LGとSK、バッテリーの機密情報侵害を訴えた米ITC結果を巡って言いたい放題 -- むしろ国際社会への韓国企業イメージ低下が深刻なのでは?
韓国のメーカー同士が、技術情報の侵害を巡ってアメリカで争っていた事案、アメリカITCがLG側の勝利と判断し、SKは今後10年間アメリカに当該情報を利用した製品の輸入を禁止。アメリカ現地生産にも制限が加えられるが猶予があるらしい。
民事裁定だから米国大統領の拒否権で裁定は無効になるらしく、アメリカでのSKのバッテリーがどうなるかまだ不透明なところは残されているが、それにしても同じ韓国のメーカー同士で技術を盗んだの盗まないだのアメリカでやり合うとか、実際のところ、どうなの?って感じですが、それを受けてお互いにコメントで言いたい放題。
SKイノベーションに向けては、「今からでも訴訟の状況を歪曲してきた行為を停止ITCの最終決定を謙虚に受け止め、これを満たしている提案をしなさい」とし「一日も早く訴訟を仕上げするために積極的に出ることを促す」と述べた。
また「営業秘密の侵害に相当し、株主や投資家が納得できる合意案を提示しなければITC最終的な勝利の結果をもとに、国内外で進行中の訴訟について断固として臨むしかない」とし「これは、同社が背任議論から抜け出すためにも必要な措置」と付け加えた。
SKとしては最後の望みが米国大統領の拒否権だけなので、そこに賭けていくしかないわけですが、あるいはLGの言い分通りの和解をするか。
ただ、和解をしたとしても、当該技術を利用したバッテリーの生産、販売を認められなければ意味がないし、LGとしては直接のライバルになる企業にその技術を使わせてパテントを受け取ってシェアを奪われたら意味ないし。
ここは徹底的にSKを潰すぐらいの勢いなのかな~?と、思ったのですが、国内外でたぶん同様の訴訟をやっているので、そちらへの影響を考えれば、LGが納得する和解のための合意案を作ってこい!と言ってますね。
ここで真正性のある態度を示せ!とLGが言っているのが面白いデスね。どういった態度が真正性なのか、ぜひともSKとLGには教えて貰いたいものです。あれば…ですが。
SKイノベーションは入場門で「ITCが先に満場一致で自社早期敗訴の全面見直しの決定をした後、最善の努力を尽くして釈明した」とし「しかし、ITCが営業秘密の侵害かどうかについて、実体的判断の機会を持たず、残念だ"と明らかにした。営業秘密の事実が正しく選別されたものではなく、手続き上の問題のために敗訴したというのがSKの主張だ。
SK側は情報を盗んだのではなく手続き上のミスだと主張したものの、それは全然認められなかったようですね。秘密の侵害かどうか…が争点にならなかったということは、調べるまでもなく明らかな情報の侵害だったというわけでしょうか。
SKイノベーションは、「大統領の検討など、今後、残りの手順を使用してITCの決定を正すために最善を尽くしたい」とし「ITC決定の内容を綿密に分析し、今後の控訴など決められた手順にさらに積極的に対応、真実を指したい」と強調した。
控訴手続きがとれるんですかね?それについて言及した報道はまだ見てないのですが、残された手段は大統領の拒否権とあるのに、どこに控訴するのでしょうね?あるいは、他の裁判についてかもしれませんが。ただ、今回の決定がそれらに与える影響は大きいでしょう。
SK側同日LGエネルギーソリューションバッテリーを搭載した電気自動車で火災が発生したことを狙って、「SKバッテリーは、過去10年以上の安定性の問題が起きたことがない」世界で最も安全なバッテリー」」とし「これを米国企業と消費者に強調する」とした。
うわ…それ、言いますかね(笑)
現代自の電気自動車に搭載したバッテリーが充電中に発火する事故が相次ぎ、リコールでバッテリー管理ソフトをアップデートしてもなお、事故が発生しているので、現代自も搭載しているLGのバッテリーを疑っていて、LG側から反論のリリースがあったぐらいですし、アメリカでもリコールと事故が続けば相当なダメージになりますが、SKがこのタイミングでそれを言いますか。
しかも、そのLGの技術情報を盗んで作ったバッテリーを持って「LGのバッテリーと違ってSKのバッテリーは安全です」って(笑)
また、「米国ジョージア州に建設中のバッテリー工場に最大50億ドルを投資し、良質の雇用を最大6千個創出する経済効果がある」とし「この工場の稼動が中断されると、その被害は、単にSKに限定されず、ジョージア州全体、さらには米国経済・社会にまで及ぼすしかないことを積極的に伝えていきたい」と述べた。
アメリカでLGのバッテリーを搭載した車が輸入され走り回れば危険、SKはアメリカに工場を作って雇用を生み、アメリカの経済に寄与する存在だから、安全なSKのバッテリーをアメリカに輸入、生産することができるよう拒否権を発動するのが正しい…と、訴えていくとかさぁ。
SKイノベーションはITCがフォードとフォルクスワーゲン米国電気自動車用バッテリー・部品の輸入については、猶予期間を置いたことについて、「その期間、米国の工場設立と運営が制限的に可能」とし「これらの顧客の権益保護のために最善を尽くしたい」とした。
LGにしろSKにしろ、韓国のバッテリーメーカーのバッテリーを使うといろいろとリスクあるってことが世界中の完成車メーカーにバレバレになってしまって、今後の営業にかなりのダメージになる気がするんですけども、お互いにその辺のところはわかっているんでしょうかね。
賠償金の合意と関連して「合理的な条件であれば、いつでも交渉に臨む」とし「訴訟を早期に終了し、産業の生態系と国民経済の発展のために協力していこう」と述べた。
この辺の厚かましさと、絶対に相手の下になったことを認めず謝罪もしない態度はさすが。韓国を相手にする時はこれくらい図々しいぐらいでちょうどいいのかもしれません。一度、下に見られたら徹底的に叩き潰そうとするのが韓国流ですからね。賠償金払う方が「合理的な条件なら交渉してやる」という勢いですし、韓国経済のために協力しよう♪なんて、相手の譲歩を要求するのも忘れない。
さすが。