
常勤役員等(経営管理責任者)について
建設業許可でまず大きなハードルと言えるのが常勤役員等(経営管理責任者)の要件を満たすことでしょう。業界では略してケーカンと呼ばれることが多いです。
このケーカンとは、建設業において5年間の経営経験を満たすことが条件となります。この建設業においてとは、許可申請において取得したい専門工事に限られず、建設業全般を行っていれば良しとされています。また、経営経験とは代表取締役に限られず平の取締役の経験でもOKですし(非常勤役員は対象外です)、個人事業主での経験でもOKとされています。
では、これらを具体的にどうやって証明して行くのか。
東京都のルールを例としてご説明いたします。
まず、建設業許可を申請する申請会社においての役員経験を証明する場合、
経営経験の期間は登記簿謄本の役員登記期間にて証明します。
次に、当該役員登記期間に建設業を行っていたことを証明する方法として、
東京都の場合、工事契約書・注文書の原本、またはその写しもしくは請求書の写し+通帳入金履歴(原本提示)のセットを5年分提出の必要があります。
また、期間の数え方については、書類記載の日付の期間が3か月以上開かないように揃えていく必要があります。(1年で約4~5セットになることが多いです)
*令和4年9月以前は1月に1セット×60か月分を求められていましたが、改定されました。
建設業許可を申請する申請事業者が個人事業主である場合も同様です。
個人事業主の経営経験の証明は確定申告書を5年分提出することにより証明ができます。
そして当該事業主期間に建設業を行っていたことを証明する方法として、
東京都の場合、工事契約書・注文書の原本、またはその写しもしくは請求書の写し+通帳入金履歴(原本提示)のセットを5年分提出が必要になるわけです。
この申請方法は専任技術者の10年経験の証明方法と似ていますが、大きく異なるポイントとしては、
工事契約書・注文書の原本、またはその写しもしくは請求書の写し+通帳入金履歴(原本提示)のセットの内容が許可申請に該当する専門工事に囚われないという部分です。加えて、法人の場合、法人登記が確認できれば、
常勤役員・非常勤役員の立証書類の提出なしに申請可能です。(専任技術者の場合、経験期間において非常勤役員でないことの立証書類を求められます。)
この、工事契約書・注文書の原本、またはその写しもしくは請求書の写し+通帳入金履歴(原本提示)
の提出はなかなか厄介な要件かと思います。しかし、これらを省略できる場合もあります。その一つとして、経験証明をする期間について、建設業許可を持っていた法人に属していたケースです。
具体例を1例出すとすると、
申請会社ではなく、過去に建設業許可をもっていた法人に役員として属していたケース。この場合だと、過去の役員登記期間と建設業許可取得期間がかぶっている期間が5年以上あればケーカンの要件を満たすと言えます。
個人事業主の場合も同様です。建設業許可期間とかぶる期間での確定申告書を5年以上用意できれば、ケーカンに用件を満たすと言えます。
ケーカンはまだまだいろんなケースがあり、複雑な要件となっております。お困りな方はぜひ一度ご相談ください。
あなたからのご連絡をお待ちしております。
【建設業許可取得HP】
https://dee-kensetsugyo-kyoka.com/
執筆者
行政書士法人Dee
代表行政書士 道原 信治