小川キャスターがきく「“性的マイノリティ―”として生きること」
「トイレを自由に使用させないのは違法」
こう訴える性同一性障害の方の主張が、
12日、裁判所に認められました。
一方で、
いわゆる性的マイノリティーといわれる方達が
日常で感じる違和感や不便さはというのは、
トイレの問題だけではありません
座談会を開きまして、
皆さんの声をきいてみました。
(12月13日放送 NEWS23より)
―女性として生きているのに、
女性用トイレの使用を制限されたのは違法だー
戸籍上は男性で、性同一性障害の
経済産業省の職員(50代)がこう訴え、
国に損害賠償を求めていた裁判。
12日、東京地裁は
「女性トイレを自由に使用させないのは、
社会観念上、著しく妥当を欠くもので違法だ」
として、トイレの使用条件を撤廃した上で
132万円を支払うよう判決を言い渡しました。
「同じような当事者に対して勇気づける判決の内容だったと思う。女性として生活をしている者は、他の女性と同じように扱ってほしい」
この職員は、2010年から
女性として勤務していましたが、
勤務するフロアから離れた
女性用トイレを使うよう制限されていました。
ある民間の調査では
LGBTなどの性的マイノリティーは
10人に1人。
職場環境の改善を求める声が高まる中、
企業では
どんな対応がとられているのでしょうか?
日本IBMでは
25階建ての本社ビルのうち
24のフロアに
性別を問わず利用できる共同トイレ
があります。
「当社にはLGBTのコミュニティがありまして、当事者をサポートするアライ(=Ally:支援者の社員)が多くいます。その中からの要望を吸い上げて新しい施策に人事としては繋げていったりもしています。」
こちらの社員はゲイであることを公表し
机に、多様性を象徴するレインボー柄の
パネルを置いて働いています。
「LGBTの人、まだオープンにしていない人も(パネルを)見かけた時に、あそこに行けば安全なんだな、相談できる人がいるんだな、っていうふうに思ってもらえたら」
ただ、こうした取り組みが進んでいるのは
一部の企業だけです。
LGBTなど
性的マイノリティ―を対象にした調査では、
半数以上が
自分たちに対する誤解や偏見が多い
と回答しています。
そこで、
生まれた時に割り当てられた性別に
違和感を持つ人たちに話を聞きました。
まずは―
●小川キャスター
「イシヅカさんは状況としては一番近いですけど、このニュースはどのように響きましたか?」
「高校生のころに女性として学校に通わせて頂いてたんだけど、トイレだけは多目的トイレまで行って使ってくれと言われてたんですね。やっぱり(周囲が)不快な思いをしないかなって当事者としてはスゴく考えるんですけどー
それを周りからそういう風に言われるのって、なんか違うんじゃないかなって思ってて。すごくうれしいなって気持ちもあるんですけど今回勝訴する事が出来て。だけど、その間ずっと我慢を強いられていたのかって。」
「僕は体は男だし自分のことを男でも女でもないって思ってるけど、でも男って感じるときもあるし、女性らしくいたいみたいな、っていう気持ちになるときもある」
「(勝訴)勝ち取ったっていう、勝ったっていうニュースを見た時はYes!!って感じなんですけど、その裁判が起こってしまうっていうこと自体がそもそも問題であって」
「数か月前にホットヨガに通おうと思って、ダイエットしようと思って。でも更衣室って必ず使わないといけなくて『戸籍上は女性なんですけど
男性用を使っていいですか?』っていったら『戸籍上の性別を使うようにお願いします。じゃないと通うのは』みたいな感じで言われたことがあって、それで断念したんですけど」
「(体育の授業で)男は柔道で女の子はダンスだったんですよ。僕はダンスがしたかったんですよ。強制的に選択すらできずそれ(柔道)をさせられたのが本当にいやで」
「すごくあります。それこそちょっと前までってトランスジェンダーだったりとかでもすごくひとくくりにされていたじゃないですか。本当に10年くらい前までかな、たぶん。」
「すごく奇人的な扱いで、それを受けて学校とりだったりで、そういうふうに、なんだろうそれと同じように揶揄してきたりとか、小さい頃いっぱいあって、それですごく嫌な思いをしたりということはたくさんありました。」
「めっちゃシリアスな、めっちゃ難病を抱えたような状態になるのか、めっちゃお笑いとしていじられるキャラクターになるのか、どちらかしか選択できないんだって感じてしまって、もっと多様なロールモデルを示してくれなかった」
「今ってまず個人個人の考え方とか生き方っていうのを尊重するっていう時代に来てると思うんです。自分と、また他人の、それぞれ人だっていうことを見つめ直して社会を作り直していく必要があるんじゃないかなって私は考えています。」
「本当に、僕たちの問題だけではない。あなたの問題でもある。人権の問題だから、というのをどれだけ感じてもらえるかが僕はすごくポイントなのかなとめっちゃ思ってます。」
「自分事のようにLGBTの人を身近な存在に考えることが大事なんじゃないかなって思います」
「ちょっとでも偏見があったとしても、ちょっと相手の立場に立って考えてみてほしいなって思います」
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動画版は以下のURLからご覧いただけます。
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https://www.youtube.com/watch?v=VXB5s-y1iaA