ブロント語で学ぶユーモアの条件
「いや今のハメでしょ?俺のシマじゃ今のノーカンだから」
「ブロント語」と呼ばれる独特の文章構成で会話するネットスラングをご存知でしょうか。
かつて2ちゃんねるのネトゲ実況板等に現れた、FF11のプレイヤー『ブロント(ブロントさん)』が使用したユーモアのある言い回しを紹介、分析します。
言葉で誰かを笑わせたい人の発想のヒントになるかもしれません。
例1.意味が変わるタイプの誤字
ある有能なプレイヤーが集団から脱退する状況をブロント氏が2ちゃんねるに書き込んでいた。
文章の最後の誤字により、滑稽な文章として仕上がっている。
「中心人物」と「ヌードメーカー」という対比がこの文章の滑稽さを引き立たせている。
勿論のことムードメーカーの誤字であろうが、ヌードメーカーという「通りがかりに服を脱がしてきそうな謎の存在」をブロント氏は明示している。
その結果、「この集団を繋ぎとめていたのはヌードメーカーのおかげである。」という論理が成立している。
「ヌードメーカーとは何者なのか?」
「この集団は一体どのような集まりなのか?」
「ブロント氏はヌードメーカーとやらを高く評価しているが、何故か?」
不可解な要素が多く、想像が集団全体のアイデンティティにまで膨らみ、思わずツッコミたくなる。
言い間違いにより単語が別の意味に転じ、意図しない笑いが生まれる良い例である。
例2.定義の揺れ
モノの定義を覆し、この世に存在しないもので殴りかかってくるブロント氏の書き込みを御覧いただきたい。
最終的にブロント氏の手はどのような状態になっているのだろうか。
読者の想像力を掻き立てる文章になっている。
また、「多分奥歯が揺れるくらいの威力はあるはず」という主張も興味深い。
指輪なのかネックレスなのかよくわからない物体だが、指にはめることで打撃力が増し、通常では不可能である「奥歯を揺らす」ことを可能にする代物であるという。
「よくわからない抽象的な概念」で「具体的な行動」をとる。
①と共通して、「滑稽な状況を想像させることによる笑い」を生み出す文章となっている。
余談
今回引用したブロント語は2つですが、インターネットに蔓延るブロント語のほんの一部です。
ぜひニコニコ大百科の元記事ですべて見ていただきたい…
日本語の不思議な使い方から生まれるユーモアがたくさん詰まっています。
ブロンティストとして、誰にも求められなくても第2回もやります。
なんなら全国民が見てくれるまで紹介し続けるので、このnoteをうっかり読んでしまった人は申し訳ないですが、協力していただきます。
ではまた。
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