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Simplify3D V5が本当に出た!?! 変更点と変化を読み解く
いつぶりのアップデート?
Simplify3D(以下S3D)の更新が止まって幾年月経った?正確に思い出せないぐらいには昔な気がしてきますね。
ツイッターにS3Dの公式アカウントが投稿するたびに、『V5は?』っていろんな人からリプライされ、リプライされない設定で投稿しているときもありました。
私のnoteでは2020年の12月にはこんな記事を書いていました。
この時すでに2年ほどアップデートが無い状態が続いていたのにS3Dのアカウントを$149払って購入した結果、サポート設定をCuraに移植してS3Dからの脱却をみましたが、今回のアップデートを通じてどうなるでしょうか?
前回のアップデートがいつだったか確認してみましょう。
2018年11月にVersion 4.1になり、
2019年4月にVersion 4.1.2になっています。
今回のアップデートが2022年12月ですから、3年と8か月ぶりのアップデートです。
アップデート費用は?
今までS3Dのアップデートに追加費用はありませんでしたが、今回は価格の改定と旧ライセンスのアップデートに費用が掛かる様になりました。
新規ライセンスの場合
新規ライセンスの場合には$199となりました。
以前は149ドルでしたので、$50の値上がりです。
130円/$換算で約26000円とまぁまぁのお値段です。
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ライセンスのアップデートの場合
V4からV5へのライセンスのアップデートには通常価格$69、現在は$10オフの$59ドルとなっています。
ついにアップデートに費用が掛かる様になりました。企業での利用の場合に新たな決済が必要になります。現在V4を利用している企業ユーザーはどれぐらいアップデートするでしょうか?
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エデュケーションプログラムとフローティングライセンス
教育関係者向けにディスカウントがされるエデュケーションプログラムと、
多数の使用者がいる場合のフローティングライセンスの案内が追加されました。
多くのユーザーアカウントをコントロールしながら費用を抑えることができるため企業向けの
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アップデート内容
公式のRelease Noteは下記のリンク内に記載がありますが、アップデート内容は133個がリストアップされており、詳細に見るには多すぎますので、特筆すべきものを見てみましょう。
UI関連
刷新というほど見た目が変わったわけでは無いかもしれませんが、それなりの変更があります。
右側にモデルサイズや配置変更、サポート材配置、断面確認、マシンコントロールメニューのアイコンが配置されていますが、それぞれがフローティングして表示可能になりました。
また、下側にはモデルのマニュピレーション等のショートカットボタンが配置されています。
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印刷のプレビュー及びその詳細の表示についてもより詳細になりました。
印刷時間や材料使用量の概要に加えて、【詳細な統計】が追加で表示可能になっています。
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プレビューのカラーリングについても、一般的なフィーチャータイプの他に移動速度、一層の厚み、流量、ツールヘッド等が選択可能になっています。
これで他のスライサーとさほど変わらない情報を確認可能になりました。
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レンダリング
レンダリングエンジンが変わったという事になっていますが、今一つ描画がきれいになったという感じはしません。
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ダークモード
左上の ツール>オプション から、ダークモードも選択可能になりました。
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インポート&エクスポート
もともとインポートはできていましたが、STL以外にOBJ形式と.3mf形式がエクスポート形式に加わりました。
(というか今までエクスポートできなかったのね…….)
ファイルサイズも小さく、オブジェクトの構成情報、テクスチャや素材情報も付与できますのでマルチカラー印刷などが容易になるでしょう。
※現時点のV5.0.0では3mf形式のエクスポートに失敗する不具合に遭遇しています。
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スライス設定
さて、本命のスライス設定ですが、いくつかの項目が追加されています。
特にインフィルパターンや印刷速度の制御、ファンの制御などに多くの改善が入っています。
具体的に確認していきましょう。
レイヤー設定
適応レイヤー(アダプティブレイヤー)の設定が追加されました。
最大、最小厚みとスムージング程度が設定可能な項目として増えています。
水平方向のサイズ補償がその他の設定から移動してきており、外側及び内側それぞれに補償が可能になりました。
なお、一層目のエレファントフット補正は実装されていません。
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