幻馬環境 ぬばたま 調整録

お久しぶりです、ねくすとです。
先週末にラボヴァンカップとバトルドームcsという大型大会に参加してきました。今回の記事ではその時調整したぬばたまを紹介したいと思います。その前にぬばたまを調整する主な原因となった環境の移り変わりについて話したいと思います。

幻馬発売後の環境は前弾とは大きく変わりました。
まずペイルムーンとむらくもの大幅な強化による躍進、これによりオラクルやグランブルーなどの単純にデッキパワーの高いプロテクトクランは向かい風に立たされることになりました。
そしてHyugaとシラユキによりコンセプトを崩壊させられたノヴァも相対的に弱体化。
さらにバミューダの規制により現環境はディメポ、ペイル、むらくもの3強環境と言えるでしょう。

3強といってもこれはチーム戦に採用されるであろうクランの話であり、その中でもデッキパワーはペイルムーンが頭一つ抜けているような印象でした。ルキエドリアーヌ後のハンドの枚数が二桁を超えることもザラであり、まともにぶつかった場合並のクランでは太刀打ちできそうにありません。そこで白羽の矢が立ったのがジャミョウコンゴウ擁するぬばたま

ターン終了時効果はターンプレイヤーから解決されるのでドリアーヌで獲得したハンドをそのまま捨てさせることができます。かといって盤面のユニットをソウルに吸わない場合は盤面のルキエやライジングが残ってしまい、次ターンの要求が著しく下がるうえに殴る的を与えてしまいます、これは結構相性が良さそう。
さらにバミューダとノヴァというぬばたまにおける天敵が環境から2つ落ちたことも追い風。先行を取ればまだ可能性のあるバミューダはまだしも、ノヴァは先手後手関係なくほぼ目無しの相性でした。
ディメポには元々相性的にそこそこいける部類だったのでまずはネガティブな理由(対ペイル、むらくもが絶対難しい)には目をつぶってポジティブな理由(魚、ノヴァが消えたこと)を優先してとりあえず環境の上3つにぬばたまをぶつけてみることに。


構築 初期案


G3 マガツストーム4 ボイドマスター4 ジャミョウ3 ミズカゼ2
G2 マガツゲイル4 ツナマサ4 オボロザクラ2
G1 サクラフブキ4 ドレマス3 フウキ3
星5 引7 治4

基本的な戦法はジャミョウで相手のハンドを4枚に固定した後にストーム連打するだけなので1弾前と全く変わっていません。ジャミョウでハンドを4枚に固定するターンはVに突っ込んでマガツのターンを楽にするために点を詰めるか、リアを殲滅して相手の札の質を下げて長いゲームにするかの2択です。どちらの択を取るかはそれ以前の公開札によって決めるので直前のドライブや捨てた札は全て確認しておきましょう。

ジャミョウが絡まなかったゲームはツナマサとオボロザクラの試行回数を増やしてソウルに3を入れ、ミズカゼのガー不でキルまで持っていきます。ボイドマスターがインターセプトを封じるため、ハンド4枚だけでガードしなければいけなくなったりミズカゼターンにインターセプトが使えなくなったりと全体的なシナジーは結構高め。

採用理由も簡単に。
ストーム、ゲイル、ツナマサ、サクラフブキの4枚採用に異論はないと思います。
ボイドマスターは先行でV15kを作れるのが強力で、その場合ストームライドまでに2枚目を引かなければいけないため必要になるタイミングの早さと枚数の多さから4枚。
アクセルが増えたためフウキは3枚、ツナマサ裏フウキで逆側のラインをバウンスさせるとツナマサのパンプを横に振りながら22kを出せるのが強力。
残りのG2の枠はサクラフブキの要件達成や最大値を上げるために必要なオボロザクラ。
G1の枠には引多めの構築と相性が良く、一番デッキが安定するドレマスを選択しました。
ミズカゼとジャミョウに関してだけ少し詳しく説明します。

