クラウドソースで各種の病気の解決策を教えてくれる「Stuff that works」
自分の病気について調べるとき、多くの人がネットを頼ります。しかしそこには信憑性の低い記事が多く、検索しても上位に来るのは健康食品などの広告案件ばかりです。良さそうなページを見つけてもそれが頼りになるかは分かりません。病院に行けば先生が教えてくれるでしょう。しかしその治療法も時には効果が薄いかもしれません。科学の世界では採用するデータの数が多いほど信憑性が高くなりますが、医療機関が多数の患者に質問してデータを蓄積するのはコストがかかるため、データの数は少ないかもしれません。
Stuff that worksは患者が自らの持病に関する情報をシェアすることで適切な治療法を見つける事ができるサービスです。患者が提供した自身の身体的特徴や病状、現在の治療法がデータとして蓄積され、AIによる機械学習で分析されます。分析の結果は患者への情報提供のために使われ、現在の治療法が効いていない患者には分析に基づく適切な治療法が提案される仕組みです。もちろんシェアされるのは病気に関するデータのみで、SNSのように個人が特定できるわけではありません。2020年9月の時点で22万人の患者から134の病状、計1170万のデータを蓄積しています。例えばPTSDなどの精神疾患や糖尿病、リウマチに対応しています。
たとえば、PTSD(トラウマ)に効いたもので一番多いのは「EMDR(眼球運動による脱感作および再処理法)」。次はカンナビスという情報が記載されており、1.7万人が回答しています。
Stuff that worksは近年、ITベンチャーの設立が進むイスラエルに拠点を置くスタートアップ企業です。アメリカのベンチャーキャピタルから既に9億円を調達しています。
日本でも、利用のQ&Aをお医者さんに行うことができるアスクドクターズが人気ですが、C2Cで回答を整形するというのは新しい切り口ですね(C2Cだけなら知恵袋的なサービスはありますが)。
治療の方法は、人によって異なり、また信用度も重要なため、このようなクラウドソースの方法は切り口の1つとして価値のあるものなのかも。
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