パチスロ依存症の北電子時代・3/6
「体感器」というものは、簡単に言えば電子メトロノームと低周波治療器をあわせた器械であり
そのリズムやタイミングを身体に教えてくれる…そんな仕組みの道具である
その中でも、ソレノイド体感器は、スタートレバーに釣り糸を引っかけ
タイミングを調整しつつ、いわば手を使わず自動的にレバーオンさせる…
これで通常時の小役や大当りの出現率が大幅にアップするのだから
21世紀のパチスロの攻略法とは思えない、いわば原始的手法であった
細かい話をすれば、パチンコ・パチスロとは
「打ち手側の最低限の技術介入」として、パチンコならばハンドルを手で持つこと
パチスロはレバーを手で押し下げ、ストップボタンを停止させることが必要であり
まずこの部分で、体感器を使用しての遊技は、ほぼすべてのパチンコ店で
禁止されている行為である。したがって、この方法を用いて出玉を得るということは
窃盗罪…すなわち「ゴト行為」扱いである
それを景品に交換・換金した場合「盗品を売り渡した」ことになり
これは詐欺罪にあたる「犯罪行為」となるのだ
その上でパチンコ店が「体感器の持ち込み禁止」を明示していれば
そのお客は、ホールにとってはいわば「招かれざる客」であり
住居等侵入罪が適用される
ホールが被害届を提出し、それが受理されれば、流れとしては
「住居等侵入罪」→「窃盗罪」→「詐欺罪」の3つの罪で立件となり
拘留されての取り調べとなること必至である
そこで、このソレノイド式体感器が、本当に効果のあるものなのか
都道府県レベルの警察の警視正の名前で、証拠品として押収されている
体感器の鑑定依頼が、かなり頻繁にメーカーに届けられていたのだ
この検証作業は、北電子の社内の一室に部屋を用意してもらい
ジャグラーの実機と、その証拠品である体感器を私が実際に操作し
その鑑定結果を書類にまとめ、警察に回答する、そんな仕事だった
体感器のタイミング調整をするためのボタンは、大抵はリストバンドや
ひじサポーターなどに仕込まれているのだが、中には靴の中敷きに
足の指を使って押下するタイプのものもあり、それは正直、かなり汚れていて
手袋を使用し、その上イヤなニオイに包まれての検証作業だったことも多々あった(笑)
元々不器用な私にとって、体感器の操作は正直、とても難しいものであった
いくらかなりの効果をあげられるといっても、私には到底「割に合わないもの」という
印象しかなかった
どのようなことが「鑑定依頼書」に記され、そしてどんな回答を
私が警察にしていたのか…そのお話は、また次回に
つづく