まずジャミョウコンゴウ、このカード気づいてない人もいるかもしれませんが【めちゃくちゃ弱い】です。理由はケアがあまりにも簡単だからの一点に尽きます。
どうせ捨てられるのがわかっているならハンドが6枚ないし4枚になるように盤面に投げればいいだけですからね。
ジャミョウライドターンに要求が出ないのも結構問題。本当は高い要求で殴ってハンドをあまり使わせずに点数を受けてもらい、返しのターンに相手がハンドを持て余す展開にしたいのですが、要求が低いうえに連パンもしないので普通に守られます。
次ターン以降はストームやミズカゼが絡む展開になるのですがその時相手に2点しか積めていない、なんてこともザラです。
このカードはどちらかというと『相手にケアさせてハンドを盤面に投げさせるカード』です、と言いたいところなんですけどぬばたまは最終的に連パンで相手に6点積まなきゃいけないデッキなので序盤バシバシガードを切られてダメージが進まないと相手の後半のダメトリ期待値が上がってしまい、一貫性を感じないゲームプランに。 こいつを強く感じる場合は対戦相手が悪い可能性が考えられます。

じゃあこいつの存在意義は…って話になるんですけどこれがないとそもそもペイルが突破できません。ペイルはケアをしようにもルキエでほとんどハンドを使わず大量展開するうえに、ドリアーヌ効果で最悪のタイミングでドローするのでどうしてもジャミョウに引っかかります。
デッキが強すぎてケアができないってやつです。

次にミズカゼ、このカードを効果的に使うにはストームターンにプレイする必要があるのでソウルのG3が2枚必要です。
基本はボイド→ジャミョウ→ストームの順番で重ねていきますが毎回そう上手くはいきません、ソウルにG3が一枚の状態でストームに乗ってしまうこともあります。
ストームでG3を吐かないターンは基本的に作らないので、そうなってしまうと一生ミズカゼの出番はなさそうに見えますが、そんな時でもツナマサとゲイルオボロザクラバウンスでSCの試行回数を重ねて無理矢理G3をソウルに突っ込むことができるのがこのデッキの強みの一つでもあると思います。

肝心のテキストなんですけどまあ強いです、相手が4点の時に打てれば概ね勝ち。
グレード0123のうち3はガード値無しで2は大体盤面に投げられてる上にインセプ不可、ほとんどのデッキが0と1でガードしなければならないので結構簡単に6点入ります。

ただこのカード、前の環境まではオーバーキル気味ではありました。ジャミョウ→マガツ→マガツで6点入れること自体は結構達成出来ることが多かったんですよね。

しかしここでまたペイルの壁。ジャミョウ→マガツの次のターンにルキエドリアーヌでハンドを7枚くらいまで回復してきます。返しのターンをキルターンに出来ないとこっちが負けてしまうためそのターン中にキルまでいくしかありません。ジャミョウに乗り直してもルキエ1枚で盤面は全て回復されるためストームミズカゼで6点突っ込むしかありません、というわけでミズカゼも採用。

不採用カードについても少し説明します。
まずマガツブレス、このカードはソウルを使ってしまう点とハンドを切ってしまう点がとてつもなく弱いです。
特にハンドを切る点、ブレスを使うような盤面はストームの圧殺を避けるために前後列を回収するために使いますがハンドを1枚切ってしまっている時点で圧殺しているのと変わりません。それどころかソウル1枚分損しています。
ぬばたまはマリガンカードが多く、ハンドの質は保ちやすいのでブレスのバウンスを使用しなくても質の高い盤面を作ることができます。(なんなら後列は出さなくても良い状況が多い)
3kパンプもアクセルが強い今の環境ではあまり活用できません。ボイドの逆ラインにツナマサフウキの22kで十分。

