予言はある日突然に
もう、かなり以前のこと。
とある方から、突然
『きりちゃん、
きりちゃんってさ、家族のことを書いて本を出版するよ。ふふ』
と、唐突に言われたのです。
は???
なんのこと?
私、自己開示が苦手だし、ましてや家族のことを書くなんてないですから!
と、一笑して、終わり。
その方、実は、不思議なものが見える方。
それを仕事にはしていなくて、普通の経営者さんなのです。
普通と言っても、やはり私の周りの方は、普通じゃない。
あれこれみえるけれども、仕事にしていない、お金を取ったりしていない
ってところに信憑性を感じませんか?
とはいえ、その頃の私
見える、見えないとか全く興味がなく
変な面白いおじさんだなぁ、としか思っていませんでした。
しかし、「本を出版するよ」と言われた言葉が
ずーーーーっと残っています。
あの方にお会いしなくて、もう10年以上は経っているはず。
なんとなーく、会うことがなくなり、今にいたります。
しかし、妙な予言は忘れていない。
今春、進行性難病の夫が旅立ってしまい、途方に暮れている私に
息子たちがMacBookをプレゼントしてくれた時
「あー、私、夫と子どもと家族の話を書いていくんだなぁ」と
すんなり思えたのです。
あの頃もこれまでも、必死に抵抗していたこと、それが「自己開示」。
何を好き好んで人様にプライベートを明かさなくてはならないの?
と、200%思う人間です。
家族の人生は見せ物じゃないんだから
と、周りに高い塀を作る勢いの人間です。
しかーし、夫の死が私を変えるのです。
正確に言うと、その数ヶ月前くらいから既に「書いていこう」と思い始めていたのです。
まさか、夫が突然いなくなると言う、計算違いが起きて、
逆に、10ヶ月以上、間が空いてしまうことになるのです。
要するに
おじさん社長の予言通り、
まさかの、家族のことを書き始める展開になっているのです。
驚くよりも、やっぱりね、と感じています。
それくらい、おじさん発言のインパクトがすごかったのですよ。
まだきっとお元気だろうから、会いに行って、具体的に聞いてこようかなと今、ふと思いました。
おじさんは忘れているかもしれないけれど
そんな方ではないだろうし、忘れていてもそれはそれで面白いし。
そんなこんなで、夫が死んでからの日々のことと
息子たちがすくすく育っていくマンガみたいな日々のことを
書き始めました。
なんのために家族のことを書いているんですか?
と聞かれたら
「変なおじさんの予言なんです」と答えることにします。
聞かれたことないけれど。
とにかく
類友の法則で
おかしな人の周りにはおかしな人がいるってことです。
それを忘れずにいる私は素直なんだか、おかしいのか。
どっちもです。
以上、これが私の「家族のことを書く理由」の一つです。
理由はまだあります。
よかったら読んでみてくださいね。
新堂きりこ