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止まった時計と歌碑【つながる1.17】

こんにちは!NEW-S Wind Ensembleです!

 連載企画「つながる1.17」の第3回目となる今回は、神戸市中央区の「みなとのもり公園(神戸震災復興記念公園)」を取り上げます。

みなとのもり公園


©神戸市

 神戸・三宮のターミナルから南に向かって歩くこと15分、前回の記事で取り上げた「東遊園地」のさらに南側の海沿いに「みなとのもり公園」はあります。高架が複雑に入り組んだ港湾地域に、いきなり現れる広大な緑地空間。


 この場所はかつて、JR貨物の神戸港駅として物流の拠点の役割を担っていましたが、新駅への貨物ターミナルの集約化により2003年に駅が廃止されました。

旧神戸港駅(©神戸市)


 その後、阪神淡路大震災の復興事業の一環として再開発されることになり、現在の姿へと生まれ変わりました。


 みなとのもり公園には、いくつもの震災遺構が残されています。

 公園の北側、バスケットボールコートの近くにある大時計は、震災発生時刻の午前5時46分で止まっています。これは、かつて神戸港駅で使われていたものです。

 歴史の証人として、静かに公園を見守る大時計。計り知れない自然の脅威を淡々と表しているような、重い存在感があります。


 公園の東側には、「しあわせ運べるように」の歌碑が設置されています。

 「しあわせ運べるように」は、阪神淡路大震災発生後間もない1995年1月末、当時神戸市内で小学校の音楽教諭をしていた臼井真氏によってつくられた、児童合唱作品です。

 震災によって深く傷ついた神戸の街の復興を願って作曲されたこの曲は、学校現場をはじめとする多くの場で市民に歌い継がれ、現在では「第二の神戸市歌」として各種式典などでも歌われています。

 震災の爪痕、復興への願いの象徴とともに、神戸の湾岸部に佇む「みなとのもり公園」。多くの人びとが憩いの場として利用する姿も含めて、「震災復興記念」としてのシンボルであり続けるのだと思います。

©神戸市

 次回の「つながる1.17」もぜひご覧ください!

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