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人間の体内から出るもので、唯一キレイなもの

鼻水、胃液、汗…

キレイなイメージのない、いわゆる体液というものを列挙してみる。
これらは本能的に不潔さを想起させ、避けるべき対象になる。
他人のそれとなると、さらに不快度は増す。

世の中には善いものはいくらでもある。
ただしそれらは、人間の体内から出たものは除くという条件がつく。

唾とか尿とか、他にも体液に種類はある。
やはり、体液は清潔さとは程遠いものばかりだ。


…と、人間なのに、人間から出たモノは不潔だと捉えるのは何故なのだろうかと、
ストレスフルな帰りの満員電車で、中年男性の19時の汗の匂いに耐えながら考えていた。


その中で一つ思いついたことがあった。
体液の中でも、例外がある。

人間の体液の中でも、
だけは美しい。

人間の中で唯一、悲しさを起因に排出される体液である「涙」は、
不潔な感覚もなく、ただキレイで儚いものとして扱われている。


涙は唯一、明確な役割のない体液のように思う。
胃液は消化、汗は体温調節、鼻水は鼻腔内の洗浄。

ただ感情を表現するための涙という存在だけが、
なぜか美しいもののように感じる。


「人間の生み出すものの中で、涙だけが美しいことに気づけた。何だ素敵で詩的!」

きっと、仕事で疲れている。
ストレスを抱えていることに気づいて、涙が出そうになった。

でも、今日で涙は美しいものであると再認識したので、
必然的に私も美しいです。美しくなれて嬉しいです。





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