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引きこもり・ニートに親ができること(3)「本人の意思」を聞ける関係になれていますか?

こんにちは。NPO法人ニュースタート事務局の久世です。前回の記事「本人の意思」の中身を知っていますか?に続き、今回は子どもとの関係に焦点を当てて考えます。

子どもの奴隷となっていないか

子どもの暴力があるケースは、実は少なくありません。

具体的な暴力がなくても、親が全面的に子どもの希望を聞いてしまっている、という場合もあります。

親が、子どもに支配されてしまっているのです。

これが親の奴隷化です。

こうなってくると、子どもの言ってくる意思は、ますます信頼できません。

本人の目的は、自分が前進することより、親を困らせることになっているからです。

本人の口から出る意思は、親を支配するための単なる「手段」かもしれません。

子どもからの暴力がある場合は、親が本人の正しい意思や気持ちを聞き出すことは難しい、と言わざるを得ません。

親を支配下に置くためだけの、自分の未来を考えたわけではない、そんな言葉になっている可能性が高いためです。

他者、第三者に間に入ってもらう必要があります。

子どもが本当に望んでいることは何か、考えてください。

暴力は、「このままじゃつらい、何とかしてくれ」という心の叫びかもしれないのです。

友達親子の危険性

「食事中は、息子と楽しく雑談します」

「家族でよく一緒にお出かけします」

楽しく会話も弾む、仲の良い親子。

一見問題はないように思えます。

ですがこの中には、子どもを動かせない「友達親子」が混ざっています。

特に母親に多いのですが、「就労してほしい」とは言うものの、「一人暮らしをする」と言われると急にさみしそうな顔をしたりします。

完全に自分の元から巣立ってしまう、真の自立は実は望んでいません。

いつまでも自分の目の届くところにいて欲しいのです。

一種の依存です。

優しい子どもは、そんな親の気持ちを察知し、自立に向かいません。

友達親子になると、子どもが飛び立ちにくい状況になります。

巣立つことにつながる行動や言葉は、親には言いにくいのです。

巣立ってほしくない親の気持ちを、子どもが自立しない理由にしてしまう場合もあります。

こうなるともう、共依存の関係です。

まずは親の側から「子離れ」することが必要です。

子どもを親から解放してあげてください。

夫婦だけで旅行に行くなど、親が自分自身の人生を楽しみましょう。

親が子離れするだけで、子どもがあっさり自立していくことも多いのです。

「親」になれているか

親が親として接し、ちゃんとした親子関係を築けていないと、子どもは心の中を表現してくれません。

奴隷化、子どもへの依存があると、子どもの言葉での「意思」はますます信頼に欠けてきます。

親は自分自身が「親」になれているか、奴隷や友達ではないか、考える必要があります。

ですが親の考えには間違いが多いというのが、正直なところです。

はっきりとした暴力があれば奴隷だとわかりやすいのですが、仲良く話はするけれども子どもの希望を全て通していて、こちらが話を聞くかぎりでは奴隷化しているな、というケースもあります。

でも表面は仲がいいので、親は自分では奴隷だという自覚がありません。

また、親が子どもに依存している自覚というのも、持ちにくいでしょう。

特に共依存関係になっていると、互いに気付きたくない気持ちが働いているので、ますます自覚が難しくなります。


まずは親が自分自身の言動について考えてください。

奴隷なら支援機関に、友達なら子離れに向かいましょう。

それでも引きこもり・ニートが長期化するならば、その自己把握が間違っていないか、第三者や支援機関に意見を求めることも考えてください。


ニュースタート事務局スタッフ 久世

それでは、どうわが子に向き合えばいいのでしょうか?


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