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AIで売上予測をして在庫管理を最適化する「Shelf Engine」

小売店ではサンドウィッチの40%、ジュースの14%が廃棄されています。廃棄された分は売上にならないうえに処分に費用がかかるため、店舗の利益を圧縮します。その日に売れる分だけを仕入れるのが理想ですが、従来型のPOS(販売管理)システムは煩雑な操作が必要であったり、大手チェーン店しか導入できないなどの欠点があります。廃棄コストは店の利益と同じぐらいですので、仮に廃棄をゼロにできれば利益は2倍になるでしょう。

Shelf Engineは最適な仕入を実現できるシステムです。システムを導入した店舗の売上は日々記録され、気候などの状況と共にAIによって分析されます。そして分析データから将来的な売上高を予測し、無駄のない仕入れ量を提案します。店舗周辺で発生するスポーツの試合や学校のイベントによっても売上高は変化しますが、AIはそれらのイベントも考慮したうえで売上を予測します。またShelf Engineは既にアメリカの食肉、野菜といった卸業者や物流業者と提携しており、より安い価格で仕入れることができます。仮にシステムの導入によって売上にならない無駄な仕入れが発生してしまった場合でも、Shelf Engineが補填するため問題ありません。店舗の利益は専用のアプリを通じてタブレットで確認できます。

Shelf Engineはシアトルを拠点に置き、北米を中心に数百店舗で試験を行っています。仕入れ額に上乗せされる金額が同社の収入となりますが、ベンチャーとしてこれまでに13億円の投資を受けています。

昨今、循環型社会の取り組みが重視されていますが、食品の廃棄はとても大きな問題。それに切り込むサービスは、社会的意義が大きそうです。かつ、AI、オフライン店舗連携(DX)といまのテックをフル活用したソリューションですね。

»Shelf Engine

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