引きこもり・ニートに親ができること(4)どうわが子に向き合えばいいのでしょうか
1年過ぎたら親が決断する
こんにちは。ニュースタート事務局の久世です。
ここまで、尊重するべきだと言われる「本人の意思」について、お伝えしてきました。
引きこもり・ニートの長期化で意思が変わってしまうこと。
知識が足りないため、実際にいい判断とは言えない場合があること。
親が奴隷や友達になっているので、きちんと意思を言ってくれていない可能性があること。
子どもの口から出る「意思」を尊重することと、解決へ向かうことは、必ずしもイコールではありません。
では、どうしたらいいのでしょうか。
引きこもり・ニートになってから1年は、本人の意思に任せてみてもいいと思います。
でも1年を過ぎてしまったら、ここまでにお伝えしてきたような様々なことがありますので、本人の意思任せではさらに長期化する可能性があります。
親の出番です。
まずは親が、子どもの口から出る意思をどこまで尊重するか、考えましょう。
子どもが本当の気持ちがどこにあるかを、子どもに向き合って見極めてください。
そして自分の知識を使い、時には支援機関に相談し、すべきことを親が決断しましょう。
拒否されても簡単に引き下がらない
親が決断をしても、子どもが従わない可能性はかなり高いでしょう。
例えば親が私たちニュースタートに支援を頼もうと考え、子どもに了解を取ろうとします。
「今度ここの人に来てもらおうと思うんだけど、いい?」
すると、子どもは「いやだ」「必要ない」と拒否するケースが、実は大多数です。
ここで親が、引きさがってしまうことがあります。
「本人がいやだと言うので、やっぱりやめます」とお電話がきたりします。
でもよく考えてみてください。
引きこもり・ニートになって1年以上たつと、生活パターンができています。
将来への不安はあったとしても、日々の生活はある程度安定しているのです。
そんな状況の人に、外部からの訪問者はどう見えるでしょうか
安定を壊す侵入者に見えているかもしれません。
外の世界が怖くて引きこもった人には、恐怖そのものに見えてもおかしくありません。
助けが来た、なんて思ってもらえるはずがありません。
拒否されて当たり前なのです。
でも、そのまま引きこもり・ニートを続けさせても、しかたがないですよね。
一度や二度の拒否で引き下がっていては、先に進めません。
私たちが何か月も訪問し、本人が寮に入ってから1年たったころに、「親がニュースタートに頼んでくれてよかった」という言葉がやっと聞けたりします。
バイトが決まって自分自身の未来が見えるようになり、引きこもっていた時期を客観的に見るようになって、やっと言える言葉です。
大切なことは、子どもが引きこもり・ニート状態から、未来に向かって動くことです。
未来を思い浮かべて、目の前の拒否にひるまないようにしてください。
ニュースタート事務局スタッフ 久世
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