【#社会的孤立・孤独】我が国における社会的孤立・孤独に関する政策とデータ
政策動向
最近、社会的孤立・孤独が社会問題化している。社会的孤立・孤独の構造的背景として、社会経済の低迷(可処分所得が伸びない)、雇用形態の変質(将来が安定しない/希望が持てない非正規雇用の拡大)、生活環境の変化(デジタル化)、人口・世帯構造の変化(人口減少、少子高齢化、核家族化、未婚化・晩婚化、独居高齢者増加)等に伴い、働き方、住まい方、暮らし方が変化し、従来の地縁・血縁等の「人のつながりの希薄化」の進展が基底にある。
そうした急激な構造的背景が相まって進行している折に、2019年(令和元年)末から、コロナ禍が発生し、国際的な移動の遮断、そして国内的には一斉休校措置、休業要請、外出自粛要請が行われ、非正規雇用者を中心に雇用環境の悪化、加えて各種の社会的支援活動も縮小・停止に追い込まれ、生活/経済弱者を中心に大きな影響(例えば、家族や周囲の人に相談ができず
にひとりで出産したのちに乳幼児を遺棄した人やヤングケアラー、介護殺人、虐待、自殺等)が出た。加えて、自宅での時間が増えたことは、家族/家庭内での過ごし方の変化をもたらし、コミュニケーションや相互への理解が向上する反面、逆作用の問題を励起・顕在化させた。
こうした事象の顕在化が「社会的孤立・孤独」を社会問題として認識さすことになり、2021年(令和3年)2月に「孤独・孤立対策担当大臣」を指名して同大臣が司令塔となり、内閣官房に「孤独・孤立対策担当室」を設置した。同年3月以降、孤独・孤立対策担当大臣を議長とし、全省庁の副大臣で構成する「孤独・孤立対策に関する連絡調整会議」を定期的に開催している。
2021年(令和3年)6月には、「経済財政運営と改革の基本方針 2021」が閣議決定され、2024年(令和6年)4月1日、「孤独・孤立対策推進法(令和5年5月31日成立 令和5年6月7日公布)」が施行されるに至っている。
参考:孤独・孤立対策の重点計画 令和3年12月28日 孤独・孤立対策推進会議決定
参考:日本における孤独・孤立の現状と対策 堀 純子 / 国立国会図書館調査及び立法考査局専門調査員 議会官庁資料調査室主任 レファレンス(The Reference) 2023-2-20 国立国会図書館 調査及び立法考査局
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