韓国、1月の雇用動向発表、就業者98万人減少 通貨危機以来最悪 -- 現実を隠す官製雇用も切れ悲惨な状況が少しずつ露呈
今年1月の雇用動向が韓国統計庁から発表になりました。就業者は98万人減少し、1998年の通貨危機以来の最悪の数字。その他、年代別、非求職活動中の人口なども最悪の状況。覆い隠していた現実が少しずつ露出してきています。
1月の就業者数は2581万8000人で、前年同月比98万2000人減少した。11カ月連続のマイナス。アジア通貨危機の影響があった1998年1月~99年4月(16カ月連続減)以降で最長となった。また、1月の減少幅はこの11カ月で最も大きい。
業種別にみると、宿泊・飲食店業(36万7000人減)や卸・小売業(21万8000人減)などで就業者数が減った。運輸・倉庫業(3万人増)や事業施設管理・事業支援・賃貸サービス業(2万7000人増)などは増加した。
前年同月比で98万2千人減少も通貨危機以来の最悪ということでダメージ大きいですが、11ヶ月連続のマイナスとずっと低調だし、実際問題として文大統領の所得主導成長経済という壮大な社会実験の結果、2018年から雇用は悲惨な状況ではありましたが。
高齢者雇用が切れて露呈した現実
先月の就業者数は約100万人減ったのは、これまでの雇用市場を支えていた財政支えが消えたからである。財政が投入された高齢者の雇用事業などが昨年末終了し、雇用は直撃弾を受けた。60歳以上の就業者さえ減少に転じ、全年齢層で就業者数が減少した。すべての年齢層で就業者数が同時に減ったのは、過去1998年12月以来、約22年ぶりだ。新型コロナウイルス感染症(コロナ19)による雇用寒波が長期化し、慢性就職放棄者」休ん「人口と求職断念者も初めて300万人を超えた。
10日、統計庁の「1月の雇用動向」によると、1月の就業者数は2、581万8、000人で、前年同月比98万2、000人減少した。60歳以上を含む全年齢層で就業者数が減ったのが特徴である。30代の就業者数が27万3、000人で最も多く減り、20代、25万5、000人、40代、21万人、50代の17万人、60歳以上の1万5、000人の順だった。
60歳以上の就業者数が減ったのは、2010年2月4万人減少の後、約11年ぶりだ。これまでコロナ19事態にもかかわらず、60歳以上の就業者数は着実に増加してきた。しかし、これらの雇用をかかった政府の高齢者雇用事業が年末終了さ面が変わった。失業者数も前の年齢層で増加して157万人に達した。
文政権になって雇用統計が悪化すると、対処療法として公共施設などで雇用する高年齢者向けの単純労働を数十万単位で作って水増しを繰り返していましたが、それもコロナ禍で自治体などが手控えた結果、雇用が切れて失業者数が157万人。
高齢者を雇用するのは、年金や福祉環境が貧しい韓国ではその代わりになる部分もあるわけで、本来は民間で管理人や対面販売サービスの従業員などで補っていたものが、最低賃金の爆上げで雇用できなくなって問題化すると、それを政府や自治体が代わって清掃員や監視員などで雇用していたものでした。
消えた青年層の雇用
通貨危機以来最悪の雇用寒波が襲った先月消え雇用の半分以上(53.8%)は20日、30代の雇用であった。青年層の雇用衝撃が大きかったという意味だ。新型コロナウイルス感染症(コロナ19)3次の流行による社会的距離を置くとレストラン、卸・小売業アルバイトが大きく減った企業さえ経営が難しく採用を減らしたためと思われる。
青年就職難がますます深刻化する中でさえも仕事の数を増やしてくれた60歳以上の高齢者の雇用まで約11年ぶりに減少に転じた。政府が国の資金を投じて、公共部門での高齢者の雇用を作る式の政府主導の仕事の対策の限界が露呈しているという指摘が出ている。
10日、統計庁によると、1月に20代と30代の就業者は、1年前よりそれぞれ25万5000人、27万3000人減少した。昨年12月にコロナ19の再拡散で、社会的距離を置くが強化され、今年1月のサービス業就業者が前年同月比89万8000人減少した影響が大きかった。主に宿泊・飲食業(-36万7000人)、卸・小売業(-21万8000人)など対面サービスの仕事が減少した。この業種でアルバイトをしていた青年たちが仕事をたくさん失ったと思われる。先月臨時の日雇い労働者もそれぞれ56万3000人、23万2000人減少した。
サービス業や接客業などのアルバイトまで大きく減っていますね。コロナ禍によるダメージも大きいですが、最低賃金爆上げで人件費が賄えない自営業者は人を雇うぐらいなら自分がアルバイトしたほうがマシってレベルでした。
