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全国47都道府県IPOセミナーレポート【第3弾/鹿児島県編】

こんにちは!株式会社IR Roboticsの内海です!

全国各地でIPOセミナーを開催する「全国47都道府県IPOセミナーツアー」。

第3弾は鹿児島県に本社を構えるプリントネット株式会社の小田原社長でした!
(昨年9月に開催しました。大変遅くなりました。。m(__)m)

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(右)プリントネット社 小田原社長 (左)同社常務取締役 管理本部長 赤江さん

【講師プロフィール】
プリントネット株式会社 (東証スタンダード7805)
代表取締役 小田原 洋一 氏

1965年鹿児島県生まれ。高校卒業後、鹿児島市内の製版会社に就職。その後、父の経営する小田原印刷に入社し、2004年に代表取締役社長に就任。2008年に現在のプリントネットに社名変更。インターネットを活用した「ネット印刷」にいち早く着目し、スピードと品質重視の対応で、顧客を獲得。ネット通販事業を始めてわずか10年足らずで売上70億円まで伸ばし、成長率150%を達成している。2018年JASDAQに上場。2021年8月期の通期決算は売上高71億6,200万円、営業利益2憶3,800万円。

鹿児島での創業

1965年鹿児島生まれの小田原社長は、製版会社に勤務の後、父親の創業した小田原印刷に入社。入社依頼、製版、印刷、製本といった工場勤務を10年間経験し、その間に営業も経験。というのも、入社当時は社員は1名で父親と二人三脚で営業していたため、売上向上にも限界を感じていたそうです。

転機となったのは2004年、39歳の時に訪れた父親の退職。代表に就任すると同時に従業員を雇用したことで時間的に余裕ができ、インターネットビジネスに参入しました。
その当時はADSLが主流、光回線は初期段階といったインターネット黎明期でした。

小田原社長の社長就任によって事業内容がネット印刷へ大変革した同社。事業の大変化で社員には動揺が広がったと想像できますが、多少の反対はあったものの退職者はおらず、現在も在職中の方もいるそうです。

今ではオンラインで発注~決済のすべてが完了しますが、当時はデータのやり取りは郵送、決済は外部委託するなど、少しずつ受注システムを構築していったそうです。

さらなるサービス向上を目指し、東京進出!

ネット印刷開始から変わらないのは納品のスピードと品質の高さにこだわること。顧客の信頼も獲得し、関東納品の売上が30%→60%に増加したこともあり関東に工場の建設を推進。これはネット印刷を開始して2年後の2006年の出来事になります。

この当時の売上は3億円程。10年後のビジネスモデルを具体的に思い描きながら事業計画書を作成し、関東倉庫の施工にこぎつけました。

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東京西第1工場

そしてついに!2008年に関東倉庫を開業!
しかしその直後リーマンショックで大打撃・・・
何とか乗り越え、工場の増築!
しかしその直後2011年は東日本大震災で大打撃・・・

大きな不可抗力にも負けず、その後は起動に乗りはじめ、毎年20%程ずつ売上がアップしていきました!
そしてこの頃にIPOの話が出始めましたが、すぐには踏み切らなかったそう。
その後、IPO準備を始め、2018年に東証JASDAQに上場しました!

2018年の上場後、1年目は資材の値上げの影響、2年目もコロナウイルスの影響を受け、上場後も成長し続けることの難しさを感じたそうです。
3年目は気合と根性で乗り切る!と力強くお話しいただきました!

IPO準備をどのように進めたか

IPO準備では、完全にプライベートと会社の完全な区別をすることを求められるため、まずは親族の雇用や経費の見直しから始めたとのこと。

IPO準備の要ともいえる人材の雇用は、経験やスキルを見極めながらポジションごとに適した人材を採用していったそうです。
また、取締役も業界についての知識が必要であるとの考えから業界経験者を中心に組成されているとのことでした。

人材については採用や異動、その他にもここでは掲載できないことまでこと細かく教えていただきました!
・証券会社や監査法人の選定理由は?
・証券審査、東証審査時の論点は?
・公開価格の決定方法は?
・東証審査時の管理部門の人数は?
・IPOコンサルは導入していたか?
・役員の経歴は?
・SOは?

地方ならではのIPO

IPOを目指したきっかけは以下の3つをあげていただきました。
①内部管理体制の強化
②増資によるメリット
③知名度と売上アップ

特に③知名度アップは地元で実感があるとのことでした。

ただ、IPOをもう一度するなら?という問いには、「IPOが必要か考える」という回答が。
IPOにおいては最適のタイミングが他にあったという振り返りをされる小田原社長の一言でした。

上場後のいま振り返るIPO

関東に工場を開設した2008年頃が会社が大きく飛躍した時期で、現在に比べて小規模だったこの頃が外部資金調達やIPOといった選択をするのに最もふさわしい時期だったと振り返っています。

最適なタイミングで最善の選択ができるよう、あらゆる事例や手段の情報を入手することは、上場を目指す/目指さないにかかわらずすべての企業にとって必要なことだと改めて感じたセミナーでした!

最後に

これまでのセミナーでもあったように、地方企業の上場について回る問題がIPO情報の”地域格差”だと感じました。

ネットが普及している近年でも、IPO関連の情報は簡単に手に入るとは言えず、情報の地域格差はまだまだ解決できていないといえます。
と同時に、今後のレポートでは、地方企業のIPOではどのように情報を取得していったかという部分についても事例があればご紹介していきます!

「全国47都道府県IPOセミナーツアー」第4回は沖縄県開催でした!
TOKYO PRO Marketに上場された、琉球アスティーダスポーツクラブの早川社長にご登壇いただきました。
レポートは近日公開予定です!

最後までお読みいただきありがとうございました。
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