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もう、かなり以前のこと。 とある方から、突然 『きりちゃん、 きりちゃんってさ、家族のことを書いて本を出版するよ。ふふ』 と、唐突に言われたのです。 は??? なんのこと? 私、自己開示が苦手だし、ましてや家族のことを書くなんてないですから! と、一笑して、終わり。 その方、実は、不思議なものが見える方。 それを仕事にはしていなくて、普通の経営者さんなのです。 普通と言っても、やはり私の周りの方は、普通じゃない。 あれこれみえるけれども、仕事にしていない、お金を取ったり
ゲンの通う公立高校は 毎年、高校側が引率して、東大受験へと、生徒全員を連れて行ってくれる。 だから、親はとても安心だ。 受験は団体戦だ、がモットーの高校だった。 先生方にお任せし、何一つ心配することなく、ゲンを送り出した。 いよいよ本番。 最後の試験だ。頑張れゲン! 遠く離れた場所から、ドキドキしていた、それしかできなかった。 受験を終え帰ってきた高校の、迎えの車中でゲンの言葉に耳を疑う。 ゲン「受験票を忘れた。」 えっ???今なんて言った??? 受験票???????
長男ゲンが2、3才くらいの頃 人気のパン屋さんで、当時大好きだった、アンパンマンのパンを買った。 朝食のテーブルに並べ、みんなでいただきますをし おいしいねぇと言いながら、ゲンを見ると ゲンは食べずにじっとパンを見つめたまま、動かない。 「どうしたの?食べないの?」 と聞くと 「だって、アンパンマンがかわいそう」と言ってポロポロ泣き出した。 大好きなアンパンマンだから食べることができない しかも、かわいそうという言葉に驚いた。 なんて、繊細な感受性を持っている子だろう。