日雇いが大勢働ける現場だった建設関係も、文大統領の不動産規制が次々に出てきて将来が見通せず、様子見だった現場が多かったようです。民間の新築住宅の供給が首都圏でも減少していたというニュースもありましたから、当然、日雇い労働者は仕事にあぶれることが多くなったわけです。
コロナ禍、不動産規制、経済政策のトリプルパンチでしたね。
非休職者人口も増加
非経済活動人口は1、758万人で、前年同月比86万7、000人増加した。その中「休ん」の人口は271万5、000人に達し、統計作成以来の高水準を撮った。休ん人口は働く能力があるが、就職準備・育児などの特別な理由なしには五十人を意味する。非経済活動人口のうち求職断念者も前年同月比23万5、000人増えた77万5、000人と集計された。2014年に関連統計改編以降最高値だ。
慢性的な「就職放棄者」に分類されるこれら急増しているのだ。休ん人口と求職断念者を合わせた人口は、昨年1月に287万8、000人から349万人で、1年間61万2、000人増えた。この数値が300万人を突破したのは史上初めてだ。しかし、これらは、経済活動人口に含まれていない統計上の失業者に分類されない。
これと関連しジョンドンミョン社会統計局長は「昨年末の高齢者雇用事業が終了され、非経済活動人口のうち高い割合を占める60歳以上ので休ん人口増加幅が拡大した」とし「20〜30代では、雇用状況が良くない時すぐに失業者になるより休ん人口に多く抜ける傾向がある」と説明した。
韓国では求職活動を諦めた層や、公務員試験に向けてバイトしながら勉強中なんていう層は、失業率などの母数にカウントされません。そういった非経済活動人口も前年同月比で87万弱増加。この辺りの数字が増加しているのはかなりヤバいわけです。仮に雇用があっても就職する気がないわけだから。
先の記事にもあったように、コロナ禍でサービス業、接客業などがことごとく雇用を減らし、青年層がつく仕事がなくなってきています。有名大卒でも食堂のコックに大勢が応募している…なんてニュースもありましたね。とにかく就職そのものが厳しくなっていて、失業率5%程度なんて数字がとても実体を表しているものではないということです。体感失業率なら25~30%ぐらいあるかもしれません。
それでも求職活動中なら、雇用保険や就職支援制度が韓国にもありますが、雇用保険に関しては、急激に失業者が増えたために予算が枯渇するかも…っていう危ない状況になっています。就職支援制度も半年間で切れてしまうため、2020年初頭に失業した多くの人が、支援が切れた途端に求職活動をあきらめて、統計上の失業者からこぼれてしまうわけですね。
政府の政策は未だ官製雇用創出のみ
これに対応して、政府は、第1四半期中、90万+α」の直接雇用を創出すると発表したが限界が明らかだという指摘が出ている。最近、企業が新規採用を削減しながら、良質の雇用が消えているからである。インクが上場企業を対象にアンケート調査した結果、「新規採用を決定した」と答えた企業は昨年71.7%から今年は56.2%に減少した。
特に青年層(15〜29歳)は、民間の雇用減少の直撃弾を受けている。若年層の就業者数は、前年比31万4、000人減った雇用率は2.9%ポイント下落した。一方、青年失業率は1.8%、拡張失業率(体感失業率)は5.8%ポイント上昇した。青年層の休ん人口が49万5、000人で、前年比11万2、000人増えたこともこのような状況と関連が深いとみられる。
ギムサンボン漢城大教授は「政府が支援する財政雇用は8〜9か月の短期であるため、実際の雇用状況の改善には、あまり役に立たない」とし「青年のための仕事をどのように創出するか悩んで解決すべきお金を投入すると解決されるわけではない」と批判した。
この数字が出る前から政府は雇用対策として公務員を増やしたり官製雇用を大量に創出するとしていましたが、今回わかったように、短期間で単純労働でまったくキャリアにならない仕事をいくつ作ったところで、その予算は単に生活費に消えるだけで、経済や雇用に繋がらないもの。呼び水にもならない。
まぁ、コレは政府の責任だけじゃなくて、韓国内の実体経済が疲弊しているため、雇用を作り出す余力がないためもあります。成長率があまり落ちなかったのは輸出分野のおかげだし、それもサムスンなどごく一部の大企業に偏ったものでした。株式市場が過熱しているため国内経済も好調なような錯覚に陥りやすいですが、実体は文政権の経済政策とコロナ禍のダブル+米中経済戦争や日韓関係など外的要因でボロボロ。見てくれだけ繕っているだけなので、今回のようなことも当然あるわけですね。