”ヘイトスピーチ”投稿 初の刑事罰
インターネット上で侮辱する
「ヘイトスピーチ」に初めての刑事罰です。
裁判所は
匿名のブログで15歳の少年の実名を晒して
在日韓国・朝鮮人への差別的な投稿をした人物を
侮辱罪で処罰しました。
なぜ、匿名で差別的な書き込みをしたのか。
投稿者に直接会いに行きました。
(NEWS23 2019年1月16日放送)
インターネット上に公開された
憎悪に満ちた言葉の数々。
匿名のブログに綴られたものです。
在日韓国・朝鮮人に向けた
差別を煽る言葉=ヘイトスピーチが書かれ、
15歳の少年の実名をあげて
激しく攻撃するものもありました。
●少年の代理人 師岡康子弁護士
「(少年は)自分は
どう思われてしまうのだろうと。」
「これは一生、消えないんじゃないかという。
そういう苦痛を味わっています」
弁護士によりますと
神奈川県内に住む少年は
去年、実名で取材に応じ、
人種差別に反対する考えを述べました。
しかし、それを悪用され、
ブログに実名を晒されたのです。
●少年のコメント 当時15歳
「ブログに書かれた
酷いヘイトスピーチを見たときの
恐怖やショックを、忘れることはできません」
“ここで泣き寝入りするわけにはいかない”
そう決めた少年はブログの運営会社に
書き込みをした人物を明らかにするよう
仮処分を申し立て、人物を特定。
刑事告訴に踏み切ります。
書き込んだのは、
全く面識の無い
大分市内に住む66歳の男性でした。
●書き込みをした男性(捜査に対して)
「あのブログは日記のつもりだった」
関係者によりますと、
男性は警察などの取り調べに
自分の書き込みと認めた上で、
「少年個人を狙ったものではない」などと
弁解したといいます。
川崎簡易裁判所は、18年12月
書き込みは少年に対する
“侮辱行為”にあたると認め、
科料9000円の略式命令を出しました。
弁護団によると、
ネット上での匿名のヘイトスピーチが
侮辱罪で処罰されたのは
初めてだということです。
私たちは男性に話を聞こうと自宅を訪ねました。
「ごめんください、突然」(記者)
男性はブログについて
「関係ない」と述べて、取材を拒否。
その後、サングラスとマスクで顔を覆い、
口を開くことはありませんでした。
●少年の代理人 師岡康子弁護士
「遊びのような気持ちで書いている人たちが、
匿名で許されるわけではないという点で、
(略式命令は)大きな意義がある」
略式命令が出されたこと受け、
少年は、こう訴えました。