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トラック運転手ら「NYへの配送をボイコット!」全米トラック協会「トラックが止まれば米国が終わる」

ニューヨークは、親トランプ派のトラッカーたちによって、兵糧攻めにあうのでしょうか?

事の発端は、先週金曜日にトランプ氏の「不動産を巡る金融詐欺の民事裁判」で、判事が“3億5400万ドル”の罰金を命じたことへの反発です。
この判決に抗議すると、親トランプのトラック運転手
たちが、相次いでニューヨークへの配送のボイコットすると、SNSのXで表明しているのです。

ボイコットを表明しているのは、トラック運転手だけではありません。

一部の投資家もまた、このように腐敗した法執行機関を放置しているニューヨークには、今後投資をしないとTVインタビューで語り、波紋を呼んでいます。

これらの「ボイコット宣言」によって、ニューヨーク市の経済が麻痺し、行政機能までもが失われる可能性があるとして現在、市当局が対応に追われています。

ある女性運転手は、「もしニューヨーク行きのトラックが、10%を失われたら、牛乳から卵や肉、野菜などの生鮮食品や、消費者が必要とする生活必需品など、あらゆる種類の商品価格が高騰することでしょう!」と語っています。

ニューヨークへのトラック配送ボイコットは、トラック組合の一斉ストライキではなく、あくまでトラック運転手たち個人の意思で行うそうです。

しかし彼らは、SNSや無線などで、密に連絡を取り合い、仲間同士で呼びかけ合っており、NYボイコットに参加する運転手が増えれ増えるほど、ニューヨークという大都市の機能が麻痺するリスクが高まります。

今回はニューヨークだけですが、もし全米規模で一斉にトラックが止まったらどうなるのでしょうか?

全米トラック協会によると、「全米のトラックが全て止まれば、アメリカが終わる」と警告しています。

全米トラック協会が作成したシミュレーションによる
と、アメリカの経済は、トラック輸送に大きく依存しており、年間輸送されるすべての貨物の80%を超えています。

カナダへの輸送額の65.6%、メキシコへの輸送額の67%がトラックによる輸送です。
もしトラックの輸送が途絶えれば、経済が急速に不安定化すると分析しています。

米国トラック協会が取りまとめた文書によると、トラック交通を制限、または停止することの「潜在的なリスク」には、次のようなものが挙げられます。
   
① 食品や水

トラック配送によってスーパーなどに運ばれる食料品は、消費者にとって必需品です。これが不足すれば
国家非常事態が発生しかねません。

トラック輸送がストップした場合、大幅な品不足が発生します。消費者によるパニック買いが発生して、生鮮食品や缶詰など品不足をより悪化させるでしょう。

また、「清潔な飲料水の供給」も困難になります。
アメリカ水道協会によると、アメリカ人は1日に10億杯以上の水道水を飲んでいます。給水施設は、トラックによる「浄化用化学薬品」の配送がなければ、水を浄化することが出来ません。飲料可能な水道水は、1、2日とすぐに使い果たしてしまうでしょう。

② 医療機関への影響 

清潔な飲料水の不足は、医療機関にも負担をかけます。
医療施設で使われる医薬品や医療用品には、トラック
輸送が不可欠であり、病院や薬局などで薬を受け取ることすら困難になるといいます。

注射器やカテーテルなどの必要不可欠な医療用品も、トラックに大きく依存しています。備品が枯渇すれば、重傷患者や高齢者などのケアが困難になり命の危機に直面します。

③ 燃料不足

トラックの運行が停止は、他の交通手段全体に深刻な影響を及ぼします。

給油所の燃料は、1、2日で底をつきます。自動車やオートバイでの移動や公共サービスに影響が出る可能性があります。

燃料不足は、一般市民の生活に多大な影響を及ぼします。仕事にも行けず、食料品店のアクセスが出来なくなり、公共サービスが停止したりします。

④ ゴミ問題

アメリカの都市や家庭からは、年間2億3,600万トン以上のゴミが排出されています。
ゴミ処理が滞ると、健康や環境に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

この問題は都市部だけでなく、農村部や食品加工工場などにも影響を与えます。

さらに、廃棄物の未回収は、微生物や害虫の温床となり、有害物質や感染症を広める可能性が高まります。

④製造業への影響により

製造業では、部品やコンポーネントなど組み立てに必要なものが入って来なくなり、生産ラインが滞ります。

こうしたサプライチェーンの混乱は、生産ラインの停止による混乱だけではなく、従業員の失業率リスクにも繋がります。


⑤銀行・金融機関への影響

トラックによる配送がストップすると、金融機関の各支店で、現金不足が起こります。

ATMに現金が補充されないため、ATMは閉鎖されてしまい、銀行窓口に人々が現金を求めて殺到することになります。こうした混乱で、店舗を閉鎖する金融機関も出て来る可能性があります。

これにより、中小企業が資金を調達できず倒産するリスクも高まることでしょう。

銀行の取り引き処理にも影響し、システム自体が停止してしまう可能性もあるのです。

このように、全米ですべてのトラックが運行を停止すると、水や食料品、医療、輸送、ゴミ処理、製造業や金融機関に至るまで、壊滅的な影響を与えることが、シュミレーションで分かっています。

トラック運送業界のメンバーは、地方、州、連邦レベルの政府関係者に対し、トラックの停止がもたらす悲惨な結果について周知しなければならないと考えているようです。

と言うことで、全米トラック協会は、何も嫌がらせで言っているのではなくて、ハリケーンなどの自然災害や、テロ、他国からの何らかの攻撃を想定して、そのリスクを訴えているわけです。

トラックが止まったら、映画「終わらない週末」のような事態にもなりかねません。

現時点で、ニューヨークでは、郵便局やAmazonの配達が、今日も普通に届きました。

ただ昨日から、スーパーでやたら水を買い込む人たちの姿を見かけます。

トラックがダメならヘリやドローンの活用もありかなと思いますが...あれドローンで日用品を配達するって
いよいよ来るべき日への予行演習だったりするのでは? と一瞬脳裡をよぎった次第です。

今日もここまでありがとうございました。
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