引きこもり・ニートに親ができること(4)どうわが子に向き合えばいいのでしょうか

1年過ぎたら親が決断する

こんにちは。ニュースタート事務局の久世です。

ここまで、尊重するべきだと言われる「本人の意思」について、お伝えしてきました。

  (1)動かないわが子

  (2)「本人の意思」の中身を知っていますか?

  (3)「本人の意思」を聞ける関係になれていますか?

引きこもり・ニートの長期化で意思が変わってしまうこと。

知識が足りないため、実際にいい判断とは言えない場合があること。

親が奴隷や友達になっているので、きちんと意思を言ってくれていない可能性があること。

子どもの口から出る「意思」を尊重することと、解決へ向かうことは、必ずしもイコールではありません。

では、どうしたらいいのでしょうか。

引きこもり・ニートになってから1年は、本人の意思に任せてみてもいいと思います。

でも1年を過ぎてしまったら、ここまでにお伝えしてきたような様々なことがありますので、本人の意思任せではさらに長期化する可能性があります。

親の出番です。

まずは親が、子どもの口から出る意思をどこまで尊重するか、考えましょう。

子どもが本当の気持ちがどこにあるかを、子どもに向き合って見極めてください。

そして自分の知識を使い、時には支援機関に相談し、すべきことを親が決断しましょう。

拒否されても簡単に引き下がらない

親が決断をしても、子どもが従わない可能性はかなり高いでしょう。

例えば親が私たちニュースタートに支援を頼もうと考え、子どもに了解を取ろうとします。

「今度ここの人に来てもらおうと思うんだけど、いい?」

すると、子どもは「いやだ」「必要ない」と拒否するケースが、実は大多数です。

ここで親が、引きさがってしまうことがあります。

「本人がいやだと言うので、やっぱりやめます」とお電話がきたりします。

でもよく考えてみてください。

引きこもり・ニートになって1年以上たつと、生活パターンができています。

将来への不安はあったとしても、日々の生活はある程度安定しているのです。

そんな状況の人に、外部からの訪問者はどう見えるでしょうか

安定を壊す侵入者に見えているかもしれません。

外の世界が怖くて引きこもった人には、恐怖そのものに見えてもおかしくありません。

助けが来た、なんて思ってもらえるはずがありません。

拒否されて当たり前なのです。

でも、そのまま引きこもり・ニートを続けさせても、しかたがないですよね。

一度や二度の拒否で引き下がっていては、先に進めません。

私たちが何か月も訪問し、本人が寮に入ってから1年たったころに、「親がニュースタートに頼んでくれてよかった」という言葉がやっと聞けたりします。

バイトが決まって自分自身の未来が見えるようになり、引きこもっていた時期を客観的に見るようになって、やっと言える言葉です。

大切なことは、子どもが引きこもり・ニート状態から、未来に向かって動くことです。

未来を思い浮かべて、目の前の拒否にひるまないようにしてください。

ニュースタート事務局スタッフ 久世 

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