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アップルパイが焼けた
気づけば夕方になり、夜がやってくる。
暗くなる前に諸々を片付けておきたくて、ずっとソワソワしている。
夜が来るのが怖いのだ。
そうだ!アップルパイを焼こう!
リンゴをレンジで煮て、冷凍パイシートに包んで焼く。
シナモンとラム酒が効いた、私好みのアップルパイが、あっという間に完成する。
合間に犬と散歩し、寒風にさらされる。
世の中、寒いんだ。家の中はあったかいね。
そそくさと散歩を終え、アップルパイの続きをやり、一気に焼き上げる。
いい香りが部屋中に広がっている。
幸せの香りがあるとしたら、お菓子の焼ける匂いが一つにランクインすると思う。
バターの香りや、オーブンの音、素材が焼けている匂い、どれもこれもが幸せを感じさせてくれるものだ。
子どもの頃から、お菓子を作るのが好きだった。
本気で料理人になろうかなと考えたくらい、料理やお菓子作りが好きだった。
あの頃、怖いものなんてなかったなぁ。
時間はゆっくりゆっくり流れていたなぁ。
1日がこんなに早く経ってしまうなんて、想像すらできないくらい、のんびり過ごしていた。
今は、つい気を抜くと魂が体から抜け出ていたのか?と思う位、一瞬で時間が経っている。
これが年を取るってことなのかなぁ。
思考がここになく、ぼんやりしているからなのかなぁ。
時間を大事にしようと、特に思うこの頃なのである。
時間のはざまを使って、アップルパイはしっかり完成し、久しぶりのお菓子が焼けた。
美味しかった!
自分で作ったものは美味しい。
それは自分好みの甘さに調節しているからであって、市販の甘さが苦手な私には手作りのものがちょうどいい。
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いつかの抹茶ケーキ(イメージ)
そうかぁ、お菓子も焼けるくらい元気になっているんだ。
お菓子を作りながら幸せも感じられたし、何より楽しかった。
まだまだ生きていきたいんだな、私は。
唯一の生きがいを失ってしまったけれど、
次の生きがいが見つけられていないけれど、
生きていたいんだ。
生きがいがなければ、生きていてはいけないんだろうか。そもそも。
朝目が覚めて起きて行動して、ご飯を作って食べて、また夜が来て寝て起きる。
今の私の生きがいは確実に犬と、noteを書くこと。
あと、美味しいものを食べることかな。
美味しいものを作ることにもチャレンジしたい。
やりたいことがあれば、明確な生きがいがなくとも、いいじゃないのかと思う。
したいことを即やって、動いていれば、そのうち、あっ!これだ!ってものが出てくるはず。
きっとそうにちがいない、と良い方に考える。
思考をマイナスではなく、プラスもしくは、「適当」の方に持っていく。
「そのうちなんとかなーるだろう」って歌っていた方もいたし。
そのうちなんとかなる、そのうちが来たら考える。
名付けて「棚上げ大作戦」。
空間に棚を作って、箱に入れた思考を、棚に上げて収納する。
(実際に手を使って、架空の棚に収める動作をする)
棚に上げたら考えるのをやめる。
そして、時が来るまで寝かせておく。
私みたいな思考だらけ人間には、合っていて、瞑想で言うところの浮かんできた思考をただただ流す、に似ているんではないかと考えている。
要するに、悩みを頭から追い出すので、何も解決していなくとも、空いたスペース分、頭が楽になるのだ。
お菓子作りには、同様の効果があって、好きなことに集中しているうちにそれまでの悩みがどこかへ行ってしまっていたりする。
手を動かし、目で見ながら、匂いも音も感じながら、五感をフルに使いお菓子を作る。
常々、自宅ほどパワースポットな場所はないんじゃないかと思っているのは、家にいながらストレス発散ができ、すっきり癒されてしまったりが、家にいるだけでできるから。
だから家が好きだ。
旅も好きだけれど、一番好きな場所はやっぱり家だなぁ。
古くても汚れていても家が一番落ち着く。
いるだけで元気になれる場所、それが家。
ここにいれば、どんどん元気になれるし、元の私に戻っていけると思う。
正確には元の私はもういないけれど、これからの私が、元気いっぱいになれるように、リハビリをしながら、社会生活に参加していきたい。
感謝を込めて家の掃除をしよう。
これまでの私たちを守ってくれたこの家を大切にしよう。
亀の歩みの日々だけれども、なんとか生きております。
安心してください。
ふりかえり
頭で考えてしまうので、なんとかラクになりたくて、棚上げ作戦を編み出しました。
思考を放り投げてほったらかすだけなのですが、これがとてもいいのです。
お菓子を作ることが救ってくれました。
好きなことをやれるようになってきました。
おかげ様で、全く夜は怖くなくなりました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
(23日目)
新堂きりこ
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