣府 経済白書 第2章 家計部門の構造変化(第3節)(日本は非耐久財の価格弾力性が相対的に高い可能性)より
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2018/0125nk/n18_2_3.html
在庫についてはコチラ。
NECネクサソリューションズ コンサルタントのコラム「在庫のはなし」
https://www.nec-nexs.com/sl/consulting/column/cons_column01_33.html
代替財についてはコチラ。
→ グロービス経営大学院 MBA用語集
https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-12379.html
→ コトバンク 代替財・補完財とは
https://kotobank.jp/word/%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E8%B2%A1%E3%83%BB%E8%A3%9C%E5%AE%8C%E8%B2%A1-1560683

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