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"体に爆弾"3歳男児 臓器移植が進まないワケ

難病のため
心臓移植をしないと
生きられないと診断された
3歳の男の子。

その家族が日本ではなく、
海外での移植を決意しました。
その背景には何があったのか。

(NEWS23 2018年11月14日放送)

11月14日午後
厚生労働省を訪れた
臓器移植の関連団体。

”臓器提供の実情を変えたい”と
8年ぶりに要望書を
提出しました。

3歳の上原旺典(うえはら おうすけ)くん
「おうちゃん」です。
心臓移植が必要です。

難病を患い、
2年間病院から一歩も
出られない生活が
続いています。

お兄ちゃんと会えるのは
ガラス越しだけ・・・。

おうちゃんの病気が
わかったのは、
生後9ヶ月の頃でした。

「拡張型心筋症」

心臓の筋肉が
極度に弱くなり、
血液を全身に
送り出せなくなる難病です。

医師からは
『心臓移植をしないと助からない』と
告げられました。

おうちゃんのお腹から出ている
2本のチューブ。

その先にあるのが
「補助人工心臓」です。

心臓が弱くなり過ぎたため、
移植を待つあいだも
「補助人工心臓」を着けないと
生きられないと言われたのです。

補助人工心臓に血が詰まり
血栓ができることもあり、

常に体に“爆弾”を
抱えている状態なのです。

ところが、
臓器移植をとりまく状況は
簡単ではありません。

日本では
法改正により2010年から
子どもの臓器提供が
可能となりました。

しかし、アメリカで
子どもに行われた心臓移植は 
去年だけで266件ある一方、

日本では
9年間でわずか10件です。

また、
海外での臓器移植にも
「大きな壁」が・・・。

移植臓器の不足などを理由に、
2008年
国際移植学会が
自国の患者は自国で救うという
「イスタンブール宣言」を
採択したのです。

そのため、
おうちゃんの両親は
数少ない受け入れ先となった
アメリカに
渡航することを決めました。

なぜ日本での
臓器移植は
進まないのでしょうか。

臓器移植に関連する団体
「(臓器を)提供したいと言っても
 ”うちは体制が整ってませんので出来ません”と
 断ってる例が何例もあります」

日本では、
臓器提供を希望しても
病院側が体制の未整備を理由に
断わる例があるほか、

ドナーと患者との
マッチングを行っている
「移植コーディネーター」が
不足しているというのです。

移植に望みをつなぐ
おうちゃんの家族。

家族たちは
“医療としての移植”が
さらに社会に根付くことを願っています。


●雨宮キャスター
患者とのマッチングを行う
「移植コーディネーター」というのが
日本臓器移植ネットワークによりますと
現在全国で90人しかいないんですね。
圧倒的に不足しているんです。

●星キャスター
臓器移植法を改正して
もう少し提供者が増えるかと思いきや
実際には増えていないんですよね。
移植コーディネーターの問題もありますが
病院や医師の数、その体制が未整備です。
そこをきちんと整備する必要があると思います。

おうちゃんを救う会
https://www.genki-o-chan.com/