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辞表受取拒否、嘘がバレた大法院長、韓国与党がかばう -- 強引すぎて逆効果

先日、韓国国会史上初の裁判官弾劾可決を受け、憲法裁判所に訴追された判事が、以前、体調不良を理由に辞表を大法院長に提出したところ「国会で今、弾劾の議論がされている。今、辞めさせると私は釈明できない」といって受取を拒否した一件、そんなことはしていないと当初とぼけていた大法院長でしたが、当の判事が録音した会話の内容を公開。嘘がバレた。それを与党がかばうというわかりやすく逆効果の図式。

与党・共に民主党は5日、「林成根(イム・ソングン)釜山高裁部長判事弾劾」をめぐり、ウソをついたことが発覚した金命洙(キム・ミョンス)大法院長を擁護した。金命洙院長は昨年5月、林成根判事に「国会で弾劾しようとしているのに、辞表を受理したら私が国会で何と言われることか」と語った面談時の音声録音ファイルが前日公開され、「ウソ騒動」が巻き起こっているが、共に民主党は「大法院長は三権分立を尊重して辞表を受理できないとしたものだ」と述べた。また、「大法院長との面談内容を録音・公開した行為は異常」として、林成根判事を非難した。一方、野党・国民の力は「ウソつき大法院長は司法府のトップとしての権威と資格を完全に喪失した」と辞任を促した。

経緯がややこしい

知っている範囲でざっくり説明すると…

1.朴前政権時に、産経新聞ソウル支局長が朴大統領の名誉毀損で起訴。
2.文政権になって判決が出る時に、担当裁判長に上司に当たる判事が、朴大統領の名誉を傷つける内容は判決文から外すようにそれとなく会話。
3.文政権がそれを知って激怒。判決文を変えさせようとした上司判事を検察が起訴。1審は無罪。2審は進行中。
4.無罪になって政権与党がさらに激怒。裁判に対して不信を募らせる。
5.当の判事が裁判官を辞めるのがわかる。
6.裁判の結果を待たずに、裁判官でいる間に弾劾ができるよう進める。
7.国会で弾劾訴追案が可決。
8.当の判事が、昨年辞表を提出し辞めようとしたのを大法院長が拒否し、そんな事実はないと嘘を言ったのが、会話の録音公開でバレる。

産経新聞ソウル支局長が起訴されたのだって、セウォル号の空白の7時間をコラムに書いたことで起訴される、言論封殺しようとする政権の横暴だし、それに乗っかる検察、司法で、文政権になっていなければもしかしたら有罪になってたかも…な話。

政権に逆らい、前政権側で動く判事を弾劾したいがために、弾劾訴追案が可決される前に辞めさせたら、国会が何を言われるかわからん!と、大法院長が辞表の受取りを拒否するとか凄いよね。しかも、そんなことはしていませんと、すっとぼけたら、そう言うとわかってた判事が会話の録音を公開して嘘がバレるとか。

経験与党は数の力で横暴も通る

この嘘がバレた大法院長は文政権の子飼いというか、文政権になって一気に出世した判事らしくて、与党の思惑や事情を慮ってそれくらいはするし、しなきゃいけない立場だったのは、それまでを見ればわかるけれど、露骨にやってしかもバレるとか、政権与党側としては「使えないヤツ」と切り捨てられてもおかしくないんですが。

共に民主党の田載秀(チョン・ジェス)議員は同日、金命洙院長が林成根判事の辞表受理を拒否したことに関連し、「懲戒する前に辞表を出し、自分の責任を回避する公職社会の慣行を大法院長が阻んだ」と言った。そして、金命洙院長が林成根判事に「国会で弾劾が主張されているため辞表を受理するのは難しい」と話した音声録音ファイルの発言について、「国会の地位、三権分立を尊重してくれる発言だった」とも言った。また、「大法院長との対話をこっそり録音し、音声ファイルを公開した林成根判事は性格も人格も弾劾に相当する」と言った。同党の朴柱民(パク・チュミン)議員も「金命洙院長が辞表をすぐに受理したら立法府を無視する行動になる可能性もあった」「録音しようと決心した人は、欲しい情報が記録されるよう対話を誘導してはいないだろうか」と述べた。

~中略~

李洛淵(イ・ナギョン)代表は党会議で、林成根判事弾劾訴追について「三権分立という民主憲政体制が初めて作動したという歴史的な意味がある」「野党は『司法府手なずけ』だと非難しているが、乱暴な運転をするドライバーに対する処罰を『ドライバー手なずけ』と言う人はいない」と言った。また、報道機関とのインタビューでは、林成根判事を念頭に「一生活者として、同僚との対話が録音され、公開されるということは恐ろしい」と述べた。

凄いよね。弾劾を推進している与党、国会の動きを邪魔しないように辞表を受理しない大法院長の判断は、国会の地位、三権分立を尊重した行為 だって。その結果、大法院長自身が三権の一つである司法の地位を貶めて尊重しない結果になってることはどうするんだ?って話がない。

これが韓国の言う三権分立の尊重ってヤツです。

先の前ソウル市長(与党の身内)がセクハラしたという告発をした被害者を与党が、被害を訴えている人と言い換えて、あたかも被害を訴えているだけで事実はわからない、虚偽だと匂わせる反応をしておいて、別の裁判で前訴漆調の行為をセクハラと認定される赤っ恥かいてる与党ですが、今回もまた同じパターンで、大法院長との会話を録音した判事の行為を批判したり、証拠能力を云々したり。でも、大法院長は謝罪してましたよね~?

このように、どんどんとあからさまな身内贔屓、己の理想実現に邁進して、懸念や批判、法ですら邪魔になるなら脱法する強引なことに躊躇しなくなってきた韓国与党と大統領府。

メディアやネットワークについてもフェイクニュース処罰法を制定して、批判的な声を封じる武器を増やそうとしている気がして、このさきがどうなるか、韓国内の話で韓国民が決めることだから静観しかできませんが、見てるぶんには面白いことになりそうです。

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