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東京メトロにいる、この龍のポテンシャルの低さについて
東京メトロの各駅で「かけこみ乗車をする龍」のポスターを見かける。
私はこのポスターが好きだ。
見るだけで愉快な気分になるので、ぜひ紹介したい。
該当のポスターはこちら。
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イエローカードとかいいから助けてあげて
まず目が行くのは、かけこみ乗車する龍という、伝説のマナー違反神獣を目の当たりにした乗客の反応だ。
その反応はあまりにも用意周到であり、かつ容赦がないもので、持参したイエローカードを提示し、無言の圧力をかけている。
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伝説の神獣が乗車してくるという、かなりのレアイベントなのにもかかわらず、
乗客は叱りもせず、助けもしないが、その行為の不当性を訴えている。
また、東京メトロの乗客は、全員が普段からこのイエローカードを持参していることが論理的に導かれる。
根拠は、そのカードには龍ではなく人が描かれている点にある。
つまり、そのカードは人間用だということ。
地下鉄に龍が乗ってくることは99%ない。
普段のかけこみ乗車する人間に対し、常備しているのだろう。
東京人は冷たい人が多いとはよく言われるが、まさかこれほどとは思わなかった。
ポスターでは乗客の顔は描かれていないが、私には真顔AAのそれを想起させた。
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その身体の長さでよくいけると思ったな
中国では神獣として崇められ、皇帝のシンボルとしても扱われていた龍。
そんな伝説の生き物だが、
日本旅行で、電車の到着時間を見誤った。
その結果、地下鉄でのかけこみ乗車を余儀なくされた。
ポスターを確認すると、駆け込んだ結果、車両の中にねじ込めたのは顔と手のみであった。
彼は彼の身体の長さを過小評価した。家に全身鏡がないから、こうなるのだ。一人暮らしをしたことがないのだろう。
お金持ちが敢えて徒歩や電車で移動するようなものなのだろうか。空を飛べる優位性を捨ててまで地下鉄に乗った結果、大変迷惑なことに伝説上の生き物がダイヤを乱す時代だ。
VUCAの時代とはこういうことなんだろうな。
あの龍の顔を見るたびにそう思わせる。
龍は、紀元前4700年頃から、刺繍などでその存在が確認されている。
そんな荘厳な生き物ですら、マナー違反を犯す。
どんなに長く生きても、
ただ生きているだけじゃ賢くなれるわけじゃないと、
私はこのポスターから学んだ。
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