I3MEGAのモータドライバーを変更する
ANYCUBIC I3 MEGAのモータードライバーはA4988というモータードライバーが採用されています。
安い3Dプリンターではメジャーなモータードライバーらしいです。しっかり精度もパワーもあって、使いやすくて、安いんですよね。1つ1〜2ドルぐらいらしいです。
ただ問題もあって、基本的にはステッピングモーターは回るときに音がなるのですがA4988はその音がうるさいのてす。
コギングとかいうですが、ステッピングモーターは1.8°や0.9°づつ段階的に回転するのでその振動で音が出ます。しかし、うまく細かく制御できるモータードライバーなら静かに運転できます。
A4988はステッピングモーターの制御の分解能が低いのでちょっと煩いというのが欠点がありますが、I3MEGAのモータードライバーはサブの基板の上に実装されているので、静かなモータードライバーに交換可能です。
Trinamic社製モータードライバー
Trinamicというメーカーから上手な制御のモータードライバーが出ています。SpreadCycle™やStealthChop™がモータードライバーをうまく制御する機能の名前です。
I3MEGAと互換性のあるものは
・TMC2100
・TMC2130
・TMC2208
等があります。
今回はTMC2100が乗ったサブ基板を貰ったのでこれを使います。
(写真は基板の裏面側です)
Amazonなどで検索すると出てきます。
5個で4000円前後ぐらいでしょうか。
https://www.amazon.co.jp/s?k=TMC2100
取り付け前の設定について
取り付け前にいくつかやることがあります。
・CFGピンの設定
マイクロステップ数やSpreadCycle™やStealthChopの切り替えにはんだ付けや端子の切断が必要です。
おすすめは1/16マイクロステップ、256ステップ補間、SpreadCycle™やStealthChop™の設定です。
※マイクロステップ:ステッピングモーターは基本的には1ステップ(1.8あるいは0.9度)ごとに動きますが、電流制御によってステップの中途半端な位置で止める制御。分解能が上がる。
※ステップ補完:電流を実際の駆動ステップより細かい単位で制御することで騒音を減らしたりする機能。
※SpreadCycle™/StealthChop™ : Trinamic独自のステップ補完機能。めちゃくちゃ静か。StealthChopはより静かだがドライバーの発熱量が増えてオーバーヒートする可能性があるので強化ファンの準備や冷却風ダクトが必要。
・ステッピングモーター結線の変更(回転方向が逆になるので)
下の資料と動画が参考になると思います。
取り付け後の設定(Vref調整)
・モータードライバーを取り付けてからVRef(参照電圧)の調整をします。
この参照電圧によって電流量とモーターの出力、発熱量が決まります。
大きなVrefを設定するとモーターの力が上がりますが、モータードライのオーバーヒートや発熱によるステッピングモーターの故障によって脱調する危険性が高まります。
おすすめはVref-0.9Vぐらいですが、必要なトルクや冷却力などによって微調整してください。
調整には小さなドライバー(できれば樹脂製)と電圧が測れるもの(テスターとか)があると良いです。
うまく動いたでしょうか?
今回自分のI3 MEGAに関しては最終的にX軸、Y軸、E軸のみTMC2100へ変更しました。頻繁に動く軸だけでも結構静かになりますね。
動作モードについてはSpreadCycleについては高周波の音が鳴った為、冷却を強化したうえでStealthChopへ変更して現在は調子よく動いています。
ちょっと難易度が高いですが、モーターの動作音が煩い場合はモータードライバーの変更で対策も可能です。
もしうるさいと感じている場合はご検討ください。
関連Note
印刷中にオーバーヒートして脱調する場合は、ファンの変更やダクトの追加が必要かもしれません
配線の入れ替えが不要なカスタムファームもあります。
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