スカッとするかもしれない話 電車でペースメーカーを着けていると思われる老人に絡まれた話
ある日の昼下がり、私は電車に乗っていた。
昼下がりなので電車内の人もまばらだ。
当時私はよく聴いていた曲があったのだが、その日はあいにくイヤフォンを忘れてしまっていた。
どうしてもその曲を聴きたかったので、周りの迷惑にならぬよう、音を最小に絞ってスマホのスピーカーを耳に当てて聴いていた。
うーん、やっぱりいい曲だなぁ。
気分はアゲアゲ!!
すると正面に座っていた老人が私に向かって、車両中に響き渡る声で怒号を飛ばす。
「おい、お前!俺はペースメーカー付けてるんだよ!電磁波が出るから電話するな!やめろ!」
「あ、ごめんなさい。」
電話はしてなかったが、やたら怒っているので一先ず謝る。
そして、私はスマホをポケットにしまう。
しかし、更に追い討ちをかける老人。
「お前のせいでペースメーカーが狂って俺が死んだらどう責任とってくれるんだよ!ふざけるな!」
そんな危機迫る状況の割には、物言いがエグい。
そう言われてさすがに頭に来たので言い返えす。
「てゆーか、そもそも電話してないんですけど。耳にスマホ当てて音楽聴いてただけですから。」
私に言い返されたのが気に食わなかったのだろう。イラッとする老人。
「いや、電話してただろ!」
「だって俺一言も喋ってないでしょ?なんでそう決めつけるの?」
「電話してたものはしてたんだよ!お前ふざけるなよ!」
そんな風に暫く電車内で口論をしていると、駅で電車が止まる。
「ただ今、お客様トラブルにより電車を一時停止します。」
うーわ、これ俺らの事じゃん。恥ずかしっ、、
生まれて初めて自分が原因で電車を止めてしまった。
駅員が猛ダッシュでこちらに駆けつける。
「おっ、、、お客様!どうされましたか?!」
駅員が来るやいなや、老人はすかさず、、
「こいつが車内で電話してたんだよ。俺はペースメーカー付けてるからこいつは人殺しだよ!!」
と言う。私も負けじと、
「だからさっきから言ってるでしょ!電話してないって!言いがかりはやめてくれない?!」
と、切り返す。
「あちらのお客様は、そう仰っていますが、、、、」
食い違う両者の言い分に、駅員も若干困った表情を浮かべる。
そこですかさず、横にいたお姉さんが救いの手を差し伸べてくれる。
「この方、電話はしていませんでしたよ。」
くぅーーー!!!
ありがとう!!
何て素晴らしい加勢なんだ!!
一部始終を知っている周りからすると、どう見ても、私は変な老人に絡まれている可哀想な人だったので、味方をしてくれたのだろう。
お姉さんにそう言われ、少しうろたえる老人。
ここはチャンス!と思い、頭をフルパワーで稼働させ、その時思いついたベストな言葉を発する。
「心臓に病気がある中で、紛らわしい動作をしてしまった事は俺も謝るよ。そりゃああなたの立場なら気になるもんね。それは申し訳なかった。
だけど、俺は事実電話をしていないから、あなたのペースメーカーには影響ないだろうし、謝っているのに決めつけであんな言い方は良くないんじゃないの?
それに、そんなに気にするなら、周りのみんなは電話はしてなくとも、メールやネットしてるから、それこそ結局電磁波の影響あるんじゃないの?
こっちはハタから見ていてあなたが障害あるって分からないから、心配なら自分を守るためにヘルプマークを付けるべきだし、そもそもこの普通の席じゃなくて優先席座るべきなんじゃないの?
それがあなたの為になるし、自分を守る事になるんじゃないの?違う?」
「う、、、、」
さすがに何も言えなくなる老人。
冷静になってきちんと自身の非を認めた上で、相手の間違えを正し、相手の為になる提案を行った。
我ながらしっかり筋の通った意見が言えたぜ!
「あちらのお兄さんもそう言っている事ですし、行きましょうか。」
「うっ、、あぁ、、、」
こうしてぐうの音も出なくなった老人は、駅員に優先席に連れて行かれたのであった。
心臓にペースメーカーを着けている方は可哀想だし、大変だと思うし、気遣うべきだと思うが、だからと言ってそれを盾にあらぬ疑いで傲慢な態度を取るのは間違っていると思う。
きっとこの老人はこの事例以外にも周りに傲慢な態度を取っているのだろう。
そんなんじゃ周りに見放されて、最終的に不幸になるのはこの老人自身だ。
私の言葉でそれに少しでも気付いてくれたら良いなと思う。
もしくは、あまりそう考えたくはないが、ペースメーカーが嘘の可能性だってある。
世の中には何でも注意したがる老害がいる。
しかも、それでそこまでキレる?という温度感で。
さすがに嘘かどうかまでは分からなかったが、もしそうだったのであれば、論破されて少しは反省した事だろう。
エピソードは以上となります。
この記事を読んだ皆さんが、スカッとしてくれたら嬉しいです!
ではでは。