一匹狼は孤独じゃない
以前、ビジネスコンサルを受けていた時、「最も苦しんだ時の自分と同じような人を助けたい」という着地点が見えてきた。
構築する直前に、介護生活に突入し、結果何もスタートしないまま時は過ぎていったのだが。
その着地があったから、「最も苦しんだ時の自分と同じような人」は夫だと気づき、目の前の苦しんでいる夫を助けようと思った。
この経験を誰に向けて書こうかと考え、あの頃苦しんでいた自分に向けて書こうと決めた。
あの頃の私になら伝えられる。いや、伝えなきゃいけない。
あの頃わからなかったことが今ならわかる。
道に迷っていた時に、こっちだよ、って言える。
タイムマシンがあれば、伝えられるのにな。
時間は有限だよ
人は必ず別れるんだよ
人生に終わりはあるんだよ
それはある日突然やってくるんだよ、と。
さぁnoteをスタートするぞ!と思った矢先に、夫が急死したため、過去の私に伝えたいことを書く前に、リアルタイムの私を書きながら進めていくことになったワケだ。
ようやく、掃除機をかけられる位になってきた。
掃除したいって元気じゃないと起きない衝動なんだと思う。
ようやく掃除機を自分のためにかけられた。
少しずつ私は元気になってきているんだろうな。
以前の私に戻れるかどうかもわからないけれど、命ある限り生きようと思う。
夫と二人分、人生を楽しみまくろうと思う。
でないと、夫が心配するはずだ。
確かめようはないけれど、私だったら心配でヒヤヒヤしてると思うから。
浮かばれないってそういうことじゃぁないのかな。
心配で心残りで、成仏できないんじゃないかな。
「死」を意識して、生きていればよかったな。
死へのカウントダウンが始まっていることは、介護を始めていた時からわかっていたはずなのに。
この人だけは私が生き延ばしてみせると、また思い上がっていた。
私が頑張れば、病気も無くなってしまうんじゃないかと本気で思っていた。
これまでの人生、思い通りに行かなかったことがほぼなかったと、超楽天的思考になるクセがある。
嫌なこと、都合の悪いことも、すぐに忘れてしまうクセがある。
どこまでアホなんだろうか。
アホも死ななきゃ治らないなら、死ぬまでこのアホさかげんで生きていこう。
決めた!アホな自分を個性だと認める!
よし、次、行こー。
あの頃の私に伝えたいことを書き、これを読んだどこかの誰かが何かを感じてくれたらうれしい。
これからの時間は、どこかの誰かのためになるような過ごし方をしたい。
向上心や、私がやらなきゃの精神は捨てて、
人生最後の日に「ありがとう!楽しかった〜!」と言って死にたい。
子どもの世話にはなりたくないけれど、世話になるかもしれないから
「子供の世話になんかならん!」とは言い切らないようにする。
一匹狼は一人じゃないから一匹狼を満喫できていたワケで
突然一人になってしまい、タダの一匹の狼になってしまった。
孤独ってつらいんだ。
一人でも大丈夫って思って生きてきたけれど、こんなに寂しいんだ。
夫の愛情を今はきちんと感じることができる。
夫は深い愛情で私を包んでくれていたんだ。
喋れなくても動けなくても目が表してくれていた。
「俺が守るから大丈夫!」っていつも言っていた。
好きなように自由に生きさせてくれた。
最後まで私を守ってくれた。
どんどん悪くなってもいつも笑顔でいてくれた。
普通じゃない私に、愛をたくさんくれた。
幸せだったなぁ本当に。
一生一緒にいることはできなかったけれど、最後まで一緒に過ごせた。
仕事を辞めて介護生活に入って本当によかった。
この経験を絶対に生かすからね!
毎日涙は出るけれど、ご飯は食べられるし、眠れているから私は大丈夫。
まだ前には進めていなけれど、そのうち進めるようになるはず。
そのうち味方もできるさ、きっと。
まずは髪を切る。
前を向いて歩いて行ける人でいよう。
明日も書く。
思い出しながら、感謝しながら、泣きながら。
冬の空がぐっと迫ってくる様な午後
まだまだ春は遠い 19日目。
振り返り
笑えるようになるまでもう少し時間がかかります。
超個性のかたまりの私を認めてくれる貴重な存在でした。
しゃべれない、動けないのに、言葉を伝えられるようになる手段が奇跡のように生まれました。
実は、奇跡はたくさん起きていました。
奇跡のことは、また書きます。
長文を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
新堂きりこ