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お腹がザコなSS級ダンジョン配信者〜漏れそうなのにスカトロマニアのメンヘラストーカーに追われているので野糞が出来ません!〜
ここで一句。
ぶりゅりゅりゅりゅ
ぶりゅりゅりゅりゅりゅりゅ
ぶりゅりゅりゅりゅ
トイレじゃないよ
野糞だよ
ご清聴ありがとうございました。
「はぁ……」
ため息と共にうんこをひり出す。
冬場に湯気が出るあたり似たようなものだろう。
出している間だけは余計なことを考えなくていいのもそっくりだった。
──どこで間違えたんだろう。
流行りに乗ってダンジョン配信者として生計を立て始めた時だろうか。
少し人気が出たからって調子に乗ってへたくそな『歌ってみた』動画をあげたらオタクどもから総スカンを喰らった時だろうか。
お腹が弱いくせに長時間モンスターと戦い続け、強敵だったボスを倒した喜びのあまり、配信中にもかかわらず大量のうんこを漏らした時、だろうか。
「クソッ! 最強無敵イケメン配信者のこの俺様がなんでこんな目に……!」
どれだけ凄い功績をあげようと、どれだけ顔がよかろうと、うんこを漏らせば等しくうんこ漏らしとして扱われる。
『虚実崩壊のヴァイオレット』と呼ばれ圧倒的な女性人気を誇っていた俺様は、今では『うんこ漏らしの柴田』として男子小学生に圧倒的な人気を誇っていた。
近所のクソガキがうんこと柴田を連呼するだけの低俗な替え歌を作って大笑いしている光景を見た時、俺は怒りを通り越して泣いた。
俺が何をしたってんだ。ただ一生懸命頑張っていただけじゃないか。なのにどうして俺だけこんな惨めな思いをしなきゃいけないんだ。
いや、分かっている。原因ははっきりしている。
「ふふ……柴田様、そろそろその……食してもよろしいでしょうか? わたくし先ほどから猛る獣欲を押さえきれず」
「わかったから! 食べたらちゃんと力を貸してくれよ!」
「もちろんですわぁ♡」
やはり、俺が間違ってしまったのは、このメンヘラスカトロマニアと──ダンジョンの深淵に君臨する最強の魔王『爻爻鴻蟋蟀』と、恋人契約を結んでしまったことに違いなかった。
【続く】