20年

さて、こんばんは。
眠いです。

本日私は映画を観てきました。
いつぶりの映画館だろう…
と、そんなことはどうでも良くて。

私が物心付いた時(この場合の『物心』は、"映画"という概念が芽生え、それについて"好き・嫌い"の区別をするようになってからとする。)からずっと大好きな作品。
確か2001年が公開年だったと思うのですが、この作品を初めて観たのは小さなテレビ画面に映るDVDの映像でした。
私がジブリ作品で唯一DVDを持っている作品です。

《千と千尋の神隠し》

一番好きなジブリ作品。
今まで何回観たことか…。

何が好きか問われると少し困りますが…
ジブリ作品ならではの作画はもちろん、
千尋の強い生き方に憧れたし、
人気度の高いハク様、そしてその声優がこれまた大好きな入野自由であること、
久石譲さんの作るハイクオリティで心に刺さる数々の楽曲、
言い切れない程色々なものが挙げられますね。

個人的にこの作品、「音」に加えて「水」が凄くキーになっているなと思っていて。

荻野家が洞窟内の広い空間に踏み入った時に水飲み水栓から滴る滴。
千尋が階段を駆け下りた時に広がっていた来た時には無かった海((三途の)川という説も)。
ハクの握ったおにぎりを食べる千尋の涙。
風呂に流れる薬湯などのお湯。
ハクリュウが落ちていった海のしぶき。
電車の走る水面。。

シーン、想像出来るでしょうか?
やはり音と水無くしては千と千尋の神隠しは語れないな、と。
物語が大きく動くシーン全てで水が登場するんです。
逆にいえば水が大きく登場するシーンで物語が展開していく。
ジブリ作品では食べ物が美しく描かれていることは有名な話ですよね。
千と千尋の神隠しも、特に千尋の両親が屋台の飯を食らうシーンやカオナシをもてなすシーンでは大量のご馳走が登場します。
それに負けじと、いや、勝って、
その作品に関しては水の重要度を私は推していきたいんです。(伝われ)
これほど水が繊細に描かれて、且つ物語の展開に絡んでくる作品は無いと思います。

内容に関しては何度観ても結局「んで、これはどういう意味?」「で、どうなったの?」と思ってしまう部分が幾つかあるのですが、もうそれは個人個人の解釈次第な気がしてきたので大丈夫です()

そもそも何故荻野家はあの世界に迷い込んでしまったのか。
ハクは何故「魔法使いになりたい」と思ったのか(この世界に来た理由が川が埋め立てられたからなのは予測出来る)。
千尋が湯婆婆と契約した後迎えに来たハクだけ(エレベーター内には2人だけで監視の目も無かったにも関わらず)様子が違うのは何故か。
油屋の従業員には蛙の姿の者とその間の様な見た目の者、リンなどの人の姿の者といった差があるのは何故なのか、またそうだとしてリン達の人型は元々千と同じように迷い込んだ人間だったのか。
湯バードや頭やカオナシや坊は一体何のメッセージを伝えたいのか。
カオナシはどうして千にあんなにも拘るのか(現代的に言うメンヘラを具現化したらああなったのか、己の無い存在が誰かに執着した結果?)。
ハクリュウと千が落ちた先にいる暗い影(湯婆婆の部屋から落ちた先、ハクの川の回想シーンの後に出現する底から沸いている影の人間のようなもの)は何者なのか。
湯婆婆の持っていた砂金の山だけが腐るのは何故なのか(カオナシが土塊しか出せないことを決定付けたいなら何故このタイミング(ハクが湯婆婆に「大切なものがすり替わっている」ことを伝えたタイミング)で腐ったのか)。
結局千尋を見送ったあとハクはどうなったのか。

疑問に思うとキリがないです。
実のところ謎はまだまだあります。
謎というより、議題と言いましょうか…
観れば観るほど「これは何でだ?」が増えます。
誰かと話し合いながら作品を観たいですね笑

この作品をまさかこの年になってからスクリーンで観られるとは思わず。
何年か前に3館1週間限定で再公開していたんですが、どうしても予定を合わせられず、二度と観られないものだと諦めていたので、今回は情報が公開された時、絶対に観ようと心に誓っていました。
いざスクリーンに映った今作を観て、上に記した通り、とにかく音と水の迫力に衝撃を受けました。
何度観ても新しい発見があって、観る度に音や曲の奥深さを実感する…
大画面だからこそ細かいディテールに気付けたり音響に胸を打たれたりと、新しい作品を観た時のような高鳴りを味わうことが出来ました。

公開時に世代だった方はもちろんですが、テレビでしか観たことのない私達の層、更に言えば今作を観たことがない方、全国民に(大規模w)観て欲しい作品です。

正式なテーマやコンセプトは若干謎な部分もありますし、ネットの都市伝説などを見ると少しゾッとしたりもしますが
この作品と真摯に向き合ってみると
欲と愛についてよく考えられますよ。

ファンタジーに見えて、とても現実味の深い作品ですから。

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