東遊園地と2つの祈り【つながる1.17】
こんにちは!NEW-S Wind Ensembleです!
先日からスタートした連載企画、「つながる1.17」。
この企画は、1月の「つながる祈りの演奏会」に向けて、運営メンバーがこれまでに訪れた阪神淡路大震災の関連施設を、その時の記録とともに振り返ろうというものです。まずは、神戸市の施設やモニュメントからお届けします。
今回はその第2弾として、神戸市中央区の「東遊園地」を取り上げます。
東遊園地
神戸の中心地・三宮のターミナルから、フラワーロードを10分ほど南に歩くと右手に広場が現れます。これが今回の主役、東遊園地です。
神戸市外からやって来た人は、この「東遊園地」という名前を聞いてしばしばテーマパークをイメージされるそうですが、実際はオフィス街にたたずむ静かな緑地広場。運営メンバーが訪れた3月の平日の昼間には、いくつかの親子連れとサラリーマンが、それぞれ憩いの時を過ごしていました。
東遊園地は神戸の中心に位置していることもあり、休日のたびにさまざまなイベントが開催されます。演奏会やファーマーズマーケットなど、多くの人々が集まる賑やかなイベントが毎月開催される一方で、この公園は、2つの"祈り"のイベントの中心でもあります。
1つ目は、「阪神淡路大震災1.17のつどい」。毎年1月17日、阪神淡路大震災を忘れず、未来に伝えていくことを目的に開催されている追悼行事です。
真冬の早朝、たくさんの竹灯籠によって公園内にかたどられた「1.17」の文字は、祈りのシンボルとして毎年テレビや新聞で全国に放送されてきました。以前、複数名の運営メンバーでつどいに訪れた際、会場内の人の多さとは裏腹に、人びとの祈りの込められた底知れぬ静かさに驚かされた記憶があります。
震災を経験した人も、そうでない人も、純粋な祈りの気持ちを持つ者を静かに受容し、ただ祈りの気持ちを共有する空間。1月17日の夜明け前の東遊園地は、世界で一番静かな場所になります。
東遊園地で開催される2つめの祈りのイベント、それは「神戸ルミナリエ」です。
今や関西を代表するイルミネーションとなったルミナリエですが、その第1回目は阪神淡路大震災後の1995年12月、鎮魂と追悼、街の復興を祈念して開催されたものでした。だから、ルミナリエは”祈りのイベント”ということができます。
神戸の港町・旧居留地エリアと東遊園地が会場となり、これまでに多くの人々に幻想的な明かりを届けてきました。しかし、2020年から3年間の間は、新型コロナウイルス感染症の影響で中止となりました。その後、2024年に開催時期を1月下旬に変更して、再び神戸の冬に帰ってきました。
震災への祈りがきっかけでスタートしたルミナリエ。「つどい」が静の祈りであるならば、このルミナリエは動の祈りということができるかもしれません。
2つの祈りのイベントの会場として、神戸の街に欠かせない場所。それが、この東遊園地です。
次回の「つながる1.17」もぜひご覧ください!