次に12kバニラ
こいつのダメなところは盤面から吐きにくいところ。ぬばたまの前列はゲイルorツナマサorボイドマスターを配置して両バウンスから5パンに繋げることがほとんどです。
12kバニラにはガード値がついておらず、インセプで効果的に盤面からいなくなることができません。その結果ジャミョウターンに配置した12kバニラが生き残って次のターンに移行し、結局ストームターンに圧殺する羽目になったりゲイルで後列ではなく前列のバニラをバウンスすることになり要求が下がる結果に繋がります。
プロテクト2を取ればインセプで吐くことができるようになりますが、ゲイルやツナマサなどのデッキの主軸になるG2が盤面から消えてしまうため実際にプロテクト2を取ってインターセプトとして使えるのは少数の12kバニラと2枚目以降のツナマサだけになるので非常に取りにくいです。
ライドできる12kとして使うのも意味があるのはほぼ先行だけなのでそれだけのために多大なデメリットを背負うことは見合っていないと思います。


とりあえずこの構築でペイル、むらくも、ディメポと対戦してみることにしました。以下対戦後の感想

vs ディメポ
前環境と全く変わっておらず。一気にCBを使われないようにジャミョウでハンドを4枚に固定させるまでは横を殲滅しながら1点ずつ入れていく感じ。
3ターン目のダイライナー、4ターン目のダイライナー→グレートの流れでCBを1枚、2枚と使っていくため4ターン目に表のCBを3枚与えるとアクティブマスクが絡んで危険。ストームに乗っていても相手の点数次第で連パンしないのは十分視野に入れておいた方が良い。
基本的にはそこまで不利ではない、ダイライナーの星2or3が通ってしまうこともあまりないので五分以上といった感じ。

vsペイル
ジャミョウはまあきつそう。4枚に固定するんじゃなくて初動で乗って相手のハンドを6枚にするパターンも考えられるためジャミョウを増やしても良さそう。
相手がCBをルキエで2枚裏返してきたら次ターンはV単騎で1点だけ入れると返しのターンの攻めが弱くなってその次のルキエも耐えやすい。
後半フロントを捲られると要求が高くなりすぎてカンガ以外で守れなくなるため序盤は止め得だがその割にデッキの中に15kガードが少ない。
戦績は五分、先行のルキエ2回がめちゃくちゃきついけど向こうもジャミョウマガツマガツミズカゼがめちゃくちゃきつそう。


vsむらくも

Vに突っ込むとヤバイデッキなので基本はロボと同じでハンドを4枚に固定しながらリアを殲滅して長いゲームにする感じ。
横殲滅が効く分ペイルよりも良心的。
Hyugaの除去はセルフバウンスで被害を減らせるのであまり問題は無いとして、本当にヤバいのはガードで切られるシラユキ。
横に15k要求を2つ作らないとガード値をめちゃくちゃ浮かされたり横殲滅が出来なくなったりするので横に15k要求を作ることを意識したいがリア裏にカードを出すとHyugaに持っていかれるジレンマ。
この対面のマガツゲイルは15kを立てられる上にリア裏を回収できるのでめちゃくちゃ重要。
効率的な盤面の例はこれ


Vは12kなのでシラユキ1枚では一貫になってしまうが横は15k要求なのでシラユキを打たれても両ライン5k要求を取ることができる。
バウンス後はツナマサ、ボイドマスター、プロテクトをコール(プロテクトは盤面には出ない)ツナマサでボイドマスターをパンプすると23kなのでシラユキを越えることができる。
初期盤面のボイドマスター裏のサクラフブキだが、トリガーを捲った場合ここに乗っけるとシラユキをケアしやすい。(ボイド単騎アタックは5k要求のうえ、逆側のゲイルサクラフブキのラインを止めきれていなのでシラユキは切りにくいが、バウンス後のツナマササクラフブキラインとボイドマスターのラインも両方15k要求になるのでシラユキが切りにくい)
この盤面は最終的に盤面に残るカードも1枚だけなのでHyugaの被害も少ない。
戦績は6:4くらい、結構感触は良さげ。


