【失敗】貝を探すRTA in東京駅
この記事は某所のアドベントカレンダー企画に参加しています。
・こんにちは。カニです。921(くつい)ともいう。
・突然ですが、皆さんは野生の貝を見たことがありますか?
・ある?そう……
・では「貝を探すRTA」は? ご存じない?
・「貝を探すRTA」とは、街を歩き、最速で野生の貝を見つけるまでの速度を競う男の中の男のためのスポーツである。
・そして何を隠そう私は、おととしに同様の企画を内陸県某所で走った際に
3分17秒51 しじみ(WR)という驚異の記録をたたき出しているのだ。
あの伝説の瞬間から2年。新たな伝説が今、始まる。
【ルール】
目標: 野生の生きた貝を探し、発見までの時間を競う。
対象貝: 二枚貝、巻貝、ヒザラガイ、ツノガイ(カタツムリやナメクジは除外)。
カウント除外対象: 飼育中の貝、販売用の貝。
レギュレーション違反: 走る、生息地から貝を持ち出す、許可なく私有地に入る
今回の舞台はここ。
・そう、日本の経済のど真ん中、東京駅である。
・今回はここを起点に貝を最速で探し当てることになる。
・大都会とはいえ東京は大部分を東京湾に接する港町でもある。内陸部に比べ貝を探すハードルは低いはずだ。
それでは…よーい
スタート!
・タイマー開始とともに東京駅を背に向け歩き出すが、360度どこを向いてもビルと人間ばかりで、とても貝がいそうな気配がない。
・それどころか、驚くほど生命の気配がない。見渡す限り人間ばかりで虫の一匹すらいないように感じる。
・駅前でうだうだしているうちにすでに5分が経過してしまった。
・風も強いので早々に地下通路に避難し、皇居方面に向けて歩きながら貝を探していくことにする。
・排水路のような水場にも貝の気配を感じて覗いてみるが、なかなか見つからない。
・しばらく歩くと皇居前にたどり着いた。
自然も多く、いかにも貝がいそうな気配ではあるが、この堀に入水したが最後、屈強な皇宮警備に囲まれ棒で殴られてしまうため、泣く泣くあきらめた。
・その後も都心を歩き回るも、なんと貝どころかカタツムリさえ出会うことはできなかった。
・2時間が経過。
・全く手がかりもつかめないまま日も傾き始めたため、都心で探すことをあきらめ、RTA開始直後から目をつけていた絶好の貝探しスポット、お台場海浜公園へと移動した。
・お台場海浜公園だ!以前来た際はボラが異様に跳ねまくっている上に臭いという最悪の環境だったが、季節もあってか今日は穏やかだ。
・浜に降りて貝を探し始める。
え!!!?????
日暮れすぎじゃない???????????????????
・まだまだ16時だからと余裕をこいていたが、冬場の日の短さを舐めていた。
・冬場の二時間は長い。私が駅前でもちもちしているうちに夕暮れはとうに訪れていたのだ。
・このままでは日が暮れてしまい、貝探しはより混迷を極めてしまう。
・何よりこれ以上気温が下がり続けると愚かにも軽装で来た私が凍死する可能性が出てくる。
・何としてもここで貝を見つけ、家に温かいブラウン・シチューを飲みに帰る必要が出てきた。
・しかしながら、海はあまりにも穏やかで、貝どころか死貝(貝の、死骸)すら見つけることができない。
・海岸の端までついてしまった。
・しかし。ここには岩場がある。岩場には貝がいる。港町生まれの私にはわかる。
・もはや私の旅はここまでだ!WRこそ逃したが、一度見つけさえすればあとは再送でその場所までの時間を短縮するだけだ。
・勝ったなガハハ!
・いない。貝が全くいない。本来ならイガイの一匹や二匹いてもおかしくない岩の隙間や表面にも全くいない。
・例えるなら、建物はあるのに人間が全く見当たらないという状態だ。
・これってポストアポカリプスもののRTAだったんだ……
・絶望しながら歩いていると鉄ポールを発見した。こういった構造物にはたいてい貝の1匹や2匹がついているものだ。祈るような気持ちで水中にカメラを突っ込むと
・フジツボがいた。
・フジツボか~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・実は、フジツボは貝ではないのだ。
・では何かというと、エビやカニに近い甲殻類の一種である。
・そのため、本RTAではカウント対象外となる。そんな……
・エイもいた。
・意外に思われるかもしれないが、エイは貝ではないのだ。知ってたか?マヌケ
・ここでスマホの充電が切れてしまい、以降の画像データは残っていない。
この後も30分ほど探し続けたが、ついぞ貝に出会えることはなかった。
・道案内や乗り換えを完全にスマホに頼っていたため、帰宅に大いに苦労したのは別の話。
最終結果:完走失敗
・甘かった。東京都はとはいえ貝の一匹や二匹すぐに見つかるかと思っていた。まさかこんなにいないとは思ってもいなかった。
悔しいので調査したところ、このような資料を見つけることができた。
令和5年度 お台場海浜公園の底生生物等調査結果https://www.kouwan.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kouwan/37902_r5tyousakekka
・これは令和5年度に東京都が行ったお台場海浜公園の生態調査である。
貝類調査結果(令和5年度 お台場海浜公園)
二枚貝
アサリ: 地点5で最も多く、冬季(2月)に58個体(湿重量2.86g/0.05m²)を記録。
ホンビノスガイ: 地点5中心に分布、冬季に34個体(湿重量1.02g/0.05m²)。
イガイ: 少数ながら湿重量が高め(最大0.14g/0.05m²)。
巻貝
ミズゴマツボ: 地点5で多く、夏季(8月)に74個体(湿重量0.26g/0.05m²)。
他種(タニシツボ、マメウラシマガイなど)も確認されている。
・意外にもあさりをはじめ二枚貝が多く生息しており、貝類の資源が全くないわけではないことが分かった。
・しかしながら、その多様性と絶対量において、他の海域と比較するとその差は歴然。むしろ貧弱であるとさえ言わざるを得ない。
・この海を再び豊かなる姿に甦らせ、私がこのRTAにおいてWRを叩き出すためには、全ての者が生物に親しみ、その環境の維持・回復に努めねばならないのだ。
立ち上がれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
おわり