作家・金原ひとみ 新常識を問う コロナ時代の"恋愛と性”
人との物理的な距離をとることが
推奨されている今、
芥川賞作家の金原ひとみさんがあえて、
それに逆行するような作品を発表しました。
その名も「アンソーシャル・ディスタンス」。
彼女が伝えたかったこととは?
(8月21日(金)news23より)
作者が主人公に選んだのは、
この社会の大きな渦に巻き込まれた
若いカップルだった。
「緊急事態宣言」最中の
今年5月に発表された
小説「アンソーシャルディスタンス」。
感染を抑制する手段
「ソーシャルディスタンス」とは
真逆の発想。
執筆したのは…。
芥川賞作家・金原ひとみ。
物語に描かれているのは、
新型コロナの感染が拡大するなかでも、
一緒にいることを最も大切にする
大学生2人の恋愛だ。
耳や唇に
いくつものピアスをつける金原。
彼女の名を世に知らしめたのは…。
“生きていることを実感できるのは
痛みを感じているときだけ“
……という少女の葛藤と
絶望の日々を描いた「蛇にピアス」。
まだ20歳だった2004年、
このデビュー作で、芥川賞を受賞した。
金原は今回、コロナ禍の恋愛を描くことで、
「ソーシャルディスタンス」という名の
新たな常識を問おうとしていた。
主人公は、大学生の沙南(さな)と幸希(こうき)。
作中には、
沙南との外出を繰り返す幸希に、
母親が、苦言を呈する場面がある。
恋愛をめぐり、徐々に高まる
閉塞感が描かれていく。
主人公の沙南と幸希もまた、
コロナ禍にあって
閉塞感を破るような
「風穴」を開けることを求めている。
大学の卒業式や
就職のための企業説明会が
相次いで中止となる中、
沙南は、大好きなバンドの公演に
幸希と行くことだけを楽しみにしていた。
しかし……
ライブが中止となった2人は、
別の形で閉塞感からの解放を求めていく。
フリータイムが終わった後、
2人は、落胆したまま
改札の前で手を振って分かれた。
その場に立ち尽くした幸希は…。
幸希は、今のこの時間が
続いてほしいと思った。
なぜ金原は、
今の社会の変化に逆行するような
大学生の恋愛をテーマにしたのか。
動画はこちらのURLからご覧いただけます。
https://youtu.be/EKI5eZZFmbM