こんな感じでした。
課題としてはアクセルを止めるにしてはデッキ内のガード値が少なすぎること。その割にはプロテクト2とぬばたまの相性が悪いこと(ゲイルとツナマサはハンドに返ってきてしまうため、オボロザクラと2枚目以降がハンドにある状態のツナマサくらいしかガード値として機能しない)。
そもそもHyugaのせいでプロテクト2があまり強くないのも問題です。

それを踏まえて構築変更

ぬばたま ver.2

ストーム4 ジャミョウ4 ボイドマスター4 ミズカゼ2
ゲイル4 ツナマサ4 オボロザクラ1
サクラフブキ4 フウキ3 キリハゲ3
星4 引8 治4

ペイル相手の初回ジャミョウが強かったので4
他にはドレマスとキリハゲを入れ替えました。


あまり馴染み深いユニットではないかもしれませんが15kガードのG1です。
ドレマスはデッキを少し安定させることはあってもあまり盤面には出てきません。
なぜなら、そもそもぬばたまにはサクラフブキという強力なマリガンカードが存在しており、余った5k引トリの処理はそれだけで事足りてしまうことがほとんどだからです。余ったG3はプロテクトで処理できてしまうのでここはペイル相手の序盤の点数を拒否しやすく、中盤以降もガード値の安定が見込める15kガードを採用しました。
15kガードが山に増えたことでデッキを安定させるためにトリガー配分を574から484に


構築を変更したということでまた対戦へ、以下対戦後の感想(vsディメポは構築の変更点が相性に影響しなかったので割愛します)

vsむらくも
引トリを増やしたことと15kガードが増えたことで安定感が増す、ジャミョウの増量は対むらくもにおいてかなり意味ないけどハンドのG3の処理に困るレベルではない。
戦績は五分五分くらい。

………『ん?』

vsペイル
キリハゲがめちゃくちゃ強い。序盤のダメージを抑えられるから後半フロント捲られたターンを割と余裕を持って受けられる。
25k要求に対してダメトリ1枚乗っかると15kにできるので15kガードがデッキに7枚あると安定しがち。
勝率は3:7くらい。

…………『んん⁉︎』

構築を寄せたはずなのに戦績が落ちている…
ここで理解してもらいたいのはキリハゲやドレマス、ジャミョウがその原因ではないということ。むしろ構築の変更点は試合を良い方向に運ぶ要因となっています。
ではなぜ戦績が落ちているのか


とりあえず構築の考え方は合っているはずなので、プレイの方針を考えつつ構築は最終案へ向かいます


ぬばたま 最終案

ストーム4 ボイドマスター4 ジャミョウ3 ミズカゼ2
ゲイル4 ツナマサ4 オボロザクラ1
サクラフブキ4 キリハゲ4 フウキ3
星4 引8 治4

思ったよりキリハゲが強かったためジャミョウを1枚落として4枚に。
参加する予定のラボヴァンカップとバトルドームcsの両方ともチーム戦であり、毎回毎回ペイルと当たる確率は低いため他の対面で足を引っ張るジャミョウの枚数を1枚下げました。


いつもの流れで対戦へ、以下対戦後の感想

vsペイル
無理
勝率 1〜2割

vsむらくも
不利寄りの無理
勝率 2〜3割



全く勝てず。この時点でぬばたまを捨てることを決心しました。
そう、僕はぬばたまを調整したと言っただけで実際に使ったとは言っていません。この記事はどういう過程でぬばたまを諦めたかを綴るものだったのです。
ではなぜこんなにも勝てなくなったのか、それはここから先の有料部分で解説します。
ここまででぬばたまの構築やプレイはほぼ説明しきったと思うのでダメだったという結果が分かればOK!という人はここでお別れです、ここまで読んでくれてありがとうございました。

どうしてもダメになった理由が気になる!という人はこの後の解答編へ進んでください。

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