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ブロント語で学ぶユーモアの条件

「いや今のハメでしょ?俺のシマじゃ今のノーカンだから」

ブロント語」と呼ばれる独特の文章構成で会話するネットスラングをご存知でしょうか。

かつて2ちゃんねるのネトゲ実況板等に現れた、FF11のプレイヤー『ブロント(ブロントさん)』が使用したユーモアのある言い回しを紹介、分析します。

言葉で誰かを笑わせたい人の発想のヒントになるかもしれません。

例1.意味が変わるタイプの誤字

ある有能なプレイヤーが集団から脱退する状況をブロント氏が2ちゃんねるに書き込んでいた。
文章の最後の誤字により、滑稽な文章として仕上がっている。

22 名前:既にその名前は使われています 投稿日:2005/08/03(水) 18:01:31 TOymZVWm
もしかしたら同じLSかもなやはりナイトは中心人物でそれを妬んだリーダーがいると分解してしまう
ナイトは影の存在でも構わないのだが勝手に存在が目立ってしまう
それに見合った報酬が必要なのにりーだーがケチで何もやらなかった結果がこういう結果をもたらした
ちなみに俺は赤でこのナイトの支持者
このLSはもうだめかな中心人物でヌードメーカーが不在では持つわけもないが
いまごろはHNMと第一戦で戦ってるらしい

(注)LS:リンクシェルの略。FF11におけるグループで、他のオンラインゲームでのギルド・クラン等にあたる。また、当該グループでのチャットを可能にする通信アイテムそのものも指す)

https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%88%E8%AA%9E

「中心人物」と「ヌードメーカー」という対比がこの文章の滑稽さを引き立たせている。

勿論のことードメーカーの誤字であろうが、ヌードメーカーという「通りがかりに服を脱がしてきそうな謎の存在」をブロント氏は明示している。
その結果、「この集団を繋ぎとめていたのはヌードメーカーのおかげである。」という論理が成立している。

  • 「ヌードメーカーとは何者なのか?」

  • 「この集団は一体どのような集まりなのか?」

  • 「ブロント氏はヌードメーカーとやらを高く評価しているが、何故か?」

不可解な要素が多く、想像が集団全体のアイデンティティにまで膨らみ、思わずツッコミたくなる。

言い間違いにより単語が別の意味に転じ、意図しない笑いが生まれる良い例である。

例2.定義の揺れ

モノの定義を覆し、この世に存在しないもので殴りかかってくるブロント氏の書き込みを御覧いただきたい。

522 名前:既にその名前は使われています[sage] 投稿日:04/12/10(金) 17:36:55 ID:ugQZINL8
>>516
たいがいにしろよカスが
マジで親のダイヤの結婚指輪のネックレスを指にはめてぶん殴るぞ
多分奥歯が揺れるくらいの威力はあるはずだしね

https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%88%E8%AA%9E

最終的にブロント氏の手はどのような状態になっているのだろうか。
読者の想像力を掻き立てる文章になっている。

また、「多分奥歯が揺れるくらいの威力はあるはず」という主張も興味深い。
指輪なのかネックレスなのかよくわからない物体だが、指にはめることで打撃力が増し、通常では不可能である「奥歯を揺らす」ことを可能にする代物であるという。

読み手の想像を裏切ることによる笑いの例。結局何なのだと言いたくなる。

「よくわからない抽象的な概念」で「具体的な行動」をとる。
①と共通して、「滑稽な状況を想像させることによる笑い」を生み出す文章となっている。

余談

今回引用したブロント語は2つですが、インターネットに蔓延るブロント語のほんの一部です。
ぜひニコニコ大百科の元記事ですべて見ていただきたい…
日本語の不思議な使い方から生まれるユーモアがたくさん詰まっています。

ブロンティストとして、誰にも求められなくても第2回もやります。
なんなら全国民が見てくれるまで紹介し続けるので、このnoteをうっかり読んでしまった人は申し訳ないですが、協力していただきます。

ではまた。

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