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AnkerMake M5は痛み無き速度を得られるか?

気になるあいつの話をしよう。
「まぁオシャレ」って感じの皮に包まれているあのプリンター。ちょっと目を細めて皮に内側を透視してみよう。目が鋭いってたまに言われる。

充電用のバッテリーから様々な電子機器を手掛けるAnkerからKickstarterを通して AnkerMake M5 というFFF方式の3Dプリンターのファウンディングが開始されています。

すでに8億円以上を集めており、大変な人気です。
SNAPMAKERが記録した3Dプリンターの最高ファウンディング記録を超えそうですね。

製品特徴

  • 5倍速い(50mm/sの造形スピードのプリンターに対して)

  • 235x235x250mmの造形エリア

  • 7x7のメッシュベッドレベリング

  • AI機能付きのカメラ

  • ノズル温度は260度まで

ベッドレベリングはノズル接触タイプ?

7x7のベッドレベリングが案内されています。上手く動けば安定した定着が得られるので、プリントの成功率が高まる重要な機能です。
特にセンサーらしきものが見当たらないのでエクストルーダーのカバーの中に隠れていると思われますが、雰囲気としてはノズルの接触を検知するタイプかもしれません。
ただAnycubic VyperやCreality CR-6SEなども採用していたひずみゲージをZストップに使うこの方式はトラブルの多さから新しい製品には採用を見送っているようです。M5では間違いなく動くのか…..?

印刷時間を担保するものは?

強力な貫通軸タイプのY軸モーターとモータードライバーが速度を確保してくれるとしています。実際250mm/sと3000mm/s2の加速度で動いているようなのでその通りなのでしょう。

公開された情報からM5の能力を推定する

3DBENCYは約45分

「造形物がどんな感じで仕上がってるのか見せてくれ~!」
と皆さんも思うでしょう。私も思います。
43分で3DBENCYを完了させていますが、さて?どんな設定なのでしょう?
音を聞くとトラベルスピードはかなり出ているようです。
後述の0.2mmピッチで印刷していると思われますがかなり印刷を端折っている感じが分かります。
インフィルは10%程度で、造形できる限界まで少なく、これを標準設定でいいのは疑問です。

標準設定でリギングに苦しむ?

プロジェクトページにレビューが上がっているので目を凝らしてみてみましょう。

3DBENCYの結果を上から見ていきましょう。
煙突のところと船体の舳先にシーム一直線に見えるので、一方向にシーム位置を集めているようですね。煙突はしっかりと印刷できているので冷却時間を極端に削ったわけでは無さそうです。デュアルの印刷物冷却ファンがあるのでしっかり冷やせているのかもしれません。
左右のアーチも前側のブリッジもしっかり出ているのできちんと冷却しながら積み上げられているようです。

そろそろスピードの代償が目につきます。
手前の出入り口の周辺にリギングが見えますね。
また先端の碇を通す穴の周辺にもリギングらしきものが見えます。

船体のウェストラインに船の床面のトップフィルに起因するとおもわれるラインが一本出ています。

冷却は上手くできているが、印刷品質はどうだ?
スピードの代償として受容可能ではあるが、美しいプリントとは言えないかも。
左は0.20mmレイヤー43分、右は0.28mmレイヤー30分

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